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2025-02-14

白骨の御文とは?読み方・現代語訳、浄土真宗のご葬儀についても解説します

浄土真宗に「白骨の御文(はっこつのおふみ)」というお経があるのはご存じでしょうか。これは、ご葬儀をはじめとするさまざまな仏事であげられる重要なお経です。当記事では、白骨の御文の全文と意味、浄土真宗のご葬儀について解説いたします。

白骨の御文とは?

かつて親鸞聖人(しんらんしょうにん)によって開祖された浄土真宗ですが、その後、全国に広めたのが蓮如上人(れんにょしょうにん)です。蓮如上人は、浄土真宗の教えを分かりやすい手紙(御文)の形で書き記し、布教活動に尽力しました。

この時に書かれた手紙は御文章(ごぶんしょう)と呼ばれ、その数は80通にも上ります。そのうちの1通が「白骨の御文」と呼ばれる御文です。なお、白骨の御文は派閥によって呼ばれ方が異なります。

・大谷派…御文

・興正派…御勧章(ごかんしょう)

・本願寺派…御文章(ごぶんしょう)

名文と評される白骨の御文を書き記した蓮如上人は「浄土真宗開立の祖」と呼ばれ、現代においても多くの人々から敬愛され続けているのです。

浄土真宗のご葬儀で読まれる

白骨の御文は、浄土真宗の法事、特にお通夜やご葬儀には欠かせない重要なお経とされています。読経のタイミングは、各儀式の終盤です。

白骨の御文は、浄土真宗の開祖、親鸞聖人の教えがただひたすらに記されています。理解を深めるためひらがなを交えて分かりやすく記された御文は、凡夫往生の手鏡(ぼんぶおうじょうのてかがみ)として称えられ、後世に語り継がれているのです。

「白骨の御文」の歴史

白骨の御文が誕生した背景には、悲しい歴史が存在します。その昔、山科本願寺(やましなほんがんじ)に近い安祥寺村(あんしょうじむら)に、青木民部(あおきみんぶ)という下級武士が住んでいました。民部には17歳の娘がおり、身分の高い武家との縁談が決まっていました。

民部は喜び、家宝を売り払って嫁入り道具をそろえましたが、挙式当日に娘が突然の病で急逝したのです。娘の白骨が収まった骨壺を抱えた民部は、「これが待ちに待った娘の嫁入り姿なのか」と悲しみに暮れ、51歳で急逝します。ショックを受けた妻も、翌日37歳で愁死しました。

さらにその数日後、山科本願寺に寺地を寄進するなど、深い関わりを持つ海老名五郎左衛門(えびなごろうざえもん)の娘も、17歳の若さで病に倒れて急逝しました。ご葬儀の後で五郎左衛門は山科本願寺を参拝し、蓮如上人に無常についてのご勧化を願い出ます。青木家に引き続き海老名家の訃報まで受けた蓮如上人は、その願いをすぐに聞き入れました。

一方、蓮如上人の悲劇から白骨の御文が制作されたといった説もあります。文明2年に奥様の蓮祐尼様が亡くなり、翌年の冬に12歳の五女が急逝、さらに五女の初七日も迎えていない6日後に長女が二十八歳で力尽きてしまうのです。また、翌年の夏には6歳の六女が急逝、その約2週間後に25歳の次女が亡くなりました。

短期間で家族5人を失った蓮如上人は、立ち上がることのできない悲しみを背負いながら御文を書きました。以上のように、白骨の御文が作成された経緯は諸説あります。いずれにせよ、白骨の御文が人々の大きな悲しみによって書かれたという点は共通しています。

「白骨の御文」の作者・蓮如上人について

白骨の御文の作者である蓮如上人は、戦国時代の最中、本願寺7世の存如上人(ぞんにょしょうにん)の元に誕生しました。親鸞上人などから教学を学び、本願寺8世を継がれた後は、布教活動に力を入れています。

「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」の念仏で、誰でも極楽浄土で仏になれるという親鸞聖人の教えを説き続け、本願寺教団の基礎を築いた人物です。

「白骨の御文」の原文と現代語訳

ここからは、白骨の御文の原文と現代語訳を載せていきます。

【白骨の御文】
原文 現代語訳
それ、人間の浮生(ふしょう)なる相(すがた)をつらつら観ずるに、凡そ(おほよそ)はかなきものはこの世の始中終(しっちゅうじゅう)、幻の如くなる一期(いちご)なり。 さて、人間の不確定な有様をおおいに考えてみますと、およそ儚いものとは、この世の始めから終わりまで幻のような一生涯のことであると存じます。
されば未だ万歳(まんざい)の人身(じんしん)をうけたりといふことをきかず、一生過ぎ易し。 かつて、人が一万年の寿命を全うしたなどという話は聞いたことがありません。一生はあっという間なのです。
今に至りて、たれか百年の形体(ぎょうたい)を保つべきや。 今では、いったい誰が百年の命を保つことができましたでしょうか。
我(われ)や先、人や先、今日ともしらず、明日ともしらず、おくれ先だつ人は本の雫(もとのしずく)、末の露(すゑのつゆ)よりも繁しといへり。 私が先か、他人が先か、今日か、明日かもしれず、遅れたり先立ったりして人の別れに絶え間ないのは、草木からすべり落ちる雫(しずく)や、葉先に留まる露よりも数が多いのです。
されば朝(あした)は紅顔ありて、夕(ゆうべ)には白骨となる身なり。 ゆえに、朝には良い顔色であっても、夕方には白骨となってしまう身なのです。
すでに無常の風きたぬれば、すなはち二の眼(ふたつのまなこ)たちまちに閉ち、一(ひとつ)の息ながくたえぬれば、紅顔(こうがん)むなしく変じて桃李(とうり)の装(よそほひ)を失ひぬるときは、六親眷属(ろくしんけんぞく)集まりて歎き悲しめども、さらにその甲斐あるべからず。 現に無常の風が吹き、二つの眼がたちまち閉じて、一つの息が永久に途切れば、血色のよさも色を失い、桃や李(すもも)のような美しい姿を失います。その時に、家族や親族が集まって嘆き悲しんでも、もはや何の甲斐もありません。
さしてもあるべきことならねばとて、野外におくりて夜半(よわ)の煙(けぶり)と為し(なし)はてぬれば、ただ白骨のみぞ残れり。 そのままの状態にしておけないので、野辺の送りで火葬を行えば、夜半の煙となり、ただ白骨だけが残ります。
あはれといふもなかなかおろなり。 あわれという言葉だけでは、いい尽くすことができないほどに虚しいことです。
されば人間のはかなきことは老少不定(ろうじょうふじょう)のさかひなれば、たれの人も、はやく後生の一大事を心にかて、阿弥陀仏(あみだぶつ)をふかくたのみまゐらせて、念仏申すべきものなり。 人間の儚さは、その寿命が老少定まりのない境界なのです。ゆえに、全ての方が早く後生の一大事を考え、阿弥陀仏を深く信じ念仏を唱えましょう。
あなかしこ、あなかしこ。 恐れ多い、もったいないことです。

浄土真宗のご葬儀

浄土真宗の基本的なご葬儀の形式は、蓮如上人が確立したとされています。浄土真宗では一般的にご葬儀で読経される般若心経を用いず、白骨の御文を唱えます。また、阿弥陀如来様の導きで往生即身仏が叶うとされているため、「冥福を祈る」という言葉を使いません。

さらに、儀式で末期の水を使うこともなければ、香は額に押しいただかずそのままつまんで香炉にくべるなど、他の宗派のご葬儀では見られない特徴が多くあります。加えて、ご葬儀後のお清めの塩も必要ありません。

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まとめ

白骨の御文は、室町時代に蓮如上人が浄土真宗の門徒に宛てて書いた手紙でした。現代では浄土真宗の仏事に欠かせないお経として浸透し、さまざまな場所で読経されています。日本の宗派で最も信者が多いとされる浄土真宗の理は、知識の一部として取り入れておいても損はないでしょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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