2020-12-18
ご葬儀に参列される場合、ご会葬者は香典を持参されます。ご会葬者から香典をいただいた場合、ご遺族は故人様に代わって香典返しをお贈りしますが、中には香典返しを辞退される方も少なからずいらっしゃいます。その場合、ご遺族はどのようにすればよいのでしょうか。
そこで今回は、香典返しを辞退された場合の対応についてご紹介します。
ご葬儀では、ご会葬者は香典を持参し、ご遺族は故人様に代わって香典返しをお贈りします。しかし、ご会葬者の中には香典返しを辞退される方も少なからずいらっしゃいます。何故、香典返しを辞退されるのでしょうか。以下で香典返しを辞退される場合の理由としてよく挙がるものをご紹介します。
近年では、ご葬儀の当日に香典返しをする「当日返し」が増えてきましたが、本来香典返しはご葬儀後にお贈りします。そのため、香典返しの手配以外にもご葬儀後は何かと忙しいご遺族への心遣いから香典返しを辞退される方もいらっしゃいます。
香典返しを辞退される方の中には、公的な組織や会社に所属している方もいらっしゃいます。公的な組織や会社の場合、禁止事項として香典返しを受け取れないことがあります。その場合、香典返しを贈ってしまうと相手を困らせてしまいますので、心遣いをありがたく受け取りましょう。
ご自身が包んだ香典が香典返しをいただくほどではないと考えられていたり、複数人で香典を包んだために一人ひとりの金額が少なかったために、香典返しを辞退されることもあります。また、香典返しを辞退することを前提で香典を少額包まれる方もいらっしゃいますが、いずれにしても香典を少額にすることで香典返しを辞退されたご遺族が気を遣わずに済むというご遺族への配慮と言えます。
ご会葬者が香典返しを辞退された場合、ご遺族は基本的に、その申し出をご厚意として受け取るのがマナーになります。
しかし、何もしないというのも感謝の気持ちを伝える機会がないために、相手との関係性が崩れてしまうのではないかと思われる方もいらっしゃると思います。その場合、感謝の気持ちを伝えるために取れる方法が2つあります。
ご会葬者から香典を辞退され場合、いただいた香典に対する感謝を伝える方法として一般的なのが、四十九日法要後にお礼状や挨拶状をお送りする方法になります。
一般的に香典返しは、香典返しの品と共にお礼状や挨拶状を添えます。そのため、香典返しを辞退されたご会葬者には香典返しの品を贈らずに、お礼状や挨拶状だけを送りましょう。
<文例>
謹啓
御尊家一同様に於かれましては 御清祥に御過ごしのことと存じます
〇〇(故人名)の葬儀に際しては 御繁忙中にかかわりもせず御弔意を賜り 誠に有難く厚く御礼申し上げます
お陰をもちまして四十九日法要を滞りなく相営むことができました
つきましては早速拝趨し御礼を申し上げるところですが 略儀ながら書中にて御挨拶申し上げます
敬具
令和〇年〇〇月 喪主
ご会葬者が香典返しを辞退されたとしても、ご遺族としてはお返しをしたいとい思われるでしょう。そのような場合、別の機会にお礼をするのもよいでしょう。例えば、お中元やおお歳暮を贈ったり、食事会に招待したり、菓子折りを持って行って直接感謝を伝えたりと様々な方法があります。
なお、喪中におけるお中元やお歳暮に関しては、それぞれ以下の記事でご紹介しておりますので、是非ご参照ください。
・喪中の時にお中元を贈っても大丈夫?喪中にお中元を贈る際のマナーや注意点をご紹介
・お歳暮は喪中でも贈れるの?喪中のお歳暮に関する注意点やマナーとは?
ご会葬者が香典返しを辞退されるのは、ご遺族への心遣いや配慮によるものであることがほとんどです。マナーを守ることも大切ですが、何よりも大切にしたいのは相手の気持ちを尊重するということです。形式だけにとらわれずに、香典をくださった方に真心が伝わる対応を心掛けましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。