2020-07-30
お盆は仏教において故人様やご先祖様をお迎えする大切な時期です。また、日本においては夏の旅行シーズンでもあるため、学校や会社のお盆休みにはレジャーに出かけたり、帰省をしたり、いつもと違う特別なお休みを過ごす方も多いのではないでしょうか。では、そんなお盆に急なご不幸の知らせが届いたとしたら、果たしてご葬儀や火葬は執り行えるのでしょうか。
そこで今回は、お盆にご葬儀や火葬を執り行えるのか、様々な観点から見ていきましょう。
お盆の期間ですが、「年中行事なのに、知っているようで知らない、お盆って?」や「お盆はいつからいつまで?お盆飾りやお供えはどうする?」でご紹介しているように、地域や宗派によって旧暦(8月13日~16日)と新暦(7月13日~16日)に分かれます。
それでは、このお盆の期間にご葬儀や火葬を執り行うことは可能なのでしょうか。
結論から先に申し上げますと、お盆にご葬儀や火葬を執り行うことは可能です。それは、ご葬儀や火葬が執り行えるかどうかは、その日程に火葬場が開いているかどうかで判断するものだからです。
火葬場や斎場が休業となるのは、年末年始と友引の日が多く、基本的にお盆は多くの火葬場や斎場が開いています。そのため、お盆にご葬儀を行うことは可能なのです。
お盆にご葬儀をすることは可能なのが分かりましたが、気を付けなければなければならない点が2点あります。以下でそれぞれまとめましたので、ご参照ください。
まず、何といってもお盆の期間はお寺が大変忙しいことです。お盆の時期のお寺と司式者はお盆の法要・法事を執り行い、檀家の各屋を回るなどしており1年のうちで最も忙しい期間と言っても過言ではありません。したがって、司式者の予定をお伺いしてご葬儀の読経をお願いしようにも、お盆の期間は既に司式者の予定が埋まってしまっており、時間が取れない可能性があるのです。
日本におけるご葬儀はそのほとんどが仏式で執り行われますが、仏式のご葬儀は司式者による読経がなければ、ご葬儀成り立たなくなってしまいます。お盆にご葬儀を執り行いたいとしても、司式者の都合がつき辛いことは特に注意が必要です。また、こうした場合はお寺から「ご葬儀の日時をずらしてもらえないか」という提案があることを、念頭に置いておきましょう。
また、お盆の時期のご葬儀や火葬は、ご会葬者が集まりにくい点も忘れてはいけません。
お盆と言えば帰省ラッシュやUターンラッシュ、海外旅行をされる方の空港での出国ラッシュを思い浮かべるように、この時期は皆さんお盆休みを利用して帰省や旅行など、普段とは違う特別の予定を入れている方も多いものです。こうしたお盆の時期にご葬儀や火葬を執り行うとなると、ご会葬者に様々な負担をかけることが想定されます。
前もって旅行や帰省などの予定を入れられていた方は変更の手配をしなければなりませんし、ご会葬したくてもできない方も出てくるかもしれません。遠方に住んでいるためにご葬儀会場まで駆け付けようにも、帰省ラッシュやUターンラッシュに巻き込まれてしまい、ご葬儀に間に合わない、そもそも飛行機や新幹線のチケットが取れなかったという事態も起こるかもしれません。
お盆の時期でのご葬儀や火葬は、火葬場やご葬儀会場などをおさえなければならないこと、司式者やご会葬者のスケジュールをおさえなければならないこと、この2点が解決されて初めて執り行えるのです。
そのため、お盆にご葬儀や火葬を執り行いたい時は、ご家族やご親族間でよく話し合いをして、場合によっては時期をずらして、お盆期間後にご葬儀や火葬を執り行うという選択肢があるということも念頭に話を進めましょう。
様々な事情を鑑みて、お盆期間後にご葬儀・火葬を執り行うことになった場合に重要になってくるのが、ご遺体をどこに安置するかということです。
ご遺体をお自宅に安置する場合はドライアイスとエアコンを併用して室温を低く保つようにしなければなりません。もし、安置の期間が長引くことが予想されるようであれば、葬儀社に相談をし、葬儀社の霊安施設を利用するのをおすすめします。保冷設備が整った葬儀社の霊安室であれば、安心してご遺体を安置することができます。
お盆にご葬儀や火葬をすることは可能ですが、司式者やご会葬者のご都合が付きにくいなど、通常のご葬儀と同じようにはならない可能性があることが分かりました。ご不幸は日を選んではくれませんので、事前にどのような注意点があるのかを知った上で、冷静に対応できるように務めたいものです。
ご葬儀は故人様をしっかり見送ることが1番大切ですが、駆け付けてくれるご会葬者の皆様のことまで思いやってこそ、故人様も安心して旅立てるのではないでしょうか。
なお、セレモニーの直営葬儀式場には「きれいな霊安室」を完備しております。もしもの時に大切な故人様を責任をもってお預かりをさせていただきます。様々なご事情から故人様がご自宅へお戻りになれないような時も安心してご相談ください。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
故人様が亡くなられた時に、ご遺族は通夜やご葬儀、告別式に火葬など、さまざまな儀式を経なければならない局面に立たされることでしょう。しかしながら、ご葬儀の費用は決して安くないため、故人様に対する哀悼の意はあっても、費用が捻出できず大変な思いをする方もいらっしゃるかもしれません。
現代の日本では、99%以上のご遺体が火葬されています。火葬は火葬場で行われますが、そもそも火葬場とは、都道府県知事が火葬を行うための火葬場として許可した施設を指します。
ご葬儀が年々簡略化される昨今では、「ご葬儀をしない」という選択肢も時々耳にするようになりました。そこで近年注目されているのが、火葬だけでお別れを済ませる火葬式(かそうしき)というものです。