2020-05-15
合同葬とは生前に故人様が勤めていた企業・会社とご遺族が共同で執り行うご葬儀のことであり、つまり社葬と個人葬を合同で行うことを指しています。故人様の会社での功績を讃える場である合同葬に参列することになった時、当日の流れや香典の渡し方、マナーなど一般的なご葬儀との違いはあるのでしょうか。
そこで今回は、合同葬の当日になって慌てることがないように、合同葬の流れやマナーなどをご紹介します。
冒頭でも触れましたように、合同葬とは企業・会社とご遺族が共同でご葬儀を主宰し、個人葬と社葬が合わさったご葬儀を指します。生前の故人様の功績を讃える合同葬は、お通夜式からご葬儀・告別式、火葬まで一連の流れを全て執り行います。
一般的に合同葬はご逝去から1週間以内に行われるため準備期間は限られていますので、会社とご遺族は互いの意向を常に確認しながら、双方が協力して迅速な対応と準備が求められます。また、合同葬では会社の関係者と、故人様の個人的な関係者が同時に会葬しますから、混乱が起きないように儀式の進行や運営に細かく配慮をすることが大切です。
合同葬は社葬の一種であり、そのため2つには共通している点もありますが、異なる点もあります。社葬とは企業・会社が故人様のお通夜式やご葬儀・告別式を主催するもので、この時の費用は会社が負担することになります。また、この費用は経費として計上することが可能です。こうしたことから分かるように、社葬の施主は会社・企業になります。
また、社葬は故人様を悼み生前の功績を讃えるために行われるのはもちろんのこと、代表者が逝去した場合には後継者の代替わりと、その新体制を世間に知らしめるという役割も担っています。
一方で合同葬は会社・企業とご遺族が協力し合同で主催するお通夜式やご葬儀・告別式を指し、この場合の一連の費用はご遺族と企業の双方が負担します。そのため、ご遺族が負担する葬儀費用がご葬儀の規模に対して抑えられるという側面があります。また、経済的な面だけでなく、個人葬と社葬をそれぞれ別々に行うことに比べると、喪主の身体的なご負担も軽減できます。
その他にも、密葬を済ませた後に執り行われる社葬では故人様はお骨になっておりますが、合同葬では故人様がその場にいらっしゃいます。そのため、仕事の同僚の方々もしっかりと最後に故人様のお顔を見てお別れができます。
一般的に合同葬当日は下記のような流れで執り行われます。
1. 受付
2. 開式の辞
3. 喪主の挨拶、弔辞拝受、弔電拝読など
4. 読経・焼香、玉串奉奠、献花など(式次第は各宗教によってその作法が変わってきます)
5. 葬儀委員長の挨拶
6. 閉式の辞
7. 出棺・お見送り
なお、焼香や玉串奉奠、献花の作法やマナーに関しては、以下のそれぞれの記事で詳しく紹介しておりますので、関心のある方はぜひご参照ください。
ご葬儀における焼香の作法とマナー。宗派ごとの作法や回数の違いとは?
神式のご葬儀で故人様を送る。玉串奉奠(たまぐしほうてん)の流れとマナー
様々なご葬儀で行われる献花。献花のマナーや注意点をご紹介
合同葬に参列する時の服装は、案内状に従います。案内状に服装について何も記載がない場合は、原則として「喪服」を着用しますが、必要に応じて主催者に電話で確認をしましょう。なお、合同葬は一般的なご葬儀とは違い社交礼儀の側面を含みますから、例え「平服でご参加ください」との案内があったとしても、合同葬の場合はカジュアルな普段着は避けて、取引先に訪問しても恥ずかしくない服装を意識しましょう。
【男性の場合】
・ブラックスーツやグレー・濃紺などのダークスーツ
・白いワイシャツ
・黒無地のネクタイ
・バックルがシンプルなデザインのない黒のベルト
・黒無地の靴下
・金具が付いていないシンプルなデザインの黒の革靴
【女性の場合】
・黒・グレー・濃紺などの地味な色のワンピースやアンサンブル、セットアップスーツ
・中に着るトップスもダークカラーのものにする(白などの明るい色はNG)
・アクセサリーは、一連の真珠やオニキス(結婚指輪も可)
・バッグは、光沢や飾りのないシンプルな黒の布製(荷物が多い場合は、黒のサブバッグを持ちましょう)
・黒の薄手のストッキング
・シンプルな黒のパンプス
供花・供物は故人様への弔いの気持ちを表すものであり、香典や弔電と合わせて送るものです。供花・供物を送る場合は、送るタイミングに配慮が必要です。お通夜式の場合は当日の午前中までに、合同葬の開催日が分かっている時は前日までに届くよう手配してください。
もし案内状の中で「香典、供花、供物の儀は辞退いたします」「お供物などのご配慮はなさいませぬよう」など辞退の記載がある場合は、ご遺族の意向を汲むことをなによりとして送ることは控えなければなりません。
先述しました供花・供物と同様に、案内状の中で香典を辞退する旨の記載がなければ、香典を持参して出向きます。
香典は故人様の霊前に供えるお香の代わりとなる金銭で、弔意を表すと共にこれでご葬儀の費用の足しにしてください、という助け合いの意味を持っています。不祝儀用ののし袋に現金を包み、香典袋の右に企業名・会社名を書き添えて、社長名等で香典を出します。
会葬がかなわない方の代理として合同葬に参列する時は、事前にその人の名刺を預かり、その名刺の右上に「弔」と記入をして、なおかつ左端または下の隅の余白に代理で参列する旨を記入します。そして、受付の記帳では参列する本人の名前を書き入れ、香典と名刺を共にお渡しましょう。
企業・会社とご遺族が共に主催する合同葬は、ともすると当日の会場で取引先の方に会うことがあるかもしれません。久しく会っていなかったため思わず歓談、といった空気を出さないよう慎みましょう。また、名刺交換をその場ですることもマナーに反します。ご葬儀は故人様を悼みお見送りする場ですから、社会人として相応しい態度で臨みましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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