2024-08-02
日本では、お盆だけでなくお彼岸にもお墓参りに行き、ご先祖様のご供養を続けていく風習があります。お彼岸は、太古から伝えられている日本の伝統的な仏事です。
日本人として、お彼岸の本来の意味が理解できれば、より一層心からのご供養に励むことができるでしょう。本記事では、お彼岸の行動で最も大切なお墓参りにスポットをあてて、分かりやすく解説いたします。
お彼岸は、春と秋の年に二回訪れます。春は春彼岸と呼ばれ3月に、秋は秋彼岸と呼ばれ9月に設定されており、故人様やご先祖様をご供養するのに最も適した時期といわれているのです。
お彼岸は御霊へのご供養を行うと同時に、感謝や敬いを捧げる精進期間ともされています。精進とは、すなわち煩悩や迷いの起こる現世から、悟りの道を開くあの世(彼岸)へ到達するための修行です。これは、仏教における到彼岸(とうひがん)の教えに当てはまります。
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続きを読むお彼岸は、国立天文台の計算を元に国が設定します。国民の祝日である春分の日、秋分の日を挟む前後3日間の計7日間がお彼岸です。なぜ国立天文台の意見が関係するのかというと、春分の日や秋分の日は地球軌道、つまり太陽の位置が基準となっているからです。
仏教の観点では、真西に極楽浄土(彼岸)があると信じられているため、太陽が真東から真西に直線を結ぶ彼岸の時期に、浄土への道標ができるといった教えがあります。彼岸の時期は昼と夜の長さが同じになるため、あの世とのこの世の距離が最も近づくとも考えられていることから、お墓参りに適した時期と伝えられてきました。
お彼岸は、中日(春分の日、秋分の日)を挟んだ前後3日の計7日間であり、中日の3日前は彼岸入り、3日後は彼岸明けと呼ばれています。では、お彼岸のどの日程にお墓へ行くのが一番正しいといえるのでしょうか。
法律的な決まりなどはないため、お彼岸の期間中ならば、いつお墓参りに行っても間違いではありません。ただし、最も適した日付や時間帯は知っておいて損はないでしょう。ここからは、お彼岸のお墓参りに適した日付や時間帯をご紹介していきます。
お彼岸でお墓参りに最も適した日は、春分の日と秋分の日、すなわち中日とされています。あの世とこの世の距離が一番近づく日でもあるため、ご先祖様への想いが通じやすくなると考えられているからです。直近は2024年の秋分の日が9月22日(日)、2025年の春分の日は3月20日(木・祝)です。
現代の日本では六曜(ろくよう)といって、縁起が良い日と悪い日が6種類で設定されています。訪れる順番は決まっていて、「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」の順です。最も縁起の良い日は大安、悪い日は仏滅ですが、六曜は仏教(お彼岸)とは関係ありませんので、お墓参りの際に気にする必要はありません。
ただし、ご家族や地域によっては六曜を気にされる方もいらっしゃいます。もしも、親戚一同でお彼岸でのお墓参りに行く計画がある時や彼岸法要をお考えの場合は、六曜を考慮した上で日程を決められると良いでしょう。
お墓参りに適した時間ですが、防犯の観点から明るい時間帯が望ましいとされています。できれば午前中、もしくは午後の早い時間帯がおすすめです。暗い道は足元が見えにくく、転倒の危険性が伴うためです。
また、ご先祖様や故人様、神仏を何よりも優先させるべきといった考えが根付いていることもあります。何よりも先にお墓参りを優先させるために、早い時間に行くべきといった理由が語り継がれている地域もあります。
お墓参りに関するマナーにも、これといった決まりはありません。ただし、TPOをわきまえ、周りや相手の方 に対して不快な思いをさせないような行動を心得ておきましょう。
お墓参りでは、普段着で問題ありません。ただし、奇抜すぎる色合いのもの、露出度の高いタンクトップや半ズボンなどは避け、落ち着いた形や色合いの服、履き慣れた靴を着用するのが無難です。
日差しが気になる場合は、帽子を被っても問題ありません。ただし、故人様への敬意を示すためにも、手を合わせる際は帽子を取ってからにしましょう。
基本的には、お線香・着火ライター・数珠・仏花(左右で二束)・水・お供え物・半紙など、普段のお墓参りと同じアイテムを持参します。お掃除セットは、バケツ・ひしゃく・柔らかなスポンジ・墓石を拭く布・草むしり用の軍手・ゴミを持ち帰るビニール袋などを持っていけば十分でしょう。
お墓参りの手順としては、最初に軽く手を合わせて、ご先祖様から許可をいただいてから掃除に入ります。お墓を掃除したら、次はお花を飾って半紙を引き、その上にお供え物をのせます。そしてお線香を焚き、合掌しましょう。合掌の際には左手に数珠をかけ、日頃の感謝と敬いの心をお伝えします。お参りが済んだら、カラスなどの野鳥に荒らされるのを回避するため、お供え物は下げてから帰ります。
仏教のお供え物として基本とされているのが五供(ごく)と呼ばれているもので、香り(お線香)・お花・飲食(おんじき)・浄水(じょうすい)・灯明(とうみょう)です。
故人様の好きだった食べ物やお水、お花、お線香を供えますが、お墓で使用したお供え物は自分たちでいただきます。なぜなら、一度お墓に供えたものを仏壇のご本尊へ再度供えるのは、失礼になると考えられているためです。自宅の仏壇には、仏壇用のお供え物を用意しましょう。
大切なご先祖様のために、お彼岸のお墓参りは欠かさずに行っておくことが一番のご供養となります。お彼岸の時期は、感謝と敬いの心を忘れず、心を込めてご先祖様に手を合わせるようにしましょう。
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お彼岸の時期になると、お墓参りへ向かう方が多くなります。これは日本における古くからの習わしで、主な目的はご先祖様や故人様のご供養です。ただし、お彼岸での鎮魂方法はお墓参りだけに留まらず、僧侶を招いた法要が執り行われることもあります。 そこで当記事では、お彼岸の意味や法要に関する香典のマナーについてご紹介いたします。
日本には、ご先祖様や故人様の御霊を慰めるためのお彼岸という慣習があります。あの世とこの世が最も近づくと伝えられている日に、お仏壇を清めてお供えし、お墓参りに出向いて法要を執り行うことによって、御霊のご供養をする期間です。 ここでは、お彼岸に行われる法要の意味や種類、僧侶に対するお布施の相場とお渡しする際のマナー、参列時の服装についてお伝えいたします。
夏本番を迎えてお盆が過ぎると、次にやってくるのは秋のお彼岸です。お彼岸といえばあの世とこの世が最も近づく時期とされており、ご先祖様に対するご供養でお墓参りへ向かう方も多いです。 そのような中で、もしも彼岸会(ひがんえ)へ参列したり、自宅に僧侶を招き読経をお願いしたりする場合、お布施の総額はどのくらいになるのかと悩む方もいらっしゃるでしょう。当記事では、さまざまなお彼岸の迎え方やお布施のマナーを詳しく解説していきます。