2021-09-03
近しい方が亡くなられると、決まった年に故人様を偲ぶ法要を執り行います。今回取り上げる七回忌もその1つです。七回忌では一周忌や三回忌と比べて、お招きする方を減らすなど規模を縮小するのが一般的ですが、準備に気は抜けません。
そこで今回は、七回忌を執り行う意味や七回忌法要を執り行う際の準備などについてご紹介します。
七回忌法要の七回忌は「ななかいき」と読み、故人様が亡くなられてから満6年目におとずれる祥月命日(しょうつきめいにち:故人様が亡くなられた日)に執り行われる法要を指します。例えば、2021年9月1日に亡くなられた場合であれば、2027年9月1日が祥月命日にあたります。
決まった年にやってくる年忌法要としては、一周忌と三回忌に続いて3回目となります。日本で年忌法要が「3」や「7」に関連する押しに執り行われるのは、仏教において大切にしている数字になぞらえているからだとされています(諸説あります)。
例えば、「3」は「2を超える」という意味があります。「2を超える」ということは、「有と無」「損と得」「勝ちと負け」などの両極端に偏った考え方から離れて、仏教で悟りを目指す上で大切な考え方である「中庸」の生き方をすることを意味します。
また、「7」はお釈迦様(ブッダあるいはガウタマ・シッダールタ)が誕生した際に7歩歩いたという伝説が有名です。その他にも、ヒトの迷いの姿である「六道」の世界を超えて悟りに至るといったことを暗示することから、「7」という数字が迷いを超えるという意味から大切にされているとされています。
以上のことから、毎年は法要を執り行うのが難しくても、せめて仏教で大切にしている数字に関する年は法要を執り行おうということが習慣化したとされています。
なお、いつまで年忌法要を執り行うかに関しては、以下の記事で取り上げていますので、ぜひご参照ください。
年忌法要はいつまで行われるの?
七回忌法要には、特に決まった形があるわけではないため、地域や宗派によって変わることもあります。しかし、大まかな流れは変わりませんので、以下では基本的な流れを見ていきましょう。
1)司式者の入場
2)施主による挨拶
3)司式者による読経
4)焼香
5)司式者による法話
6)司式者の退場
7)施主の挨拶
8)会食
七回忌法要は一周忌法要や三回忌法要と比べると比較的小規模な形で執り行われることが多いのですが、ご遺族はどのような準備が必要になるのでしょうか。以下では、七回忌法要の際に必要となる準備を大まかにまとめましたので、ご参照ください。
七回忌法要をどのように執り行うのかは、各ご家庭によって方針が異なると思います。なお、一般的には三回忌法要までは多くの方に集まっていただきますが、七回忌法要以降はご遺族やご親族だけで執り行われるとされています。具体的には、故人様の両親・配偶者・子ども・孫・故人様の兄弟姉妹などになります。ただし、お呼びするご親族については、決まりがあるご家庭もありますので、事前に年配者の方に確認しておくとよいでしょう。
七回忌は、先に取り上げたように故人様が亡くなられてから満6年が経った命日となります。しかし、その日が平日であった場合、ご遺族やご親族のようにいくら近しい方が集まるといっても都合が付きにくいことが考えられます。そのような時は、土日や祝日に変更するのがよいでしょう。ただし、日程を変更する際は日程を後ろにずらす(延期する)のではなく、日程を前にずらす(前倒しする)ようにしましょう。なお、日程に関しては参列していただくご家族やご親族と相談して決めましょう。
場所についてはご自宅で執り行うこともできますし、もちろんお寺やセレモニーホールなどの場所を借りて執り行うこともできます。そのため、日程を決めるのと同様に、ご家族やご親族と相談して参列していただく方々が集まりやすい利便性がよい場所を選ぶとよいでしょう。
七回忌法要を終えた後に参列していただいた方々に会食をしてもらう場合は、食事の手配をしましょう。その際の食事は「精進料理」がよいと言われていますが、ご家族やご親族といった近しい方でだけで集まるようであれば、あまりこだわらなくても問題ないでしょう。
七回忌法要では、司式者に読経をあげていただきます。菩提寺をお持ちであれば、菩提寺に依頼しましょう。菩提寺をお持ちでない方は、近くのお寺か、ご葬儀を執り行った葬儀社に相談するとよいでしょう。
なお、司式者に読経をあげていただいたらお礼をお渡しします。その際のお礼としては、「お布施(お経料)」や「お車代」、司式者が会食を辞退した場合には「御膳料」を用紙しましょう。
参列者が持参していただいた香典への返礼品も用意しましょう。品物としては、お茶・海苔・石けんなどの「消え物」がよいとされています。または受け取った方が好きなものを選べるカタログギフトなどもよいでしょう。なお、返礼品には「掛け紙」を付けます。この時の表書きは「志」とし、その下には「○○家」や「施主」とするのが基本です。水引は白黒または銀の結び切りを用います。
七回忌法要は故人様が亡くなられてから満6年となり、それ以降の年忌法要では規模を縮小して、ご家族のみで執り行われることも多くなります。しかし、これまでの法要と同様に故人様を供養する大切な儀式であることに変わりはありません。故人様の供養を滞りなく行うためにも、余裕をもって早めに準備を進めていきましょう。
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