2021-11-19
ご家族が亡くなられると喪主やご遺族はご葬儀の準備だけでなく、様々な手続きを進めていかなくてはいけません。そのような中で、いただいた香典の中に住所が明記されていないこともあります。しかし、ご葬儀中は確認する余裕がないために、香典返しの段階になって住所が分からないということもあるでしょう。
そこで今回は、香典返しをお贈りする際に住所が分からない時の対応についてご紹介します。
香典返しは、「四十九日法要(忌明け法要)を執り行った忌明けに、喪主が感謝の気持ちを込めてご会葬いただいた方々に持参するもの」とされていましたが、近年では、住宅事情や社会情勢によって香典返しの品を郵送または宅配することが一般的になってきました。
しかし、住所が分からない場合はどうすればよいのでしょうか。以下ではそのような場合の対応についてまとめましたのでご参照ください。
香典袋(不祝儀袋)に住所が記載されていないようであれば、「芳名帳(会葬者名簿)」に住所が書かれているかもしれませんので、まずはそちらに住所が書かれているかどうかを確認しましょう。
芳名帳にも住所の記載がない場合は、香典袋(不祝儀袋)に何かしら他の文面が記載されていないか、メモがないかを調べましょう。ご会葬者の中には、「香典返しが不要」といった心遣いによって、わざと住所を芳名帳に書かれない方もいらっしゃいます。その場合は「香典返しを辞退させていただきます」といったことが記載されていたり、手紙を添えて香典辞退の意志をお伝えしてくださっていることもあります。
連名で香典をいただいた際に、代表者以外の方の住所が記載されていない場合もあります。この場合は、代表者の方に連絡を入れて、「香典をいただいた方々に香典返しをお贈りしたいので住所を教えていただきたい」と伝えて、住所を教えていただきましょう。その際、「一人ひとりに返礼は必要ありませんよ」と言われたら、代表者の方に香典返しをまとめてお贈りすれば問題ありません。
また、同僚の方々から連名で香典をいただいたら、職場で皆さんが分けられるような個包装の焼き菓子の詰め合わせなどを代表者の方に香典返しをお贈りしましょう。
ご近所の方やすでにお相手の住所が分かっている場合、香典袋に住所を書かれないということもあります。「わざわざ書く必要はないだろう」とあえて住所を書かれない方もいらっしゃいます。
この場合、ご自宅の場所が分かっているようであれば持参すれば問題ありませんし、自営業をされているなど職場が近く所在地が分かるようであれば、持参していくのもよいでしょう。ご近所の方は今後のお付き合いもありますので、住所が分からなくてもご自宅が分かっているようであれば香典返しを持参して、感謝の気持ちをお伝えしましょう。
ご葬儀に参列することはあっても、喪主になってご葬儀を執り行うことは人生でそうありません。そのため、香典のマナーに関しては分かっていても、香典返しのマナーは分からないという方も多いと思います。以下では香典返しの基本的なマナーについてまとめましたので、ぜひご参照ください。
仏教では、ヒトが亡くなられてから四十九日までの期間を「中陰」「忌中」とも呼ばれます。
中陰の期間が満ちて「満中陰」を迎えることが「忌明け」で、現世でさまよっていた故人様の魂があの世に行き、無事に成仏されたとして法要を執り行い、香典をいただいた方々に感謝の気持ちとお礼を込めて香典返しをお贈りするのが一般的です。
しかし、宗派や地域によって違いがあり、四十九日後にお贈りしないこともあるほか、そもそも香典返しをお贈りしないこともあります。
神道の場合、香典は「御玉串料」「御榊料」などとも呼ばれます。香典返しはそもそも仏教の考えに由来しているため、本来であれば神道に関係はないのですが、古くからある慣習ということで、香典返しと同じように返礼品を用意します。
のし紙(掛け紙)に関しては、蓮の花が描かれていないものに、白銀もしくは双白の水引を使用するのが一般的です。なお、表書きが「偲び草」とします。
キリスト教には香典といった慣習はなく、忌明けという考え方もないので香典返しも本来ではありません。しかし、日本では古くから香典の風習があることから、日本国内では香典の代わりとして「御ミサ料」「御花料」などをお贈りするようになっています。そのお返しとして返礼品を用意するのですが、これがキリスト教式における香典返しになります。
香典をいただいた方の住所が分からないために、香典返しをお贈りできないということがないように、ご葬儀の際には受付をお願いしている方に住所の確認をしていただけるよう、念押ししておくとよいでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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