2020-04-17
世界で最も信徒数が多いキリスト教。日本にも多くのキリスト教徒がいらっしゃいますが、日本では仏教や神道の信仰が多いため、キリスト教のお墓参りをしたことがあるという方は多くないのではないでしょうか。
そこで今回は、いざキリスト教のお墓参りをすることになった時に慌てないように、キリスト教のお墓参りの方法についてご紹介します。
キリスト教の墓地というと、どんなイメージが浮かぶでしょうか。映画やニュースでご覧になったことがある方も多いでしょうが、キリスト教の墓地は基本的に芝生の大地に、白い墓石や十字架の形をした墓石が、等間隔に整然と並んでおり、基本的にお墓同士の仕切りや柵はありません。
キリスト教では、仏教のように先祖代々をまつるのではなく、1人で1つのお墓が基本となります。墓石は仏教のものよりも石の高さが低めで「プレート型」や「オルガン型」などと呼ばれています。墓石のデザインに関しては十字架が刻まれるのが一般的とされていますが、特に制約はありません。
また、墓石に刻む文字にも特徴があり、日本における仏教のお墓には墓碑の正面に「●●家先祖代々之墓」「●●家之墓」などのように家の名前を刻むことが大半です。一方、キリスト教では故人様の名前のほか、洗礼名や故人様の好きだった言葉、カトリックの場合は聖歌が、プロテスタントでは讃美歌などが刻まれます。
ほかにも、キリスト教のお墓では線香を供える習慣がないため、香炉がありません(その代わり、ロウソクを立てる場所を設けています)。
仏教では春と秋のお彼岸やお盆など、折に触れてお墓参りをしますが、キリスト教では特に定期的にお墓を訪れるといった習慣はありません。お墓参りをして、故人様に思いを馳せるという共通点はあるでしょうが、仏教が墓前で故人様の冥福を祈るのに対して、キリスト教では祈りを捧げるのは神に対してなのです。
折に触れてのお墓参りの習慣はありませんが、カトリックでは、追悼ミサと呼ばれる集会を亡くなってから3日、7日、30日に執り行います。さらに、毎年11月2日の「死者の日」に集会を執り行うことで故人様を偲びます。
一方プロテスタントでは、亡くなってから1ヶ月後の「昇天記念日」に集会が執り行われ、その後は決まったしきたりなどはありませんが、毎年もしくは数年おきに集会を行います。このような集会は、教会を会場として行われることが多いです。
キリスト教のお墓参りに関しては、以下のような流れが一般的です。
1. お墓の掃除をする
2. お花を供える
3. 神に祈りを捧げる
仏教ではお墓参りの時に、その場にいる人でお墓の掃除を行うのが一般的ですが、キリスト教では参加者が掃除をすることはほぼありません。ただし、自分が故人様の家族やお身内であり、追悼ミサが行われた後などで、他の方がお墓参りをしてくださる時などは、前もってお墓のお掃除をしておくのが良いでしょう。
仏教におけるお墓参りはお線香やお供え物などを用意するのが一般的ですが、キリスト教ではお線香を供えることはしませんし、お供え物を置くこともしません。その代わりに、白い花を墓石に添える習慣があります。花は白いカーネーション、白いユリ、白い小ぶりの菊が一般的であり、キリスト教のお墓参りをする際には白い花は欠かせないのです。また、生前に故人様が好んだ花でも良いでしょう。なお、仏教式の仏花を用意するのはマナー違反になりますので、注意しましょう。
墓前では故人様に祈るのではなく、神に感謝を捧げる祈りを行います。祈る方法は両手を胸の前で合わせても、膝をついても問題ありません。その際の十字の切り方は宗派によって異なりますが、カトリックの場合は、「父と子と聖霊のみ名によって。アーメン」の言葉を口頭、または心の中で唱えながら、右手で額・胸・左肩・右肩の順に十字を切り、胸の前で手を合わせます。なお、プロテスタントの場合は十字を切ることはありません。
ちなみに、服装に関しては、黒を基本とした地味で目立たないものであるならば、礼服やスーツに拘らなくても構いません。
キリスト教のお墓に関する考え方やお墓参りの仕方はと仏教のそれと大きな違いがあります。しかし、前もって知識として違いを知った上で、常識的な態度で臨めば、どのような宗教や宗派であっても特段に難しいことはありませんし、迷うこともないでしょう。大切なのはその場その場に合った行動を心掛ける、思いやりではないでしょうか。
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