2022-05-13
「御車代なら分かるけれど、御膳料ってどういうもの?」「御膳料はどのようなときに必要なの?」と疑問に思ったことはありませんか。
お通夜や法要後には、僧侶を招いて会食が行われるのが通例です。しかし「すぐに次のお勤めにいかなくてはいけない」などの理由で僧侶が会食を辞退した場合には、御膳料を用意してお渡しする必要があります。
この記事では、費用相場や御膳料の書き方など、知っておくべき情報をご紹介します。「御膳料」に関して、渡し方のマナーやいくら包むべきか悩んだときには、ぜひこの記事を参考にしてください。
御膳料とは、僧侶がお通夜や法要後の会食を辞退したときに渡すお礼のことです。
一般的に、お通夜後には「通夜振る舞い」を、四十九日法要などの後には参列者をもてなすための食事会が催されます。近年では、ご葬儀の後に初七日法要後の「精進落とし」が繰り上げて行われていますが、いずれの会食にも僧侶を招いておもてなしするのがしきたりです。
しかし僧侶が会食に出席しなかった場合には、代わりに「御膳料」を渡します。御膳料は御車代やお布施などと区別して渡す必要がありますので、渡し方やマナーなどを知っておきましょう。
お布施とは、読経や戒名を付けてもらったお礼として渡す金銭のことです。食事代の代わりに渡す御膳料とは違い、お布施は御本尊への捧げものであり、寺院の活動費や維持費に当てられます。
御膳料とはお礼の意味合いが異なるため、混合しないようにしましょう。
御車代とは、僧侶が葬儀場や法事の会場に出向いた際に、お礼として渡す金銭のことです。
一般的に、僧侶が葬儀場や法事の会場へ出向く際にはタクシーや車が使われます。御膳料には会食を辞退した僧侶へのおもてなしの気持ちが込められていますが、御車代には交通費としての意味合いがあります。
ただし、下記のケースでは御車代を渡さないので覚えておいてください。
・ご遺族が僧侶を送迎する場合
・タクシーをチャーターする場合(交通費をご遺族が直接タクシー会社に支払うケース) など
御膳料の相場は、5,000円~10,000円程度です。ただし僧侶が複数人で来た場合には、人数分の金額を用意しなくてはいけません。
・僧侶が1人の場合 → 約5,000円~10,000円
・僧侶が2人の場合 → 約10,000~20,000円
僧侶が複数いる場合には、ひとつの袋にまとめて渡します。費用相場は地域や法要の規模によっても異なりますので、上記の費用は目安として考えましょう。
お布施や御車代などとは違い、御膳料に対して「馴染みがない」「聞き慣れない」方もいらっしゃるでしょう。
御膳料を用意するときのマナーには、以下の内容があります。
・封筒の選び方のマナー
・封筒の書き方のマナー
・お札の入れ方のマナー
次項では守るべきマナーについて解説しますので、僧侶に対して失礼のないように覚えておきましょう。
御膳料はそのまま渡すのではなく、封筒に入れましょう。のし袋ではなく普通の白い封筒で構いませんが、郵便番号を書く枠があるタイプの封筒は避けてください。
基本的に水引は必要ありませんが、規模が大きい法要の場合や僧侶が複数いるケースでは水引が必要になる場合もあります。
封筒を用意したら、筆ペンを用意して表書きと裏書きを書いていきます。
・上:御膳料
・下:喪主のフルネーム or 〇〇家
・封筒の左下:住所
・住所の左側:金○○(包む金額)
墨の濃さは、かならずしも薄墨である必要はありません。香典は薄墨で書くのが一般的ですが、御膳料は僧侶に渡すもののため、薄墨と濃墨のどちらでも構いません。
裏書きに金額を書く際には、頭に「金」を付けて、「金壱万円也」などと旧字体の漢数字を用いましょう。
お札の入れ方にも注意が必要です。御膳料を封筒に入れる際には、お札の肖像画を封のある側に向けます。
香典では旧札が用いられますが、御膳料は新札を用意します。御膳料は僧侶へのお礼の気持ちを表しているため、使い古した旧札では失礼になるので注意しましょう。
御膳料は、ご葬儀・法事の場合ともに儀式が行われる前に渡します。時間がとれない場合には儀式が終わった後でも構いませんが、渡し損ねないようにしてください。
渡し方は、袱紗を使うか、切手盆に乗せて上から袱紗をかけます。「お布施」「御膳料」「御車代」を同時に渡す際には、「お布施」が一番上に来るようにしましょう。その次は「御膳料」「御車代」どちらでも構いません。
渡す際には「どうぞ、お納めください」と伝えると丁寧です。
今回の記事では、御膳料の基礎的なマナーについてご紹介しました。
御車代やお布施と違い、馴染みがなく戸惑いを感じている方もいるかもしれません。御膳料には会食に出席できなかった僧侶へ手渡すお礼の意味合いがあります。
御膳料の渡し方や費用相場を知って、ご葬儀や法事に来てくださった僧侶に失礼のないよう、感謝の意を伝えましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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