2024-05-31
故人様が旅立ち、忌中の期間が過ぎてから初めて迎えるお盆は「初盆」といわれています。通常のお盆よりもご供養が重視される初盆では、お墓参りだけでなく初盆法要を行うのが一般的となっていますが、ここで皆様が悩まれるのは、ご供養する場での身だしなみでしょう。
ここでは、初盆に適した大人や子どもの服装、そして注意点などを詳しく解説いたします。
初盆とは、地域によっては新盆(にいぼん、あらぼん、しんぼん)とも呼ばれており、ご家族を失った後の忌明け(きあけ)で初めて迎える、貴重なご供養期間になります。
初盆は、故人様があの世へ旅立たれてから、その御霊が初めてこの世へ戻るといわれる重要な期間です。そのため、ご遺族の手で一層の手厚い供養が行われます。お花やお線香、お供え物などを用意してお墓参りに出向き手を合わせ、ご自宅に祭壇を組んで飾り付け、故人様を迎える準備を整えるのです。さらに、初盆の法要を行います。
ただし、全てのご家族が同じご供養を行うとは限りませんし、地域によっての違いもあるでしょう。そこでここからは、初盆法要における一般的な服装を中心に解説いたします。
では、初盆法要を施主として行う場合、参列する場合、そしてお墓参りに特化したご供養のみに抑えた場合の服装は、どのようなものを着用すべきなのでしょうか。
施主の立場として初盆法要を行う場合は、標準的な喪服を着用します。男性は黒いスーツに無地の黒いネクタイ、ワイシャツは白を着用します。女性でしたら黒いワンピースやスーツ、ツーピースなどです。迷った場合は、ご葬儀の時と同じ服装で問題ありません。
招かれた場合は、御案内状に記載のある服装で構いません。平服とは略喪服にあたりますので、男性でしたらダークカラーで無地のスーツ、女性でしたら同じく無地で暗い色のワンピースを着用されるのが望ましいでしょう。
なお、スカートの長さは膝が隠れる長さ、袖の長さは半袖もしくは七分丈よりも長いものを選びます。
初盆法要へお子様をお連れする際、学校で指定されている制服がある場合はそのまま着用して参列します。制服がない場合は、ダークカラーのズボンやスカート、白いシャツで問題ありません。お盆の時期は気温が高い場合が多いため、無理にジャケットを着る必要はありません。
初盆では、法要を行わず、ご遺族のみでお墓参りを行うご供養方法もあります。特にご親族と日にちが合わず、各自でお墓参りに行く場合は、暗い色のシンプルな服装を心掛けると良いでしょう。ただし、いくら暗いトーンの色だからといっても、カジュアルすぎるデニムやTシャツなどは避けてください。
男性は白いシャツにダークトーンのパンツと黒い靴下、女性はワンピースに薄い黒のストッキングを合わせ、足元にはオープントゥやサンダル、エナメル素材以外の落ち着いた黒靴を選びます。
お墓が山中など足場の悪い場所にある場合は、安全面の観点から暗いカラーの運動靴を着用しても良いでしょう。ただし、スニーカーも基本的にはマナー違反にあたってしまうため、ご不安がある場合は施主、または周りの方へ相談してみましょう。
初盆の迎え方は、ご家庭によってさまざまです。ただし、厳粛な場での服装に関しては、ご遺族に不快な気持ちを抱かせない 気遣いが大切になります。
服装はご葬儀で着用した喪服が無難ではありますが、「平服で」といった指示がある場合は、男性なら無地でダークトーンのシンプルなスーツ、女性なら同じくダークトーンのワンピースが無難です。地域によっては濃紺でも構わないとされていますが、基本は色を感じさせない暗めの無彩色、あるいは黒が無難です。
ここからは、服装に関して注意すべき点をお伝えしていきます。
弔事(法事)での平服は、普段着とは違います。つまり、暑いからといって普段出かける時に着用するようなタンクトップ、キャミソールなど露出が多い服でのお参りは故人様や相手の方 に失礼です。特に女性の夏用ワンピースは、オフショルダーや深いネック、膝が出るほどの短いスカートも多く出回りますので注意する必要があります。
あくまで初盆のご供養は、故人様の御霊をお迎えして鎮める厳粛な場 であるため、肌の露出を控えたダークトーンの服装を選ぶことが大切です。
法事だけではなくお墓参りなどにも当てはまりますが、男性は普段つけているカフスやネクタイピンを外しましょう。女性の場合、原色や大ぶりのアクセサリーは、居合わせた方に不快感を与えてしまうだけではなく、御霊のご供養にもふさわしくありません。法事でアクセサリーをつける場合は、ご葬儀と同様にパールのネックレスのみでとどめるのが無難です。
初盆のご供養では、ある程度の正装を意識する必要があるので、派手すぎるアイシャドーや濃い色の口紅は避け、肌を整える程度のシンプルなメイクに仕上げましょう。
初盆は、法事が行われる場所や規模、ご供養の方法によって、参列者の服装もある程度変える必要があります。ここでは場面別の一般的な服装をご紹介しましたが、地域によっては細やかな習わしがあるかもしれません。まずはご家族や周りの方、菩提寺にもご相談されてから、当日の服装を決めるのが良いでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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