2023-04-14
仏間の鴨井や長押の上に、先祖代々の遺影が飾られている場面を想像する方も多いのではないでしょうか。多くの家が一軒家で仏間がある時代ではこのような飾り方が一般的でしたが、現代はアパートやマンションで暮らす方も多く、遺影を飾る場所がなく困ってしまうケースも少なくありません。今回は、遺影の飾り方について解説していきますので、お悩みの方はぜひ参考にしてください。
遺影とは、故人様を偲ぶために用意される写真のことを指します。お通夜・ご葬儀の際に使用され、以降は家の中で飾る場合がほとんどです。サイズは四つ切りサイズ(254mm×305mm)が一般的ですが、ご葬儀の規模によってサイズはまちまちです。
また、遺影は宗教的なものではなく、基本的に飾る・飾らないは自由とされていますが、宗派によっては飾る場所が決められている場合もあります。自分の宗派に詳しくない場合や、嫁いだばかりでよく分からないという際は、事前に確認しておきましょう。
遺影を飾る場所は、四十九日を過ぎているかによって変わります。ここからは、遺影を飾る場所について解説していきます。
四十九日(忌明け)までは、後飾り祭壇に飾っておくのが一般的です。後飾り祭壇とは、自宅に戻った故人様のご遺骨を一時的に祀るための祭壇です。
後飾り祭壇には二段式と三段式があり、遺影は上段に置くケースがほとんどですが、場合によっては中段に遺影を置くこともあります。基本的には葬儀社のスタッフが用意してくれるため、配置に関しては任せるようにしましょう。なお、後飾り祭壇については以下の記事でも解説していますので、こちらも併せてチェックしてみてください。
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続きを読む四十九日以降は、床の間・仏間・仏壇の近くに飾るのが一般的です。床の間は、昔から身分の高い方が座る場所とされてきました。そのため床の間に遺影を飾るのは、故人様への敬意を表すためともいわれています。
仏間または仏壇近くでは、鴨井や長押の上に飾ると良いでしょう。鴨井とは、襖や障子などを設置するための上枠の部分です。一方の長押しは、和室の壁面に設置されている化粧部材を指します。
遺影を飾る行為は、極楽浄土から見守ってくれているといった意味を表す風習として行われてきました。そのため、床の間・仏間・仏壇がない場合は、リビングや寝室でも問題はありません。
遺影を飾る方角に明確な決まりはありませんが、一般的には南向き・東向きが良いとされています。
ただし、遺影は日光によって日焼けしてしまうため、直射日光の当たらない場所を選ぶと良いでしょう。
先祖代々の写真が飾られている場合は、亡くなった順番に飾るのが一般的です。遺影は、向かって右の方が高い位とされているため、亡くなった順で右から左へ飾ります。
遺影を飾る場所に決まりはありませんが、以下の点には注意が必要です。
・仏壇の中や真上には飾らない
・宗派や地域の風習を確認しておく
・落ちないように固定する
宗派によって異なるものの、なかには遺影の設置場所がある程度決められていることがあります。また仏教全般では、仏壇の中や真上に飾るのは好ましくないとされています。
まず、「仏壇の真上と仏壇の中には飾らない」ということを押さえておきましょう。仏壇は、御本尊を納めておくための大切な場所であり、御本尊の真上に飾るということは御本尊を見下す行為にあたります。拝むための御本尊を見下すのは大変失礼な行為なので、遺影を飾る場所には気をつけましょう。
また、仏壇の上は極楽浄土であるといった考え方もあります。生前の姿が仏壇の中にあるのはいけないとされているので、いずれせよ注意が必要といえます。
遺影写真は、宗派によって飾り方が決められている場合があります。たとえば、曹洞宗では南向きに置くことが決められています。また、真言宗では総本山に向かって拝むため、拝む方向に遺影がくるようにしなければなりません。
遺影を高い場所に飾る場合は、落ちないように工夫することも大切です。地震などで落ちないように固定すると、危険な落下事故を防げます。遺影が破損するだけでなく、破損した破片で怪我をすることもなくなるので、事前に確認しておくようにしましょう。
また、小さなお子さんがいる場合は、遊びの一環で外そうとすることも考えられます。場合によっては大きな怪我につながってしまうので、少しのイタズラでは外れないように工夫しましょう。
遺影写真の飾り方には特に決まりはありませんが、仏壇の中や上に飾ることは避けるようにしましょう。また、飾る順番に関しては、亡くなった順で右から左へと飾るのが一般的です。
ほかにも、宗派によって細かな決まりが設けられている場合があります。自身の宗派に詳しくない方は、遺影の飾り方について親族に確認しておくようにしてください。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。