2020-08-20
故人様を供養するために決められた年ごとに故人様の命日に年忌法要を執り行います。この年忌法要ですが、三十三回忌または五十回忌を最後とすることが多く、これを「弔い上げ」と言います。弔い上げをもって、以降の年忌法要は終了となります。
そこで今回は、弔い上げとなる意味や実際にどのようなことを執り行うのかなどをご紹介します。
弔い上げは、年忌法要の最後として執り行う法要を指し、「問い上げ」「問い切り」「上げ法要」などとも呼ばれます。一般的に三十三回忌や五十回忌をもって弔い上げとなりますが、これは三十三回忌や五十回忌などの法要に辿り着くころには、どのような魂も無罪放免となり極楽浄土へ行き往生する、という教えに則しているためです。
なお、弔い上げとなった故人様の魂は個としてではなく、これからはご先祖様として信奉されるため、五十回忌を執り行う地方や地域では慶事の儀式として捉えられ、盛大な弔い上げが行われるケースもあります。
なお、年忌法要に関しましては以下の記事で詳しく取り上げておりますので、ぜひご参照ください。
年忌法要はいつまで行われるの?
三十三回忌や五十回忌などを弔い上げとするのが一般的ですが、最近では、三十三回忌以前の十七回忌などを節目として弔い上げとすることも増えてきました。
これは、1世代の単位を33年と考えると、ご両親が弔い上げとなる頃には、ご自身も亡くなった当時のご両親と同年代になっているということも多く、年忌法要を執り行えない事態も考えられます。それが50年後や100年後となれば、在りし日の故人様を実際に知る方もほとんどいらっしゃらないということもあるでしょう。
さらに、高齢化社会の加速する現代では、亡くなる方の年齢が非常に高齢になっており、ご葬儀にご会葬される方の年齢もまた高齢になります。こうしたことから、年忌法要を何年何十年と続けていくことがあまり現実的ではない現代の状況を鑑みて、三十三回忌や五十回忌を区切りとして法要を打ち切ることが増えてきたのです。
弔い上げは最後の年忌法要であり、特別な法要になります。それまでの年忌法要で平服を着用したとしても、弔い上げ法要では喪服を着用しましょう。
男性のネクタイ・靴下・靴は黒で統一し、装飾品や目立つ小物は外します。女性はストッキング・バッグ・パンプスも黒で統一します。真珠のネックレス以外の宝飾品は外しましょう。
弔い上げは、基本的に通常の年忌法要と同様の流れになります。
・喪主の挨拶
・司式者による読経
・焼香
・お墓参り
通常の年忌法要と異なる点は、弔い上げはこれまでの年忌法要よりも盛大に執り行われることが多い点です。地域や宗派によって異なりますが、参列者へのお食事の振る舞いや司式者へのお布施もこれまでよりも多くなったり、肉や魚を使用したお料理でお祝いすることもありますが、弔い上げに関しては、近年では簡素に済ませるケースが増えてきています。
弔い上げを済ませたら、今後は年忌法要を執り行わないため、弔い上げが済んだ後で行うべきことがいくつかあります。以下で行うべきことをまとめましたので、ご参照ください。
弔い上げにて故人様が個の魂からご先祖様の霊として祀ることとなるため、故人様の戒名が刻まれたお位牌から魂は抜け、先祖代々のお位牌へ移っています。そのため、弔い上げが済んだら、故人様の魂が抜けたお位牌は片付けますが、勝手に処分するのではなく、お寺に預けてお焚き上げをしてもらいましょう。
魂の抜けたお位牌だけでなく、各家の今後の事情によってはお仏壇を片付けることもあります。そのような時は司式者に閉眼法要を行ったもらい、それからお仏壇を片付けます。
弔い上げ後は先祖代々のお墓で永代供養をしてもらうことも、ご遺骨を合同墓に合祀して永代供養をしてもらうこともできます。
ただし、合同墓で合祀をする際は、一度お墓に納めたご遺骨を後からそれだけで取り出すといったことは出できなくなります。ご遺族でそれでも構わないか、しっかりと話し合った上で合祀するかどうかを決めましょう。永代供養の費用はお寺により異なりますので、司式者に相談をするとよいでしょう。
弔い上げは、徳を積まれた仏教関係者などの場合には500回忌や700回忌といった、およそ気が遠くなるほどの長い時間をかけて法要が続けられることもあります。しかし、一般的な年忌法要はそのようなことはせずに弔い上げを執り行いますが、何を区切りとするかはご遺族のお気持ち次第でもあります。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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