2025-03-28
ご葬儀は、日本におけるさまざまなセレモニーの中でも特に格式高い場とされています。ご遺族にとって、故人様と過ごす最期の別れは正気を保っていられないほどに辛く苦しいものでしょう。しかしながら、ご葬儀は後にも先にも一度だけです。本記事では、ご葬儀における基本的なマナー、特に男性の髪型に重点を置いてご紹介いたします。
結論から申し上げると、ご葬儀で男性がヘアワックスで髪を整えることに問題はありません。ただし、ワックスを付けすぎて、光沢が出ないよう に気を付けましょう。
ご葬儀におけるヘアスタイルで重要視する要素は清潔感です。なぜならば、ご葬儀は故人様と最後のお別れをする大切な機会であるため、他の参列者に違和感を与えないように気を付けなくてはなりません。
ご葬儀のみならず、人生の節目となる冠婚葬祭全てにおいて身だしなみは整えるべきといったルールがあります。ただし、ご葬儀は死を悼む弔事であるため、慶事のような煌びやかさや華やかさを出すのはマナー違反です。当日は慎ましやかさを心がけつつ、服装も髪型もしっかり整えて臨みましょう。
ここからは、弔事におけるヘアワックスの選び方、使用法、注意点について解説していきます。
ご葬儀に参列する方は、服装だけでなく髪型も清潔 でクリーンなイメージを意識しなければなりません。オシャレになりすぎないように、慎ましく整えることを心がけます。ヘアワックスは、ボサボサやハネ、うねり、浮き毛 などを落ち着かせられる程度の適量を指先にとって少し揉み、髪を両手で掴むようにしてなじませたら、最後は櫛で軽く整えます。
ヘアワックスは無香料のものを選びましょう。ご葬儀の場では、華美な見た目もNGですが、強い香りもタブーとされています。いくらご自身で良いと感じている香りでも、人によっては不快に思う方がいるからです。
故人様の死を悼む場において、周りの方々に悪い印象を与える行動は双方に利がありません。無香料のヘアワックスを選ぶことはもちろんですが、いつもの癖でうっかり香水をつけてしまうといった行為にも気を付けましょう。
ヘアワックスにはさまざまな種類がありますが、ご葬儀の際に使用するものはマットタイプ、ドライタイプがおすすめです。ご葬儀では服や髪型から感じられるツヤや光沢がマナー違反となっていますので、ツヤ感やウエット感の表示があるワックスは避けましょう。
これまでヘアワックスの選び方、光沢などについてのマナーをお伝えしましたが、ここからは髪の長さについて言及していきます。
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続きを読む基本、髪の毛が目や耳にかかっていない短髪の方は、普段通りそのままの髪型で問題ありません。ただし、髪がクシャクシャ、寝ぐせ、ハネなどが目立つ場合は整えていくことが前提です。
前髪が目にかかっている方は、目が見えるように髪を切るか、あるいは横分けにクセ付けして額を見せるか、またはオールバックにしてワックスで整えるのがおすすめです。
パーマがかかっている場合は、ヘアアイロンやワックスを駆使して、できる限りストレートに見えるよう整えていきましょう。お時間のある方は、美容室でストレートパーマや縮毛矯正を施せば当日の手間が省けます。
髪が肩よりも長い場合は、100円ショップ、ドラッグストアなどで手に入る黒いヘアゴムを用意し、後ろできっちりと一つにまとめます。おくれ毛など落ちてこないよう、マットワックスで軽くならしてから櫛でとかし結びましょう。
髪色は、何も手を加えていない黒色にするのが一般的です。白髪を隠すために黒いカラートリートメントをしている方はそのままで問題ありませんが、金髪や明るい茶色など派手に見えるカラーリングはマナー違反と感じる方もいらっしゃいます。
髪色が派手な場合は、美容室で黒く染めたり、髪色を一時的に黒くするスプレーで落ち着いた色に直したりして、不快に思われないように注意しましょう。
ここからは、髪型以外で押さえておきたいご葬儀のマナーについて解説していきます。
ご葬儀に参列する場合は、基本準喪服を着用します。準喪服より格式の高い正喪服は、喪主やご遺族が着用するので、参列者は準喪服を着用するのがマナーです。
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続きを読むご葬儀に使用する小物は以下の通りで、いずれも光沢のないものが基本です。
・黒いネクタイ
光沢を感じない無地のネクタイを選びます。
・黒い革靴、または合成皮革の靴
ストレートチップの紐靴が適切です。
・黒いベルト
素材は黒く光沢のない革か合成皮革、太さは2.5~3cm、バックルは無地の黒かシルバーで控えめなデザインを選びます。
・Yシャツ
白色、無地、ブロード生地が基本です。小さな白いボタンが付いているものを選びます。
・靴下、バッグ
靴下は基本黒色のハイゲージ、バッグは基本持ちません。
・コート
無地で、黒か濃いグレーのコートが適切です。
・数珠
必須ではありませんが、仏式のご葬儀に参列する方はほとんどの方が持っていますので、ご自身用に1本持っておくと便利です。キリスト教や神道のご葬儀では、仏具の数珠を持って行くのはマナー違反となりますので注意しましょう。
・その他アクセサリー
指輪は既婚者の結婚指輪のみ、腕時計はカジュアルすぎない黒かシルバーのシンプルなデザインを選びます。
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60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。