2020-05-01
ご葬儀に会葬できなかった方々が故人様の死を悼み、後日ご自宅に訪ねてくることがあります。大切なご家族を亡くした心の傷が癒えないまま、お通夜式やご葬儀・告別式を執り行い、ようやく故人様と向き合えるところではありますが、故人様の死を悼んで足を運び、悲しみを分かち合ってくださる方々ですので、できる限り丁重に対応したいものです。
そこで今回は、ご葬儀後にお越しくださる弔問客の皆様への対応準備やマナーについてご紹介します。
ご葬儀後しばらくは、弔問客が訪ねてきます。以下で、ご葬儀後に自宅へ訪ねてくださる方に対応するために、何を準備すればよいのかみていきましょう。
弔問の際に、事前に弔問の予定の連絡をしてくれることもありますが、出先から突然訪問の連絡をいただくこともあります。そのため、弔問客がいつ訪ねてきてもいいように、玄関や仏間などは綺麗にしておきましょう。
弔問客のためのお菓子などの準備をしておきましょう。和菓子や洋菓子など小分けにされたものが、突然の弔問にも扱いやすいでしょう。その他にもお茶やコーヒー、ジュースなども用意し、故人様に代わっておもてなしをしましょう。
お供え物として香典やお線香などをお持ちになる方もいらっしゃいます。後日返礼品を郵送しても問題ありませんが、その場でお渡しできるよう返礼品を事前に用意しておくとよいでしょう。ある程度の数量を手配しておきたいところです。そのほかの菓子折を用意してもよいでしょう。
お通夜式やご葬儀・告別式の際の服装は喪服となりますが、ご葬儀後の弔問客への対応にあたっては喪服ではなく、普段着で問題ありません。ただし、スウェットや部屋着などのあまりにもラフすぎる服装は避けましょう。
また、派手な色やアクセサリー、肌の露出が多い服装は避け、落ち着いた色合いの服装を選びます。男性の場合は灰色や黒のシャツに暗い色味のズボン、女性の場合は灰色や黒などのワンピースが無難です。
それでは、実際に弔問客が訪ねてきた際には、どのようにふるまえばよいのでしょうか。
まずは、わざわざ弔問に来てくださった方に、感謝の気持ちを込めて挨拶をしましょう。
・本日はお忙しい中、ご丁寧に足を運んでいただき、大変ありがとうございます。生前は、大変お世話になりました
・お忙しい中お越しいただき、ありがとうございます。故人に代わり、御礼申し上げます。
・本日はご多用のところおいでいただき、感謝申し上げます。
などその場に応じた適切な言葉をかけましょう。
ご遺族に気を遣って玄関先でお悔みを述べ、香典を渡してお帰りになろうとする弔問客もいます。その場合は、「お線香だけでもあげていただけませんか?」と声をかけて家に上がってもらうように促しましょう。弔問客に一度お線香を促しても断られるようであれば、無理に勧める必要はありません。
ご自宅にあがっていただき、お線香をあげていただける場合は、お菓子やお茶などのもてなしをします。ご遺族も親しくされていた弔問客であれば故人様の思い出話をしたり、ご遺族が弔問客の方を存じ上げない場合は故人様が生前どのようにお世話になったか話したりすることでも供養になります。
もし、お線香をあげてすぐに帰ろうとしている場合は、引き留めるのは止めましょう。
自宅に訪れる弔問客は、香典や供物をお持ちになられます。それらに関しては、基本的に弔問客ご自身に仏壇や後飾り祭壇へお供えしていただきますが、ご遺族に渡された場合はご遺族がお供えしましょう。
その際に注意したいのが、香典や供物の置き方です。一般的に香典や供物を仏壇や後飾り祭壇にお供えする際は、「正面を自分たち側に向ける」のが正しいとされています。故人様に向けられた香典や供物を故人様がご慈悲であなたの方へ向けようとしますが、故人様にはそれができません。こういった理由から、正面を自分たち側に向けてお供えすることは故人様にとってもありがたいと考えられているからです。
弔問客がお帰りになられる際は、忙しい中時間を割いて足を運んでくださったことへの感謝と故人様もきっと喜んでいることを伝えましょう。また、故人様が生前お世話になったことへのお礼も述べるのもよいでしょう。
大切な方を亡くされた悲しみやご葬儀、ご葬儀の手続などで大変な中ではありますが、弔問客の方々は忙しい中時間を割いて足を運んでくださいます。中には故人様を偲んで、遠方からも足を運んでくださる方もいらっしゃるので、故人様に代わって、感謝の気持ちをもっておもてなしをしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
ご親戚やご友人の訃報に際し、「弔問したいけど、具体的にどんな準備をすればいいの?」と悩んでいる方も多いでしょう。弔問にはいくつか気をつけるポイントがあり、ご遺族に失礼がないよう事前に把握しておかなければなりません。今回は、弔問の適切なタイミングや服装の注意点、持ち物のマナーなどについて詳しく解説していきますので、お困りの方は参考にしてみてください。
家族葬はごく限られたお身内だけで行われるご葬儀の形式です。そのため、亡くなられたことや家族葬が執り行われたことを後から知り、香典をお渡ししたいがどうすればよいか分からないと悩まれる方も多く見受けられます。 そこで今回は、家族葬を後から知った時の香典や弔問はどうするべきかについてご紹介します。