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2023-08-18

ご葬儀・お通夜における焼香のやり方とマナー|宗派ごとの作法や回数の違いとは?

突然告げられるご逝去の知らせを受け、ご葬儀に駆け付ける事態へ直面した場合、正しい焼香の方法に悩む方も多いでしょう。焼香は、仏前で抹香(まっこう)をつまんだ指を額などへ押しいただき、香炉へ落として焚く行為です。心身の穢れを払って身を清め、仏様や故人様と向き合うという意味合いが込められています。

しかしながら、焼香のやり方は宗派によって異なりますので、万が一間違った作法で対応すると、ご遺族に残念な気持ちを抱かせかねません。そこで当記事では、ご葬儀やお通夜における焼香のマナーや宗教ごとの作法をまとめましたので、詳しくご紹介していきます。

焼香の意味

焼香とは、「仏様や故人様に対してお香を焚いて拝むこと」を指します。ご葬儀での焼香とは、仏教において故人様の冥福を祈る行為です。良い香りを捧げることにより自らを清め、仏様や故人様に敬意と感謝を表す趣旨の供養にあたります。

広い意味では、お墓や仏壇の前でお線香をあげることも焼香のうちです。しかしながら、一般的な焼香とは、仏式のご葬儀の際に粉末状のお香である「抹香」を焚くこと(抹香焼香)を指します。

なお、仏式以外のご葬儀においては、お線香や抹香を使用しません。神式では「玉串」、キリスト教式では「白い花」を捧げる儀式が行われます。

焼香の基本的なやり方

仏教には様々な宗派があり、細かい部分で焼香のやり方はそれぞれ異なりますが、基本的な方法は同じです。 では、焼香する時の順番や詳しい流れを見ていきましょう。

焼香は喪主から行う

故人様への焼香には、守るべき順番があります。地域や宗教、ご遺族の考えなどで多少の違いはあるものの、故人様との関係が深い人から順に行っていくのが一般的なので、最初は喪主から焼香する流れが自然です。

喪主の焼香が終わったら、次は故人様の二親等内に当たるご家族から始まり、血縁の濃い順番(ご遺族、ご親族の順)に焼香していきます。しかしながら、ご遺族の中に故人様の親がいる場合、喪主に次ぐ焼香を親へ優先させるのが一般的です。

その他、故人様と同居していたご親族や故人様の介護をしていた方、墓守の方がいる場合、他のご親族よりも焼香の順番が先になる場合もあります。

ご親族同士であっても、考え方が異なる場合もあります。焼香の順番における認識の相違は、後のトラブルに発展しかねません。そのため、喪主の後に続く焼香の順番については、ご親族の間で事前に話し合っておくことが望ましいです。喪主やご遺族、ご親族の焼香が終わったら、次は一般の参列者の方から焼香していきます。

【関連記事】焼香の一般的な順序|家族・親族内での順番やマナーを解説します

自分の順番が来たら焼香台へ

ここからは、一般的な焼香の方法についてご紹介していきます。焼香では、順番がきても名前を呼ばれることはありません。前の方が焼香を終えたら、順番に焼香していきます。

焼香の順番が回ってきたら、次の方へ軽く会釈をしながら席を立ちます。スタッフより指示がある場合は、その指示に従いましょう。立席後は祭壇へ向かい、落ち着いて進みます。

ご遺族・遺影に向かって一礼する

祭壇の前へ移動したら、ご遺族に向かって一礼します。次に、焼香台へ向き直って近くまで進み、遺影(ご本尊)に向かって深く一礼しましょう。さらに焼香台の手前まで歩み寄ったら、数珠を左手に掛けます。

焼香をあげる

香炉の隣には抹香が設置されていますので、焼香をあげます。一般的な方法としては、右手の親指、人差し指、中指の3本を使い、抹香をつまんで額に押しいただきます。つまんだ抹香は、指をこすり合わせるようにして香炉へ落としていきましょう。この行為を、1~3回繰り返します。

焼香の回数や、抹香を押しいただく位置などは各宗派によって異なりますので、事前に確認すると良いでしょう。

故人様へ合掌してから一礼する

焼香が終わったら、数珠を両手に掛けます。そして、故人様の遺影(ご本尊)に向かって合掌し、深い一礼を行いましょう。

焼香台から一歩下がってご遺族に向かって一礼する

故人様の遺影(ご本尊)へ体を向けたまま、数歩下がります。その後はゆっくりご遺族の方へ向き直り、深く一礼します。

自分の席に戻る

ご遺族への挨拶が済んだら、元の席へ戻って着席しましょう。

宗派ごとの焼香の作法

先にも述べましたが、宗派ごとに焼香の作法や回数はそれぞれ異なります。以下、各宗派の焼香方法をまとめましたのでご参照ください。

なお、地域や家などによって作法が異なることがありますので、心配な方は親族やご家族の方に確認することをおすすめします。

・天台宗 焼香は1~3回 右手の3本の指で抹香をつまみ、額に押しいただき、香炉にくべる

・真言宗 焼香は3回 右手の3本の指で抹香をつまみ、左手を軽く添え、額の高さに押しいただき、香炉にくべることを3回繰り返す

・浄土宗 焼香の回数にはこだわらない 右手の3本の指で抹香をつまみ、左手を添えて押しいただき、香炉にくべる

・浄土真宗 本願寺派 焼香は1回 抹香を押しいただかずに香炉にくべる

・浄土真宗 大谷派 焼香は2回 抹香を押しいただかずに香炉にくべる

・臨済宗 焼香は1回 右手の3本の指で抹香をつまみ、反対側の手を添え、顔の高さまで押しいただき、香炉にくべる

・曹洞宗 焼香は2回 1回目は右手の3本の指で抹香をつまみ、左手を軽く添え、額の高さに押しいただき、香炉にくべる。 2回目は押しいただかずに香炉にくべる

・日蓮宗 焼香は僧侶は3回、一般会葬者は3回が多い 右手の親指と人差し指で抹香をつまみ、静かに香炉にくべる

焼香の種類

焼香の形式は「立礼(りつれい)焼香」「回し焼香」「座礼(ざれい)焼香」の3種類です。その方法は、焼香する場所によって変わります。

「立礼焼香」は葬儀会場でのご葬儀、「回し焼香」はご自宅などの会場が狭いご葬儀や会葬者が多いご葬儀、「座礼焼香」はご自宅や寺院でのご葬儀で行われるのが一般的です。

では、具体的な焼香の方法について、詳しい手順を確認してみましょう。

立礼焼香

一般的な斎場で行うご葬儀では、この「立礼焼香」が大半となります。これは自分の席から立って行う焼香の作法です。遺影の前に焼香台に香炉が置かれており、会葬者は、順番に席から立ち上がって焼香を行います。

手順① 順番が回ってきたら数珠を持って静かに席を立ち、祭壇の方へ進む。

手順② ご遺族へ一礼してから焼香台の手前まで進む。

手順③ 焼香台の前まで来たら、遺影(ご本尊)に向かって合掌する。

手順④ 各宗派に従って1~3回焼香し、抹香を香炉へくべる。

手順⑤ 遺影(ご本尊)に向かって再度合掌し、一歩下がって一礼する。

手順⑥ ご遺族へ向き直って一礼し、席へ戻って着席する。

回し焼香

ご自宅でのご葬儀は斎場でのご葬儀と比べると狭いため、会葬者が多いと焼香台に移動しづらい状態です。このような場合、香炉をお盆に乗せて会葬者がこれを回し、その場で焼香します。これが「回し焼香」と呼ばれる方法です。

手順① 目の前に香炉が乗った盆が回ってきたら、前の方に対して軽く会釈をする。

手順② 盆を受け取ったら、そのまま膝の上に置く。

手順③ 遺影(ご本尊)に向かって合掌する。

手順④ 各宗派に従って1~3回焼香し、抹香を香炉へくべる。

手順⑤ 遺影(ご本尊)に向かって再度合掌し、香炉の盆を次の方へ回す。

座礼焼香

畳敷きの和室などがあるご自宅や寺院のご葬儀では、「座礼焼香」が行われます。正座している状態で焼香しますが、手順は他と概ね同じです。移動の際はまっすぐに立ち上がらず、腰を落とすような体勢をとります。

自分の席と焼香台までの距離が近い場合は、膝を引きずる方法で移動するのが一般的です。この移動方式は、膝行(しっこう)または膝退(しったい)と呼ばれています。

手順① 順番が回ってきたら、数珠を持って祭壇の方へ中腰で進む。

手順② 焼香台の前まで来たら正座をし、ご遺族に対して一礼する。

手順③ 遺影(ご本尊)に向かい合掌する。

手順④ 各宗派に従って1~3回焼香し、抹香を香炉へくべる。

手順⑤ 遺影(ご本尊)に向かって再度合掌する。

手順⑥ 焼香台の前から、膝を付けたままで少し下がる。

手順⑦ 再びご遺族に対して一礼し、中腰で立ち上がって自分の場所へ戻り、着席する。

お通夜で焼香だけ出席しても良い?

急な訃報が舞い込み、仕事や距離、体調などの関係で、どうしてもご葬儀に参列する都合が付かないこともあるでしょう。そのような場合は、せめてお通夜だけでも伺って、焼香をあげさせてもらえないだろうかと考える方もいらっしゃることかと思います。

結論としては、お通夜に焼香だけの参列をしても失礼にあたりません。お通夜に駆け付けることによって、ご遺族に対して哀悼の意を伝えられるためです。

お通夜は、夕方6~7時に始まることがほとんどです。焼香だけに参列する場合は、開始時間より15~30分早いタイミングで到着しておき、焼香を済ませてからご遺族へ挨拶して会場を後にします。

もし、お通夜の途中(読経中)にしか会場入りができない場合は、到着してもすぐに場内へ入ることはせず、受付やスタッフの方に焼香できるタイミングを確認します。

まとめ

正しいマナーや作法に則り焼香をあげる行為は、故人様を失った悲しみへ真摯に向き合うのと同時に、ご遺族を大切に思っているという意思表示にも繋がります。

焼香の意義や一般的な作法を、予備知識として頭に入れておくことで、急な参列にも臆することなく対応できるようになります。故人様のご冥福を祈りたい気持ちが、ご遺族へスムーズに伝えられるよう、この記事をお役立ていただければ幸いです。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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