2019-06-10
社会人になると、ほとんどの企業や組織がこの期間を「お盆休み」として、その休みを利用して実家へ帰郷したりする人も多いのではないでしょうか。そもそも、お盆って?
子供の頃、祖父や両親に「お盆ってなに?」と質問した人は多いと思います。逆に、お子様やお孫様にお盆の意味を求められたらちゃんと答えられるのか?日本人なら誰もが知ってる「お盆」。ちゃんと知って、お子様やお孫様に由来など話せたらかっこよくありませんか?
お盆は仏教の「盂蘭盆(うらぼん)」と「先祖祭り」の風習が融合したものです。
「盂蘭盆経」にもとづく盂蘭盆は、古代インドの文学語、サンスクリット語の「ウランバーナ」が語源で「倒懸(とうけん)」のことです。倒懸とは逆さ吊りの苦しみをさします。
逆さづりの苦しみ?お盆との繋がりがあるのかに思いますが、ちゃんと意味があります。
地獄に落ちて逆さ吊りにされていた、お釈迦様の弟子である目連の母でした。母の苦しみを救うためにはどうすれば良いかと問う目連に、お釈迦様は「すべての僧に供養してもらうように」と諭したといいます。目連はお釈迦様の教えの通り行い、母親は地獄から浮かび上がり、歓喜の舞を踊りながら昇天したと言われてます。
一方日本では、八月半ばになると、一族が集まり、先祖に収穫した食べ物を供える風習が古くからあり、それが仏教の盂蘭盆と融合した。簡単にまとめると、お釈迦さまが説いた教えに日本にもともとあった先祖を大切にする風習が組み合わされて、先祖を供養する行事として「お盆」となりました。
こうしたお盆の行事は、日本独自のもので、仏教発祥の地であるインド、中国では見られないと言われてます。
ちなみに、日本で最初にお盆を行ったのは、今から約1400年前の飛鳥時代に推古天皇と伝えられています。
お盆は、地域によって時期が異なることをご存じでしょうか。
7月のお盆を新盆、8月のお盆を旧盆ともいいますが、元々は7月に行われていました。
明治以降、新暦(太陽暦)が国際基準化を目的として導入された結果、明治5年12月3日だったのが、突如として明治6年1月1日に変わりました。
この約1ヶ月のずれによって7月のお盆もまた、8月にずれました。
日本の各行事は約1ヶ月遅れとなり、旧暦の7月15日に行われていたお盆は、新暦の8月15日に行われるようになりました。
ではなぜ、お盆は7月と8月に行う地域があるのか?
それには諸説あり、当時の明治政府によって、新暦の7月にお盆をするようにという圧力があったことです。
この新暦7月のお盆が定着しなかった理由に、農作業に支障をきたす理由と言う説があります。新暦の7月が農作業で忙しい農繁期の時期に重なったため、お盆を1ヶ月遅らせて「月遅れのお盆」とすることで、お盆の行事をゆっくりできるようにしたうそうです。
7月にお盆が行われる地域は、東京都、神奈川県、埼玉県他にも北海道や石川県、静岡県などの一部の地域で行われていますが、全国的に8月に行われることが一般的になっています。
また、新暦が導入される前の旧暦盆を守り続けている地域もあるようです。
記載したことをまとめると、明治以降、新暦が導入され、これが定着したことにより、8月のお盆が生まれましたが、以下のように3つの時期に分かれていきました。
旧暦の月日がそのまま新暦に残る
旧暦7月15日が新暦でいう8月20日前後のため。
新暦が導入された頃の明治初期、日本国民の多くが農業に従事しており、新暦7月15日は農作業の忙しい時期に重なったため、お盆を1ヶ月遅らせて「月遅れのお盆」とすることで、お盆の行事をゆっくりできるようにしたものです。
今回はお盆の成り立ちや、お盆の時期についてお話しました。お盆とはどういうものなのかをお子さんやお孫さんに伝え、お盆を迎えてみるのはいかがでしょうか。お盆の迎え方、過ごし方がこれまでとは変わるかもしれません。
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