2025-02-07
ご家族が亡くなり四十九日が経った後、初めて迎えるお盆を初盆(新盆)といいます。初盆は、故人様の御霊が初めてこの世へ戻る機会であり、昔ながらの慣習に沿いながら、御霊をお迎えする準備を行います。
初盆は人生でそう何度も迎えるものではないため、準備方法や時期などに迷われる方も多いかもしれません。本記事では、初盆を迎える前の詳しい準備方法や、法要を行うための手順、飾り付けなどについて解説いたします。
初盆(はつぼん/ういぼん)は、故人様が亡くなられてから初めて迎えるお盆であり、心尽くしのご供養を行うのが一般的です。また、地域によっては新盆(しんぼん/あらぼん/にいぼん)と呼ぶこともあります。
なお、7月に行うお盆も「新盆」と呼ばれています。同じ熟語ではありますが、初盆とは違い「7月盆」といった意味になりますので混同しないよう気をつけましょう。
初盆は一度きりの行事であるため、手厚い準備を行って故人様をお迎えする必要があります。初盆ではご自宅への飾り付けやお墓参りだけでなく、初盆法要を行うのが一般的です。ただし、お盆の時期は法要が非常に混み合いますので、準備は余裕をもって1~2ヶ月前から始めることをおすすめします。
ここからは、1~2ヶ月前から行う初盆法要の準備について解説いたします。
初盆法要は、一般的にお盆の日程内で行いますが、時期は地域によって異なります。東京都、神奈川県、静岡県、石川県、北海道の一部では新盆(7月13日~7月16日の4日間)、その他の地域では旧盆(8月13日~8月16日の4日間)に行い、沖縄県では毎年日程が異なります。
初盆法要は、盆の中日(15日)に行うご家庭が多いです。法要の日程が決まっている場合は、できるだけ早い段階で日程を調整し、料理を手配しておきましょう。お盆中に初盆法要をできない場合は、前倒しの土日祝日などに行っても問題ありません。
初盆法要と一周忌法要が重なった場合は、一般的に一周忌法要を優先して行います。初盆法要と一周忌法要を別々に執り行うことも可能ですが、遠方のご親族に負担が掛かったり、費用が掛かりすぎたりしてしまうため、一周忌法要のみでも問題ないとされています。また、初盆と一周忌の法要を同日にまとめて執り行うことも可能です。
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続きを読む初盆の法要は、ご自宅で執り行う方が多いです。人数が多い場合は菩提寺、霊園、会館などを借りて行うご家庭もあります。会場選びに迷った場合は、葬儀社のスタッフや菩提寺の方に相談してみると良いでしょう。
初盆の読経は、基本的には菩提寺の僧侶にお願いします。決まった菩提寺がない場合でも、会場のある大きな霊園なら僧侶や会場の相談ができます。また、葬儀社の担当スタッフに相談して、僧侶を紹介してもらうことも可能です。
次に、初盆法要にお呼びする方を決めます。基本的には、ご親戚や生前故人様が親しくされていた方、四十九日法要でお呼びした方を基準にすれば間違いありません。一人で決めることはせずに、ご遺族で相談しましょう。
参列者が決まったら、招待状を送ります。返信しやすいよう往復はがきを用いるのが通例ですが、近年ではSNSやメールで確認する方も増えてきているようです。会食や返礼品の予約もあるため、1ヶ月前には人数を把握しておけるように準備しましょう。
お供え物や香典の返礼品も準備しておきましょう。香典の相場が3,000~5,000円なので、返礼品の金額は1,500~2,500円程度が目安です。会食を行う場合は金額相場が10,000~30,000円ほどに上がるため、返礼品の金額も3,000~8,000円程度にしておきましょう。
なお、返礼品は消えものが良いとされています。参列者が持ち帰ることも考慮し、日持ちする焼き菓子や乾物の海苔などが無難です。
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続きを読む僧侶をお呼びする場合は、僧侶にお渡しするためのお布施を用意します。初盆で用意するお布施の金額相場は、30,000~50,000円程度とされています。お布施の金額が決められている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
また、ご自宅に僧侶をお呼びする場合、お布施のほかお車代や食事代も用意する必要があります。封筒は白い無地が一般的で、表書きには「御布施」と記載します。お車代や食事代をお渡しする場合は別に封筒を用意し、それぞれ表書きに「御車代」「御膳料」と記載しましょう。
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精霊棚(しょうりょうだな)は盆棚(ぼんだな)とも呼ばれ、ご先祖様や故人様を供養するための棚です。位牌を安置して、お供え物や供花、仏具、提灯、水の子、精霊馬(精霊牛)、ほおずきなどで飾り付けを行います。
お供え物は、基本的に消えものを用意します。殺生を彷彿とさせる肉や魚、傷みやすい生ものは避け、日持ちのする缶詰のフルーツや常温保存のゼリー、焼き菓子などを用意しましょう。線香やロウソクも忘れずに供え、迎え火・送り火の準備もしておきます。
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続きを読む盆提灯(ぼんちょうちん)は、ご先祖様や故人様が迷わず帰ってこられるよう、明るく照らしておく目印です。初盆で使用するのは、白提灯(しろぢょうちん)です。白紋天(しろもんてん)とも呼ばれており、ホームセンターや仏具店、インターネット通販などで購入できます。
白提灯は、軒先や窓際に吊るします。置き型のものを使用する場合は、仏壇周りに置いても構いません。灯りを灯すのは、お盆初日(13日)の夕方から最終日(16日)の夕方までとされています。
初盆は、ご遺族にとっても故人様にとっても特別な時期です。お盆の日程や飾り付けは地域によって異なりますので、あらかじめ確認しておくことが重要です。お盆当日は、落ち着いた気持ちで迎え、ゆっくり故人様と向き合う時間を設けると良いでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。