2024-07-12
親御さんや祖父母の方などから、「お盆は海に入ってはいけない」などと忠告された経験がある方も多いのではないでしょうか。なぜそのような制約を受けなければならないのか、疑問に感じた方もいらっしゃるかと思います。
そこで当記事では、お盆に海へ入っていけないと考えられている具体的な理由を、さまざまな角度から解説していきます。
お盆に海へ入ってはいけないといった風習は、全国的に広まっています。しかしながら、お盆の海水浴は宗教や法律で禁じられているものではありません。つまり、お盆に海へ入ったところで悪い行いをしていることにはならないのです。
海は安全に留意さえできれば、いつの時期に入って遊んでも構わないことになります。
お盆の海水浴がタブーと伝えられているのには、さまざまな理由があります。ここからは、その由縁を順に解説していきます。
本来のお盆とは、年に一度だけ戻ってくるご先祖様の御霊をお迎えし、ご供養するために設けられた期間です。迎え火を焚き、盆飾りを用意して、お墓参りやお盆特有の行事に参列するなど、ご先祖様の鎮魂のために行動します。つまり、家を空けて海水浴をすることは、ご先祖様や故人様に失礼だと考える方が多いのです。
お盆はあの世からさまざまな霊魂が戻る時期のため、海水浴をしている間に、水底へ足を引かれ浮かび上がれなくなり、あの世に連れていかれてしまうと信じられている地域もあります。
ここまで挙げた理由では、迷信だと考える方も多いでしょう。しかし実際にお盆では、水難事故などで多くの命が奪われています。さまざまな悲劇の原因として俗説的な由縁以外で考えられる要因とは、一体どのようなものなのでしょうか。
お盆期間の海では、離岸流(りがんりゅう)が多く発生することが分かっています。離岸流とは、海中で岸から沖に向かい、強い流れが起こることです。海水浴中の方が離岸流に巻き込まれれば、そのまま沖へ流されて溺れてしまうため、死亡事故へのリスクが高まります。
波の形が周辺と違ったり、海岸の地形がへこんでゴミが集まっていたりする場所は、その海中で離岸流が起きている可能性が高いので、決して足を踏み入れてはなりません。
8月は台風がやってきますが、台風は上陸した当日だけでなく、その前後の時期でも恐ろしいほどに波が高くなります。この大波は土用波(どようなみ)と呼ばれ、この波に飲まれてしまった方が溺れて亡くなるというケースが実際に起こっています。
お盆のあたりから、海中に大量発生するのがクラゲです。命を取られることはほとんどありませんが、刺されれば患部は腫れあがり、かなりの痛みを伴います。
稀ではありますが、抵抗力の弱い子どもが毒性の強いクラゲに刺され、亡くなったという死亡事故も確認されています。クラゲが多くなる時期の海水浴は、くれぐれも細心の注意を払いましょう。
またお盆の川遊びも、海遊びと同様に良しとはされない風潮があります。川遊びには釣りがつきものですが、仏教の概念でお盆時期の殺生は禁じられているため、釣りを避けることが一般的です。
また、8月下旬頃の川も台風がかなり影響します。具体的には水の流れが速まったり、水温が急速に冷たくなったり、水深が深くなったりといった現象です。水温の低下は人の動きを鈍らせ、水草や水流などに足を取られ、溺れるリスクが非常に高まります。
お盆時期の川遊びも、海と同様に法律で禁じられているわけではありません。ただし、お盆の時期に関してはかなりの注意が必要といえるでしょう。
お盆の時期は、会社や学校の長期休暇と重なるため、海や川へ遊びに行くご家庭も増えます。羽を伸ばせる嬉しい期間ではありますが、迫りくる危険に気付きにくくなることは大きな問題です。
お盆に海や川へ行くことがNGなどという制約はありません。しかしながら、この時期になると毎年のように水難事故で尊い命が失われていることも事実です。もしも海や川へ遊びに行く予定がある場合は、細心の注意を払って行動するよう心掛けましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
お彼岸の時期になると、お墓参りへ向かう方が多くなります。これは日本における古くからの習わしで、主な目的はご先祖様や故人様のご供養です。ただし、お彼岸での鎮魂方法はお墓参りだけに留まらず、僧侶を招いた法要が執り行われることもあります。 そこで当記事では、お彼岸の意味や法要に関する香典のマナーについてご紹介いたします。
日本には、ご先祖様や故人様の御霊を慰めるためのお彼岸という慣習があります。あの世とこの世が最も近づくと伝えられている日に、お仏壇を清めてお供えし、お墓参りに出向いて法要を執り行うことによって、御霊のご供養をする期間です。 ここでは、お彼岸に行われる法要の意味や種類、僧侶に対するお布施の相場とお渡しする際のマナー、参列時の服装についてお伝えいたします。
夏本番を迎えてお盆が過ぎると、次にやってくるのは秋のお彼岸です。お彼岸といえばあの世とこの世が最も近づく時期とされており、ご先祖様に対するご供養でお墓参りへ向かう方も多いです。 そのような中で、もしも彼岸会(ひがんえ)へ参列したり、自宅に僧侶を招き読経をお願いしたりする場合、お布施の総額はどのくらいになるのかと悩む方もいらっしゃるでしょう。当記事では、さまざまなお彼岸の迎え方やお布施のマナーを詳しく解説していきます。