2024-07-26
お彼岸の時期にはお墓参りへ行き、お墓や仏壇にはお供え物をしてご先祖様へのご供養を行うのが、日本古くからの慣習となっています。時期が来れば、お供え物はデパ地下やスーパーなどにも陳列され始めますが、ご先祖様にとってはどのようなものを選ぶのが最適なのか悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、お彼岸のお供え物の具体例や金額相場などをご紹介いたします。
お彼岸のお供え物は、ぼたもちもしくはおはぎ、常温でも傷みにくい果物やお花、菓子折りが定番です。仏教の教えに基づくならば、お供え物は「五供(ごく)」が基本です。
五供とは香(お線香)、花、灯燭(ろうそく)、浄水、飲食(食べ物やお茶などの飲み物)のことで、墓前や仏壇には五供を供えるのが適切とされています。
お彼岸は、太陽が真東から登り、真西に沈む神秘的な期間です。仏教では、お彼岸にあの世とこの世の距離が一気に縮まると考えられているので、ご先祖様の供養に適したタイミングとされています。
お彼岸では、墓前や仏壇にさまざまなお供え物をして慰霊することが一般的ですが、ここからはお供え物はどのくらいの時期に用意すべきなのか、順に解説していきます。
お彼岸の期間は、年毎に国が指定する中日(ちゅうにち)である春分の日もしくは秋分の日を挟んだ前後3日間の7日間です。お彼岸の初日(彼岸入り)は、中日の3日前になりますので、彼岸入りの朝にお供えを施し、中日の3日後(彼岸明け)の夜に下げることが望ましいとされています。
仏壇にお参りをしたら、お墓参りも忘れずに行いましょう。お墓参りにはお線香と供花、お供え物を持参します。お墓を桶や水、柔らかで清潔な布を用いて優しく清めたら、再びご先祖様や故人様へ敬いと感謝の気持ちを込めて手を合わせます。
お供え物をお渡しする場合は、お彼岸の期間中ならいつでも構いません。お持ちする場合は、事前に伺う旨を連絡するのがマナーです。内容は日持ちの良い菓子折り、進物用線香、デパートで作ってもらった果物の籠盛りがおすすめです。
お彼岸期間中の訪問が難しいようであれば、相手の方 に連絡してからお供え物をお送りします。場合によっては、香典をお送りすることも視野に入れましょう。その場合は、身近な方に金額や内容が適切かどうか確認しておくと安心です。郵送する場合は、お彼岸の前日辺り、遅くとも中日までには届くようにしましょう。
お彼岸でご実家や親戚を訪問する場合も同じで、事前の連絡が必要です。伺う時期は、お彼岸の期間ならいつでも構いません。手土産と称して、故人様の好きだった食べ物や日持ちのするお供え物を持参します。また、進物用のお線香やろうそくも喜ばれるでしょう。
ここからは、お彼岸における定番のお供え物を順に解説していきます。お供え物の相場は、3,000~5,000円程度です。
ぼたもち・おはぎは、お彼岸で定番のお供え物と考えられています。どちらも同じ材料で作られた和菓子であり、呼び方が変わるのには季節が関係しています。春に咲く牡丹をイメージした「ぼたもち」、秋の七草と称される萩の花をイメージした「おはぎ」と、季節によって呼び方が変わるようになりました。
なお、ぼたもちにはこしあんが、おはぎには粒あんが使われています。小豆には魔除けの効果があるとされており、悪霊を寄せ付けない効果もあると信じられているのです。
菓子折りはクッキーや個包装のマドレーヌ、バームクーヘンなど、日持ちのするものがおすすめですが、故人様の好きだったお菓子や地域の銘菓などを持参するのも良いでしょう。
ジュースも日持ちするため、喜ばれるお供え物の一つです。色々なフルーツジュース缶が箱詰めで入っているものは、味も選べるので喜ばれます。ただし比較的重量があるため、直接のお持ち込みよりも配送する形で活用された方が良いかもしれません。
ただし、仏教の戒律において飲酒は厳禁であるとされているため、ビールやチューハイ、カクテル、ハイボールなどアルコール入りの缶飲料は避けるようにしましょう。
そうめんは、仏様があの世とこの世を行き来するために、荷物をまとめる紐としての役割があるとされています。日持ちの観点からも、お供えに適しているといえるでしょう。
お菓子ではなくて別のものを差し上げたい場合は、五供の一つにあたるお線香を差し上げるのもおすすめです。「仏様は良い香りを好んで召し上がる」といった考え方に基づき、良い香りのお線香がお供えに適しているとも考えられています。
進物線香(しんもつせんこう)と呼ばれている贈答用のお線香は、上品で良い香りのするものが多いのでおすすめです。
お花は、お墓参りの度にお供えするのが基本ですが、お彼岸の時期はいつもより華やかになるよう、故人様の好きだった種類を意識して用意しましょう。その際、毒やトゲのある花は避けるようにします。生花店で、お彼岸用とお願いすれば間違いありません。また、スーパーの店先などでも手に入れることができます。
菓子折りの件でも触れましたが、故人様の好きだったお供え物は喜ばれます。ただし仏教の理に従い、殺生を連想させる肉や魚、匂いの強い食べ物は避けることがマナーです。
相手の方 のご家族へ迷惑を掛けないことを前提に、できるだけ日持ちがするものやご家族みんなが食べられるような好き嫌いの少ない食べ物を選びましょう。先ほど挙げたお菓子の他、個包装のゼリーも賞味期限が長いのでおすすめできます。種類豊富なお菓子の詰め合わせも、家族団らんで楽しめるため喜ばれます。
通常のお彼岸では、3,000~5,000円程度のお供えが基本ですが、もし香典をお渡しするのならば、香典を3,000円程度、お供え物を2,000円程度とし、合わせて5,000円程度とするのが基本です。
ただし、故人様が血縁の深い方や生前お世話になった方だった場合は、5,000~10,000円程度が無難です。あまり高額になってしまうと、相手の方 のご家族に余計な気を使わせてしまいますので気を付けましょう。
なお、初彼岸の場合の香典も同じ金額で構いませんが、僧侶を招いた彼岸法要の場へ伺った場合には、10,000~30,000円が相場となっているようです。
お彼岸は、太陽が真東から真西へ一直線に進む時期は、あの世とこの世が最も近づく時期とされているため、ご供養に良い時期と考えられています。お彼岸には、各地域やご家庭に合ったお供え物を供え、ご先祖様や故人様に敬意と感謝の想いを伝えてみましょう。
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お彼岸の時期になると、お墓参りへ向かう方が多くなります。これは日本における古くからの習わしで、主な目的はご先祖様や故人様のご供養です。ただし、お彼岸での鎮魂方法はお墓参りだけに留まらず、僧侶を招いた法要が執り行われることもあります。 そこで当記事では、お彼岸の意味や法要に関する香典のマナーについてご紹介いたします。
日本には、ご先祖様や故人様の御霊を慰めるためのお彼岸という慣習があります。あの世とこの世が最も近づくと伝えられている日に、お仏壇を清めてお供えし、お墓参りに出向いて法要を執り行うことによって、御霊のご供養をする期間です。 ここでは、お彼岸に行われる法要の意味や種類、僧侶に対するお布施の相場とお渡しする際のマナー、参列時の服装についてお伝えいたします。
夏本番を迎えてお盆が過ぎると、次にやってくるのは秋のお彼岸です。お彼岸といえばあの世とこの世が最も近づく時期とされており、ご先祖様に対するご供養でお墓参りへ向かう方も多いです。 そのような中で、もしも彼岸会(ひがんえ)へ参列したり、自宅に僧侶を招き読経をお願いしたりする場合、お布施の総額はどのくらいになるのかと悩む方もいらっしゃるでしょう。当記事では、さまざまなお彼岸の迎え方やお布施のマナーを詳しく解説していきます。