2024-07-12
終活とは、円滑な人生の最期を迎えるために行う準備のことです。終活と聞けば、仕事を定年退職した方、もしくはそれ以上の年齢の方が行うというイメージが世間に広く浸透していることでしょう。しかしながら、まだ体力のある50代だからこそできる作業があるのです。
人生においてさまざまな安心感を得るためにも、早いうちからの終活はやっておいて損はありません。今回は、50代からの終活によってもたらされるメリットやデメリット、将来に役立つ終活のマメ知識についても解説していきます。
終活とは、ご自身の人生の終わりについて考え、行動することを指します。つまり、身の回りの整理や資産の管理、そして亡くなった後に入るお墓やご葬儀の予算を組むなどの準備を少しずつ整えていくことです。
終活は50代から始めるにあたり、まだ早すぎるのではないかと思われる方が多いことでしょう。そこでここからは、50代から始める終活のメリットやデメリットについてご説明いたします。
50代から始める終活のメリットはさまざまです。50代は資産運営が思いのままできる時期であり、セカンドライフの計画も立てやすいのが最大の利点です。体力があるゆえに実現できることもまだまだ多いので、動けなくなってからやり残しを振り返り、後悔することのないよう計画的な取り組みを行っていきましょう。
また、若いうちから具体的な資産状況を把握しておき、計画的な貯金や運営を行っておけば、いざという時にご家族を困らせることもありません。お墓やご葬儀に関しては、先払いや互助会などの手続きを済ませておくことで、ご家族がそれを元にしてやるべきことを進められるため、負担が非常に軽くなるでしょう。
次に、ご自身の希望をご家族へ伝えておけることも終活の大きなメリットです。事故や病気で動けず、喋れない状況になった時には、エンディングノートが役立ちます。
50代の終活におけるデメリットは、何年も経った後で終活をやり直す事態が起こるかもしれないことです。その時々の出来事や時代、状況によって考え方も変わるため、遺言書を書き換えたくなるケースもあるかもしれません。
また、ご家庭の中でよく話し合うことなく物を捨てすぎてしまうと、トラブルに発展する可能性もあります。終活は、大切なご家族とコミュニケーションを取りながら進めていくことが大切です。
メリットやデメリットを踏まえても、やはり50代からの終活は行った方が将来のためにも大いに役立ちます。具体的な理由として、以下が挙げられます。
・セカンドライフの計画が立てやすくなる
・体力があり断捨離を進めやすいから
・親の終活と一緒に出来る
・自己判断できるから
それぞれ詳細に解説していきます。
50代といえば、目前に定年が迫っている時期です。現代では医療の進歩もあり、男女ともに健康寿命が延びています。そのような状況下で、老後に送る生活の安定のために月々確保しなければならない金額は、平均で230,000円程度、ゆとりのある生活なら370,000円以上が必要だと考えられているのです。
そこで、早いうちから将来もらえる年金や現在の資産額、今後の貯金額を算出しておけば、セカンドライフの計画が立てやすくなります。
50代は、まだまだ体力がある時期です。70代・80代になり体力が衰え、免許も返納してしまえば、身体を動かすのも困難になりますし、粗大ごみを出すのも一苦労となってしまいます。他人の手を借りず、独断で自由に要不要を判断できるのは、若さゆえの特権ともいえるでしょう。
ご自身での終活は、始める時期を判断しやすいですが、既に歳を取った親御さんへ終活を勧めるのは、なかなか勇気がいることです。誤解を招かないためにも、ご自身の終活と共同で行うのはどうかと伝えることで、親にも受け入れられやすくなります。
50代は、さまざまな判断が正確にできる年代です。終活といえば財産やご葬儀、お墓などお金のかかる事柄です。場所や金額に応じて安心して任せられそうな葬儀社や互助会など、ご自身に合ったものを選ぶことは、慎重な判断能力が求められます。
失敗のない判断のためにも、若いうちに行動することが大切です。認知症を発祥したり、大病を患い治療に精一杯になったりしてからでは、慎重に考えることが難しくなってしまうことを念頭に置いておきましょう。
ここからは、50代の終活で行うべき点を具体的に挙げていきます。以下の行動には、周りの方に大変な思いをさせないこと、老後に安定した生活が送れることなどのメリットがあります。
最初に手を付けるべきは、断捨離です。家の中にあふれる服や小物、家具をリストにまとめ、いるものといらないものに分けていきます。かなりの体力勝負となるため、50代の元気なうちに始めておくのがおすすめです。
不用品はまとめて捨てることで、その後の余計な買い物を減らせますし、スペースの開いた部屋で快適に過ごせるようになります。ただし、高額なものや自分のではないものを処分する場合は、ご家族の方とよく話し合うことが大切です。
エンディングノートは、生前にまとめておくべき事柄をリスト化できるので、終活で活用するには非常に便利なアイテムです。思いついたことがあれば、メモ帳のように気軽に書きこむこともできるので、手元に一冊置いておくと良いでしょう。
資産の項目も大切ですが、終末医療ケアについても書き記しておけば、安心な余生を過ごすことができます。
物事がしっかりと考えられるうちに整理した方が良いのは、ご自身の持っている資産です。資産とは預金のほか不動産や有価証券、自動車、デジタル資産など、プラスになる財産を指します。どのくらいの価値のものがどの程度あるのか、リスト化させてしっかりと把握しておきましょう。
ご自身の遺産を誰にどれだけ渡したいのか、具体的に指定できるのが遺言書です。ここで注意しなければならないのは、エンディングノートやメモ帳、手紙などを書いただけでは法的拘束力がないという点です。
遺言書は、正しい書式で記入されているもののみが法的な効力を持ちます。書き方は民法で定められていますので、その通りに記載することが重要です。正確性に自信が持てない場合は、公証役場に在勤されている公証人の方へ、遺言公正証書の作成を依頼するのも良いでしょう。
近年では結婚されない方や、子どもを作らず大人だけで過ごすといった考えの方が増えてきています。このようなケースの場合は万が一に備え、お墓の購入やご葬儀の手続きを生前に行っておくと安心です。子どもがいるご家庭でも、のちのち金銭面で負担をかけないよう、あらかじめ手続きを進めておくと良いでしょう。
50代から始める終活は、決して早すぎるものではありません。今後の人生を有意義にするためにも、体力がある時期に行うべきことは数多くあります。少しずつでも構いませんので、着実に終活を進めていきましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。