2024-06-14
自然死という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。自然死というと、何の外傷も病もない、自然な老衰のみを指すイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。おおむね間違いではありませんが、それ以外でも自然死と定義されるケースがあります。
そこで本記事では、自然死とは具体的にどういうものなのか、そして最期を迎える前にすべきことなどを解説していきます。
自然死とは、身体の機能が自然に衰えていき、生命を維持することが難しくなってから死を迎えることで、平穏死とも呼ばれています。老衰(ろうすい)とほぼ同義と捉えても、おおむね間違いではありません。
なお自然死に、年齢の定義はありません。さまざまな医療技術が進み続ける近代においては、年老いて自然に死を迎える自然死が増えつつあります。ただし、中には疾病によって身体機能自体に衰えが生じ、病が直接の原因ではないまま自然に亡くなる場合も、自然死と呼ばれることがあるようです。
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続きを読む尊厳死では、生きるための積極的な延命治療をせず、積極的に命の時間を短くするようなこともしません。生きていくうえでの痛みや苦しみを緩和していくケアを施され、人としての尊厳を保ち、死を迎える状態を指すのが尊厳死なのです。
何も悪いところがない状態でただ身体機能が衰え、自然に死を迎える自然死と、延命しないと生きられないにも関わらず、延命をやめて緩和ケアのみで自然な衰えを待つ尊厳死は、全く違うように感じられる方が多いかもしれません。
しかしながら、身体機能が衰えるまで自然な死を待つという観点では、ほぼ同義と捉える方もいらっしゃいます。人により考え方や感覚はそれぞれ違いますので、同じなのか違うのかは意見が分かれるところです。
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続きを読む安楽死は、ご本人やご家族の同意を得てから、薬物投与で人為的に寿命を短くする行為であり、積極的安楽死とも呼ばれています。つまり、身体の機能が自然に衰えるのを待つ自然死とは、全く違う意味合いとなるのです。
日本では現段階において、法律の観点から積極的安楽死が認められていません。ご本人が死を望んだ場合でも、本人をすぐ死なせる薬物投与に関わった医師は、罪に問われることになります。なお、痛み苦しみを伴う延命治療を、患者やご家族の希望で中止する消極的安楽死ならば、患者の状態によっては認められることがあります。
自然死とは、平たくいえば寿命が尽きた状態のことです。寿命は人によりさまざまですが、ここからは、自然死と定義される主な原因を解説いたします。
自然死として一番知られているのは、やはり老衰です。加齢によって徐々に内臓や筋肉など、生きていくうえで必要な機能が衰え、自然な死を迎えることが自然死で最も浸透している原因となります。
年代に関係なく突然起こるのが、循環器トラブルで起こる急逝心臓死で、これも自然死とされる原因の一つです。急逝心臓死は、発現してから24時間以内の外因死を除くものであると定義されています。
代表的なものでは、心不全や心筋梗塞、心筋症、弁膜症などが挙げられます。
人の命には限りがあるため、死から目を背けないことも大切です。いざご自身が倒れた時などに、延命措置はどうしたいか、緩和ケアだけにしたいのか、全力で治療に取り組みたいのか、人によって考えはさまざまでしょう。しかし倒れてからでは、ご自身の希望を伝えることができなくなる方が多いのも事実です。
そのような事態を避けるためにも、いざ動けなくなった時には、どのようなケアや治療を受けたいのか、ご自身の希望をエンディングノートに書き記しておきましょう。そうすれば、いざという時にご自身の意志が伝わりやすくなります。
なお、ご葬儀には多くの費用がかかるため、貯金をしておいたり、互助会に入っておいたりしても良いでしょう。ご自身のご葬儀での希望がある場合は、生前に自分自身のご葬儀を予約される方もいらっしゃるようです。
ここからは、自然死に関して多く寄せられる疑問を解説していきます。
自然死は、身体の細胞全体が衰える場合だけで起こるものではありません。普段健康的だった若者が、ある日突然亡くなってしまうこともあります。元気だった赤ちゃんが、ある日突然死を迎えてしまうのと同じように、何らかの原因で急に生命を維持できなくなる場合があるのです。
このような若者の突然死は、不規則な食習慣や生活、普段のストレスで起こる可能性が高まりますので、心当たりのある方は生活習慣を改めてみることをおすすめします。
自然死や老衰というと、穏やかに眠るように亡くなるというイメージがあるかもしれません。実際、老衰や平穏死は、その命の火が消えるまでゆっくりと弱るため、痛みや苦しみをほとんど感じないそうです。
ただし、急逝心臓死の場合は、痛みを伴う場合が多いともいわれています。苦しむ時間は人それぞれで、一瞬である方もいれば比較的長い時間痛む方もいるようです。つまり、全ての自然死が楽だとは限りません。
自殺や他殺など、事件のあった部屋は告知義務が必須となりますので、事故物件として扱われることになりますが、事件性のない自然死の場合は告知義務の対象にはなりません。告知義務とは、物件の購入や入居を希望する方に対し、その部屋であった事件の内容を伝えることです。
ただし、いくら自然死であっても長期間放置され、ご遺体が腐敗したなどの場合には、告知義務が発生し心理的瑕疵による事故物件となる可能性が高くなります。
この内容は、物件における売買トラブルを未然に防ぐため、国土交通省が2021年に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公示したものです。なお、このガイドラインに法的強制力はありません。
誰しもいつかは迎えなければならない死ですが、切り出しにくい話題でもあるため、なかなか知ることができない内容も多いでしょう。死に対しての知識は誰しも知る権利があり、正しく理解していくことが重要です。
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