2022-09-30
ご家族のどなたかがお亡くなりになった際、親族間で話し合いになる項目のひとつに「誰が喪主を務めるのか」といった問題があります。このとき、「故人様の妻が良いのか」「故人様の長男が良いのか」「子どもがいない場合は兄弟が務めるべき?」などの疑問が浮かんでくるかもしれません。今回は、喪主の決め方や決める際の注意点などを解説していきますので、お困りの方は参考にしてみてください。
一般的には故人様の血縁者が喪主を務めますが、「○○が務めなければならない」といった明確なルールや法的な縛りはありません。一昔前であれば、喪主を務めるのは長男の役割でした。しかし、家督を継ぐといった考え方が減ってきた現代においては、配偶者が喪主となる場合が多いです。
特に近年は夫婦二人で生活している方が増えてきているため、子よりも配偶者に喪主をお願いする方が増えてきました。喪主の決め方については、別の項目にて詳しく解説していきます。
喪主とは、ご葬儀の主催者であり、ご葬儀全般を取り仕切る方を指します。その後の供養なども喪主が中心的に動かなければなりません。一方、似たような言葉に「施主」があります。施主はご葬儀費用を負担する方を指す言葉です。現代では喪主が施主を兼ねている場合が多くあります。
前述のとおり、喪主を決めるための法律や規則はないため、ご遺族の間で話し合って決める必要があります。とはいえ、話し合いだけでは決まらない場合も多いでしょう。次の項目では、喪主を決める際の基準となる考え方について解説していきます。
遺言書によって喪主が指定されている場合や、生前に特定の人物を指定していた場合は、故人様の遺志に従って喪主を決めましょう。
もし遺言がない場合、故人様と縁の深い方が喪主を務めるのが慣例です。一般的に、下記の順番で喪主の権利が移っていきます。
1.配偶者
2.子(男性)
3.子(女性)
4.両親
5.兄弟や姉妹
6.1~5以外で親しい方
ただし、上記の順番はあくまで目安ですので、「配偶者が高齢のため、長男が喪主を務める」「長男が遠方に住んでおり、お世話は近所に住んでいた長女が行っていたので、長女が喪主を務める」など、そのときの状況に合わせて柔軟に対応しても問題ありません。
ここまで喪主の決め方について解説してきましたが、なかには身内がおらず、喪主を務める方がいないといった方も多いです。また、単純に縁が深い順で喪主を決めてしまうと、後々何らかのトラブルが起こる可能性もあります。次の項目では、喪主を決める際の注意点などについて解説していきます。
誰も頼る人がいなかった場合、故人様と親しかった介護施設の代表者が喪主を務めるケースもあります。このように、近年では形式に囚われず柔軟に喪主を決めるケースが多いです。
もし喪主を誰が務めるのか迷ってしまった場合は、「誰に喪主を務めてもらったら故人様が喜ぶか」を基準に考えてみるのも良いでしょう。
喪主の仕事はご葬儀を仕切るだけではありません。一周忌や三回忌など、その後の供養を取りまとめるのはすべて喪主の仕事です。お墓や仏壇のお世話も基本的には喪主の仕事となるため、ご葬儀後も長期的にお墓の管理や法要の準備ができる方を喪主とするのが望ましいです。
ご葬儀全般を取り仕切り、その後の供養も行うのが喪主の務めです。特にご葬儀に関しては、事前準備から当日の進行まで何かと慌ただしく動かなければなりません。以下に、ご逝去からご葬儀まで、喪主としてどのようなことをすれば良いのかをリストアップしましたので、ぜひ参考にしてみてください。
1.各種手続き
・死亡届(死体検案書)を受け取る
・病院などの精算を済ます
・訃報の連絡を行う
2.葬儀社へ連絡
・ご遺体の搬送や安置
・ご葬儀のプラン決め
3.菩提寺へ連絡
・菩提寺へ逝去された事実を連絡する
・ご葬儀の依頼、日程の調整を行う
・火葬場にも連絡を入れる
4.ご葬儀の案内
・参列者へご葬儀の案内を出す
5.ご葬儀の準備
・死亡届を提出する
・火葬許可証を受け取る
・遺影写真、供物供花、香典返しの準備を行う
・受付係を誰にするのか決める
6.ご葬儀当日(お通夜)
・参列者への対応
・着席順の確認
・いただいた供物や供花の配置場所の確認
・僧侶への対応、お礼
・喪主からの挨拶
・通夜振る舞いでのおもてなし
7.ご葬儀当日(告別式)
・弔辞を受けてくれた方へのお礼
・喪主の挨拶
・出棺前の挨拶
家族葬の場合は、ご葬儀前に参列者への案内は行わず、ご葬儀の後に亡くなった旨を連絡します。連絡を控えていた相手の方に、事後報告を行うのも喪主の役目です。
誰が喪主を務めるのかを決める場合、基本的には故人様と縁が深かった方が務めることになります。また、生前に特定の人物を希望していたり、遺言書が残っていたりする場合は、故人様の遺志に従って決めるのが望ましいです。
喪主はご葬儀当日だけでなく、その後の供養に関しても責任を持たなければなりません。安易に血縁関係から決めるのではなく、その後のことも考えて親族間でしっかりと話し合ってから決めるようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
家族やお身内など大切な方を亡くされた喪主やご遺族に、ご葬儀の最中、会葬者から「この度はご愁傷様です」とお悔やみ言葉をかけてもらう場面が多くあります。弔事の場で述べられる基本的なお悔やみの言葉として、最も頻繁に使われている「ご愁傷様」という言葉には、どのような意味を持ち、また適切な返答などはあるのでしょうか。 そこで今回は、ご愁傷様の意味と適切な返答についてご紹介します。
香典は、ご葬儀の場において故人様の御霊前へお供え物をする代わりに、ご遺族へお渡しする金銭です。「5,000円程度が香典の相場なのではないか」という意見も散見されますが、故人様との関係や地域によって金額のマナーは変わるため、注意が必要です。 そこで今回の記事では、香典の一般的な相場や香典袋の選び方、書き方、香典のマナーについて詳しくご紹介していきます。
故人様の死を偲びながら静かに過ごす一年間を喪中といいますが、喪中では慶事に参列したり、大がかりな旅行をしたりなどの行動を慎むことが、古くからの慣習となっています。本記事では、一年で最もめでたい時期と考えられているお正月に焦点を当て、喪中のご家庭でどのように過ごしていくべきかを解説していきます。