2024-12-06
近年においてのご葬儀は、代金を支払って葬儀社に依頼することが一般的です。費用はご葬儀の規模や内容により異なりますが、多くの場合でまとまった支出が発生します。喪主が支払う場合が多いものの、ご親族同士で負担し合うパターンも少なくありません。
そこで当記事では、ご葬儀代の負担者について、費用工面の方法、ご葬儀代の相場、支払う前に確認すべき事柄まで、詳しく解説していきます。
ご葬儀の費用は、基本的に喪主(もしゅ)が負担するケースが多いです。喪主とは、ご葬儀全般を取り仕切る役割をする方のことで、その後の忌日法要や年忌法要、四十九日法要などの追善供養も仕切っていくことになります。
ただし、必ずしも喪主が金額を負担すべきといった決まりはありません。ご葬儀当日は、喪主とは別の施主(せしゅ)を立てることもあります。施主はご供養全般を取り仕切るといった意味を持ち、ご葬儀の費用を支払う役割も担っています。なお、一人の方で喪主と施主を兼任するパターンが最も一般的です。
喪主や施主の決め方にも、明確なルールはありません。一般的な決め方としては、故人様とゆかりの深い方からの順番で決めます。ただし、故人様の遺言状で指定されている場合は、ご本人の遺志を優先しましょう。
①配偶者
②子ども(長男もしくは長女)
③両親のいずれか(ともにご存命の場合は父親が一般的)
④故人様の兄弟姉妹
⑤故人様と特に親しかった方、ともにお住まいだった方
なお、必ずしも上記の順位が正解というわけではありません。配偶者がいなかったり、子どもが遠方にお住まいだったりする場合は、故人様の兄弟姉妹が喪主を務めても構いません。喪主を一人に絞れない場合は、何人かで分担しても問題ありません。
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続きを読むご葬儀代は、喪主 や施主の方が負担することが多いです。しかしながら、喪主・施主が費用を負担できないこともあるかもしれません。ここからは、ご葬儀代を喪主・施主以外が支払うケースについて解説していきます。
故人様の子どもが生前相続を受けている場合は、その中からご葬儀代を捻出できるでしょう。また、亡くなった方の口座が凍結されれば、相続が完了するまでお金を引き出せない状態となりますので、ご親族からの了承を得てから先に引き落とし、ご葬儀代にあてるなどの方法もあります。
公平性を期すため、相続人の全員で費用を分担する方法もあります。喪主を一人立てたからといって、その方が全額負担しなければならないといった決まりはありません。個々の生活状況や収入、相続額などを考慮し、しっかりと話し合って負担額を決めましょう。
また、ご葬儀代を軽くする方法として、補助金制度を活用するのも一案です。健康保険組合により金額は異なるものの、葬祭費や埋葬費が支給されます。なお、生活保護者の方には葬祭扶助の制度が設けられていますので、役所に相談してみましょう。
さらに、故人様が生前から互助会に入っていれば、相場よりも費用を抑えられるほか、市民葬や区民葬を執り行うといった選択肢もあります。
費用相場は、規模や会場の条件によっても異なります。規模や予算を決めたら、2~3社から見積もりを取ると良いでしょう。
直葬(火葬のみ)の場合は 最も安価ですが、お別れの時間が短すぎたり、参列者が限定されたりなどといった理由から、ご親族とトラブルが起こりかねないため注意が必要です。
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続きを読む香典は、お供えものの代わりとして納められる金銭ですが、ご遺族の費用負担を軽くするといった意味も込められています。つまり、香典をご葬儀代の支払いに充当するのは正当な行為といえます。
香典の所有権は喪主にあるため、香典返しの費用を差し引いて支払い費用にあてると良いでしょう。ただし、複数人でご葬儀代を負担する場合は、香典額を全て開示し、一人あたりの負担割合を相談する必要があります。
ご葬儀の費用を決定する前に確認したいのは、故人様の遺志です。ご葬儀の方法や負担額の割合、規模、生前契約などで故人様からの指示があるかどうかを確認しておきましょう。
故人様の遺志や、遺産相続など重要な事項が示されている遺言書は、家庭裁判所を通じて正式に開封します。これは法律によって定められており、財産の処分方法は遺言書の指示に従わなくてはなりません。遺言書に従わないことは違法にあたるため、ご葬儀や相続を行う前に、必ず家庭裁判所へ検認を請求するようにしましょう。
遺言信託とは、信託銀行などが遺言書の相談や作成、執行、保管などをサポートするサービスです。相続などの手続きを信頼できる専門家に委託すれば、公正証書遺言を作成してもらえます。この場合は家庭裁判所を通さずに施行されますので、依頼済みどうかは生前に確認しておくと良いでしょう。
故人様が加入していた保険をチェックすることも大切です。保険証券を確認できたら、戸籍謄本で故人様の死亡を証明できますので、保険金を受け取ることができます。保険金は、ご葬儀にかかる費用や遺産処理に役立てると良いでしょう。
また、故人様が葬儀保険へ加入していた場合、特定の場所でご葬儀を執り行えば費用がほとんど発生せずに済むこともあります。
故人様の中には、後に残されるご遺族の負担を考慮し、あらかじめ葬儀社との生前契約を行っている方もいらっしゃいます。生前契約では先にご葬儀の詳細を決められるため、いざという時のご遺族の心身的な負担が減るだけでなく、故人様の遺志通りのご葬儀を執り行えることもメリットです。なお、支払いは故人様の遺産を用いることが多いものの、すでに支払いが済んでいる場合もあるため確認してみましょう。
ご葬儀の費用は、一般的に喪主 や施主の方が支払います。しかしながら、金額が大きい場合や遺産の分配などがあった場合は、ご親族が協力して負担するパターンも多いです。香典を活用することなども考慮しながら、関係のあるご親族の方と十分に話し合いましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
故人様が亡くなられた時に、ご遺族は通夜やご葬儀、告別式に火葬など、さまざまな儀式を経なければならない局面に立たされることでしょう。しかしながら、ご葬儀の費用は決して安くないため、故人様に対する哀悼の意はあっても、費用が捻出できず大変な思いをする方もいらっしゃるかもしれません。
ご葬儀に参列していただいた方にお渡しする品を「返礼品」と呼びます。返礼品を指す言葉として「会葬御礼」「香典返し」がよく使われますが、実は別の意味を持つ言葉ということをご存じでしょうか。今回は、会葬御礼と香典返しの違いについて解説していきますので、双方の違いが分からないという方は参考にしてみてください。