2021-04-07
終活の浸透と共に広く知られるようになったのが「エンディングノート」になります。ご自身の終末期や死後にご家族が様々な判断や手続きを進める時に必要な情報を残せる、終活においてとても重要なものになります。しかし、エンディングノートの記載内容は多岐にわたるため、実際に書き始めたところ困られる方も少なくないと思います。
そこで今回は、終活の定番となったエンディングノートの書き方やその内容などについてご紹介します。
エンディングノートは「終活ノート」とも言われ、ご自身が亡くなられた時に備えて書くノートになります。また、ご自身の最期をどう迎え、残りの人生をどのように生きるかを考えるためにもエンディングノートを書くことがあります。
またエンディングノートは、最近では一見死とは無縁の若い方も作成されることが増えてきました。この場合のエンディングノートは死への備えに限らずに、ご自身の人生設計を立てるためであったり、ご自身の成長につなげるために書かれます。
なお、エンディングノートに似たものとして「遺言書」がありますが、両者には様々な違いがあります。両者の違いについては以下の記事で詳しくご紹介しておりますので、ぜひご一読ください。
エンディングノートと遺言書の特徴とそれぞれの違いとは?
エンディングノートを書くことには数多くのメリットがあります。以下では具体的にどのようなメリットがあるのかについてまとめましたので、エンディングノートを書くかどうか迷われている方はご参考にしてください。
ノート形式であれば、ご自身が希望するご葬儀の形式やご葬儀のご会葬者などについて伝えたいこともより細かく残すことができます。他にも、亡くなられた後に引き継いでほしいことなどがあれば、それを代行していただくためにお願いをしてもよいでしょう。
また、ご自身の希望を伝えるだけでなく、ご家族に対してメッセージを残すこともできます。遺言書でも残せないわけではありませんが、エンディングノートであれば文字数や枚数を気にすることなく、ご家族一人ひとりにメッセージを書くことができます。
エンディングノートには相続や財産に限らずに、ご自身のことや自分史について記載する部分もあります。それらを通じてご自身が今までどのような人生を歩んできたのかについて振り返ることができます。
また、エンディングノートを書くことでご自身の人生を振り返れば、残された人生をどのようにしたいのか、ご自身の死後はご家族にどうしてもらいたいのかなども明確に見えてくると思います。
終活のためだけでなく、日ごろの生活面でも役立つのがメリットの1つです。高齢になって忘れしまいがちなことも、エンディングノートに記入して残しておけば見返すことですぐに思い出せます。忘れしまいがちな情報をまとめておけば、どこにメモをしておいたのか悩むこともありません。
特に、ご自身しか知らないような情報を優先的に記入しておくとよいでしょう。例えば、ご友人の住所や連絡先、ご葬儀に会葬してもらいたい方などの情報になります。きちんと記録として残しておけば、ご家族にとっても役立つものになります。
エンディングノートには決まった形式はありません。そのため、エンディングノートを選ぶ際は目的を明確にして選ぶことが大切です。
タイプ | 選ぶポイント |
---|---|
じっくり書きたい場合 | ・文字が書きやすいかどうか ・ノートが開きやすいかどうか ・終活の用語や断捨離の方法などのコラムがあるかどうか |
情報を伝えたい場合 | ・自分史を書けるかどうか ・記入項目が細かくなっているかどうか ・備忘録として使えるかどうか |
想いを伝えたい場合 | ・フリースペースが多くとられているかどうか ・メッセージ欄がたくさんあるかどうか ・意思表示項目が具体的かどうか |
手軽に書きたい場合 | ・価格が安いかどうか ・文例が豊富かどうか ・記入方法の説明があるかどうか |
エンディングノートには特に必須項目はありませんが、遺されたご家族のためのノートでもある以上、終末期医療やご葬儀などの希望、連絡先などの情報を記しておくとよいでしょう。以下ではエンディングノートに書いておくとよい内容についてまとめましたので、ご参照ください。
ご自身の本籍地や年金証書といった基本情報を書いておくと、万が一の際にご家族が大変助かります。また、誕生から現在までの自分史やお好きな食べ物、趣味などを書くことでご自身を振り返ることで、残りの人生において何をすべきなのかが見えてくるのではないでしょうか。
<記載例>
生年月日/本籍地/血液型/家族/家系図/学歴・職歴・資格/マイナンバー/運転免許証番号・健康保険証番号/自分史/人生のターニングポイント/性格・信念/人脈・仲間/趣味・特技/好きな食べ物
保険の証書や年金証書、通帳・印鑑などの保管場所はご家族であっても知らないことがほとんどです。そのため、それらの保管場所をエンディングノートに書いておけばご家族が対応しやすくなります。
<記載例>
預貯金/金庫などに保管している現金/不動産/有価証券/貴金属/骨董品など価値のあるコレクション
SNSなどのデジタル情報はIDやパスワードが分からないとずっと残ってしまいます。そのため、各アカウントで使用しているアドレスやID、パスワード、退会手続きなどをエンディングノートに書いておくとご家族も安心です。
なお、ご自身が亡くなられた後のFacebookやTwitterなどのSNSのアカウントに関しては以下の記事で取り上げておりますので、是非ご参照ください。
自分が亡くなった後のSNSのアカウントはどうなるの?
ご家族やご親族との思い出や感謝の気持ちなどを綴っておくとよいでしょう。形見分けリストを作成しておくのもおすすめです。
親しいご友人やお世話になった方に、普段言えなかった感謝の気持ちを綴っておくのもよいでしょう。その際、写真を一緒に張っておくのもよいかもしれません。
特に一人暮らしの場合、遺されたペットを引き取ってきちんとお世話をしてくださる方をきめておかなければいけません。その際、ペットの好き嫌いや病歴なども書いておきましょう。
ご自身が末期の状態になったらご家族は延命措置などの決断を迫られることになります。ご家族の精神的な負担を減らすためにもその時の対応について決めておくことは大切です。また、認知症などで意思疎通ができなくなってしまうことも考慮して、介護の事や費用捻出などについてもエンディングノートにかいておきましょう。
ご家族とご自身が亡くなられた時のことを話しづらいようであれば、ご自身のご葬儀やお墓のことなどについてもエンディングノートにかいておくとよいでしょう。
<記載例>
信仰する宗教/ご葬儀の形式(一般葬・家族葬など)/納骨の方法・場所/お墓について/遺影に使う写真
ご自身が亡くなられた後に残されたご家族同士でトラブルとならないように遺言を残してあるようであればその保管場所についてエンディングノートに書いておくとよいでしょう。
ご自身のご親族や親しいご友人などの連絡先を書いておきましょう。亡くなられたことを連絡してほしい方がいる場合は、その旨も書くことをおすすめします。
エンディングノートの記載内容は多岐にわたるため、最初はその項目の多さからあまり気乗りしない方もいらっしゃるかと思います。しかし、エンディングノートを書くことで、ご自身のこれまでの人生を振り返るだけでなく、遺されたご家族の精神的な負担も大きく軽減できます。
なお、セレモニーには「終活コーディネーター」が多数在籍しております。終活コーディネーターは、そうしたお客様の悩みに寄り添い、自分らしく人生のエンディングを迎えていただけるように支援・コーディネートするほか、各専門分野への橋渡しを行うなど、“終活の案内人”ともいえる存在です。
終活について分からないこと・心配なことがございましたら、お気軽にセレモニーの終活コーディネーターまでご相談ください。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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