2019-06-10
クリスマスにはプレゼント交換をし、お正月には神社で初詣をし、お盆には墓参りをする。
普段、何気なく日常生活に取り入れてる、これらの行事は、仏教、神道、キリスト教です。
宗教を意識して生活する人は、日本では少ないのではないでしょうか?
はじめて宗教と向き合うのが、身内の葬儀でしたと言う人は多いと思います。
そして、日本のご葬儀は仏式で行われることが多いのですが、仏式といっても宗派によって教えも異なり、お経もそれぞれです。また、宗派がわからないと、仏壇の購入もままなりません。葬儀にかかわる人から「どちらの宗派ですか?」と聞かれ、あたり前のように答えられたら、頼もしいですよね?
インドで生まれた仏教は日本に500年中頃に伝わりました。
昔、お札にもなっていて、有名な聖徳太子が天皇を補佐する摂政になってから、仏教が日本に広まったと言われています。
聖徳太子は法隆寺を建立し、仏教を日本に広めました。
聖武天皇が国を守るために「諸国に国分寺・国分尼寺を建立せよ」との命令を出したことで、お寺が全国に建立されました。
現在でも全国に「国分寺」の地名がその名残をとどめています。
平安時代になると、最澄が開いた天台宗、空海が開いた真言宗が生まれています。
鎌倉時代では親鸞聖人や日蓮聖人など多くの宗祖があらわれ、いくつもの宗派が誕生しました。
現在、日本にさまざまな宗派があるのはこのためで、十三宗五十六派あるといわれていますが、それぞれ、葬儀にも特徴があります。
そのなかでも、おもな宗派を紹介しましょう。
浄土真宗では亡くなるとすぐに南無阿弥陀仏によって極楽浄土に導かれ、仏になると考えられています。
「阿弥陀様が救って下さる」と信じることで往生できる。
他の宗派と大きく違うのは葬儀は「死者への供養として行われるのではない」というところです。死と同時に阿弥陀如来によって極楽浄土に迎えられているため、成仏を祈る必要がないと考えられています。
つまり、対象は死者ではなく、阿弥陀如来になります。よって、浄土真宗の葬儀では、他の宗派にある「引導」や「授戒」がありません。
引導とは、葬儀の際に僧侶が棺の前で経文を唱える作法のことで、死者が悟りを得て成仏できるよう行うものです。授戒とは、仏門に入るものに仏弟子としての戒を授けることをいいます。
浄土宗のご葬儀の特徴としては、僧侶とともに、故人に代わって参列者が念仏を唱えることです。
「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)・・・」と10回から一定時間唱えることで、故人が阿弥陀如来の救いを得る助けをするという意味を持ちます。
浄土宗の葬儀は、故人様を阿弥陀さまの極楽浄土にお送りするための儀式とも言えますので、そうした意味を踏まえて、葬儀に参列するようにしましょう。
「南無妙法蓮華経」のお題目を繰り返し唱えることによって法華経への信心の深さを示すことができ、死後には「霊山浄土(りょうぜんじょうど)で釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)にお会いし、成仏することができる」というのが、日蓮宗の教えです。
日蓮宗の葬儀では「南無妙法蓮華経」というお題目を唱えることが重要で、葬儀の最中にも唱えられます。
ご葬儀の場でお題目を唱えることによって「故人の生前の信心深さを讃え、故人が無事に霊山浄土に辿り着き成仏する」手助けができるため、功徳を積むことになり修行が進むとされています。
神式の葬儀とは、神道の葬儀を指します。「神葬式(しんそうしき)」「神葬祭(しんそうさい)」とも呼ばれ、もっとも大きな特徴は、「榊(さかき)を使うこと」「亡くなった方は、今後家を守るための神様となること」です。仏教と似たところもありますが、さまざまな点で異なるため、混同しないように注意が必要とされます。
神式の葬儀においては、「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」が行われます。
また、数珠は使いません。装いは一般的な葬儀と同じですが、言葉使いなどに関しては仏教のときとは異なる言い回しをとることもあります。
キリスト教には「カトリック」と「プロテスタント」があります。
それぞれに葬儀の流れが異なりますので、注意する必要があります。
カトリックの考えでは、故人は神に委ねられ、キリストの再臨と死者の復活が願われます。葬儀は故人が所属していた教会で行われ、葬儀と告別式を別に行います。
プロテスタントの考えでは、故人は神のもとで安らかになるという思いがあるため、祈りは神のためにおこないます。
そのため、葬儀も神への「感謝」と遺族への「慰め」という意味合いがあります。カトリックとは違い、葬儀と告別式は分けずに行われます。
一度、宗派を調べることをおすすめします。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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