2019-11-08
年忌法要とは、一定の決められた年ごとに故人様の命日に行う法要を指します。年忌法要は、ご遺族やお身内によって定期的に何十年にもわたって執り行われますが、いつ年忌法要を執り行うのか、年忌法要はいつまで行えばよいのか悩まれる方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、年忌法要を執り行う年や区切りのタイミングなどをご紹介します。
法要は、司式者に読経していただき、故人様の冥福を祈って供養する仏教の儀式を指します。仏教における法要は、故人様が極楽浄土に往生するために行う大切な儀式とされています(浄土真宗の法要は故人様を偲び、遺された方々が仏の教えを聞く場として行われます)。
ちなみに、法要と似た言葉として「法事」がありますが、これは司式者に読経していただく法要後の会食までを含めた一連の流れを執り行うことを言います。つまり、法事の中に法要も含まれているということです。
法要の一種である年忌法要は、冒頭でも触れましたが、一定の決められた年ごとに故人様の命日に行う法要を指します。
年忌法要として最初に行われる一周忌の法要が行なわれるタイミングは、故人様が亡くなってから1年が経つ同月同日である命日に執り行われます。一周忌の法要では、ご遺族やお身内、生前に故人様と縁の深かった方などが参列するのが一般的です。
そして、一周忌の法要の翌年に行われる三回忌の法要は、故人様が亡くなってから2年が経つ命日に行われます。この三回忌の法要からはお身内だけでの法要に移行していきます。
もうお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、この三回忌からは年忌法要の数え方が変化しています。
三回忌以降の年忌法要は、「回忌数-1」年目に行うことになっています。したがって、三回忌を執り行うのは、「3-1」に当てはめて故人様が亡くなってから丸2年目に行うため、一周忌の次の年が三回忌となるのです。
同様に考えていき、七回忌は亡くなってから6年目、十三回忌は12年目、十七回忌は16年目、二十三回忌は22年目、二十七回忌は26年目、三十三回忌は32年目となります。
年忌法要は、故人様の命日に行うことが正式なマナーであり、命日を過ぎてからの法要は好ましくありません。
しかし、昨今では親族やお身内が遠方に住んでいることが多く、なかなか一堂に会することが難しいこともあるでしょう。そのため、法要を執り行う日程が命日を過ぎてしまわないよう、比較的全員の都合が合わせやすい命日以前の週末に、法要を執り行うことが増えております。
年忌法要は宗派によって考え方に多少の違いはあるものの、一般的には何年何十年といつまでも続けられる供養の儀式です。しかし、そうは言っても年数の経過と共にご遺族の負担も大きくなり、いつまでも年忌法要を続けていくことは考えにくいことです。
そこで、仏教において亡くなった方の罪が浄化され極楽浄土に行くことが許される三十三回忌を最終の法要とすることで、これ以上の年忌法要は執り行いませんという意味を持たせます。これを「弔い上げ」や「弔いじまい」といいます。
さらに昨今では法要の回数自体を減らして、ご遺族の負担を減らそうとする流れも多くみられるようになってきました。これは、遠方に親族が暮らしていることや、ご遺族が高齢化のために集まることに負担が掛かってしまう、仕事の都合がつかないなどの様々な理由で法要に全員が集まるのが難しくなってしまったためです。このような事情も考慮して、七回忌や十三回忌などの早い段階で弔い上げを行う方も最近では珍しくありません。
なお、弔い上げとなる回忌は宗派や地域、それぞれのお寺によっても考え方が異なりますので、詳細は菩提寺にご確認ください。
年忌法要において大切なのは、普段から故人様のことを思い、冥福を祈りながら場所を問わず手を合わせ続けることです。弔い上げとされている三十三回忌の年忌法要に辿り着くまで、長い時間を掛けて供養の思いを持ち続けることは、遺された方々の心の整理につながります。
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