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2024-06-07

お盆の迎え火・送り火はいつ行う?意味合いや手順をわかりやすく解説

夏のお盆の時期には、玄関先やお墓で明かりが灯されているのを見かけることがあります。幻想的で美しいイメージの光ですが、あの明かりは「迎え火」「送り火」と呼ばれており、あの世とこの世を行き来する魂の道標となる輝きなのです。

この記事では、迎え火・送り火の意味合いや、行う手順、時期などを詳しくご紹介していきます。

迎え火・送り火とは?

お盆の時期に見かける迎え火・送り火には、その不思議な美しさに心惹かれる方も少なくないでしょう。では、迎え火や送り火にはどのような意味や想いが込められているのでしょうか。

迎え火・送り火の意味合い

迎え火はお盆の最初に行われ、送り火はお盆の最後に行われる鎮魂の儀式です。火を焚くことで、故人様やご先祖様がこの世へ迷わずこられるように、そしてあの世へ無事にお送りできるようにという願いが込められています。つまり、迎え火・送り火とは、お盆にあの世とこの世を行き来する御霊へ示す道標なのです。

迎え火と送り火は、日本で古くから行われている風習です。しかしながら、明確な起源は知られていません。仏教が室町時代から日本へ徐々に浸透するとともに、庶民の方々が迎え火・送り火を始め、江戸時代に定着したものとされているようです。

お盆の迎え火・送り火はいつ行う?

次に、迎え火・送り火を焚く日程、時間などに決まりがあるのかを見ていきましょう。

お盆の迎え火・送り火を行う日付

迎え火は、迎え盆と呼ばれるお盆の初日、つまり8月13日 (新盆の地域では7月13日) の盆入りの日に行います。送り火は、送り盆と呼ばれるお盆の最終日である8月16日 (新盆の地域では7月16日)の盆明けの日に行います。

お盆の迎え火・送り火を行う時間帯

迎え火・送り火を行う時間帯は、地域やご家庭の考えによって異なるものの、一般的な時間帯は以下の通りです。

・迎え火:

「明るいうちに火を灯しても見えにくい」という理由から、薄暗くなる夕方から夜にかけての時間帯に行う場合が多いです。具体的な時間は、17:00~19:00頃が適切だといわれています。ただし、いち早くご先祖様をお迎えしたいと考えるご家庭では、午前中から迎え火を焚く場合もあります。大切なのはご供養の気持ちなので、ご家庭の考えで時間が早くなる分には問題ありません。

・送り火:

ご先祖様がお帰りになる日は、明るいうちは送り火を焚きません。なぜなら、明るい時間帯はまだ故人様やご先祖様の御霊が、自宅でゆっくりされていると考えられているためです。しかし、夜遅い時間での送り火も、防犯の観点から好ましくありませんので、時間帯としては迎え火の時間と同じ17:00~19:00頃が適切であるといえるでしょう。

お盆の迎え火・送り火の手順

迎え火・送り火は昔ながらの慣習に基づき、事前の準備を行ってから始めることで、故人様やご先祖様の御霊を気持ちよく送迎できます。ここからは、迎え火・送り火に必要なものに加え、具体的な方法について触れていきます。

①必要なものを準備する

迎え火と送り火に必要なアイテムは、以下の通りです。

①焙烙(ほうろく)

形は平たく浅い、土器の厚い皿です。もしも自宅にない場合は、浅い灰皿などでも代用できます。

②オガラ

オガラとは麻ガラのことを指し、麻の茎を剥いて乾燥させたものです。オガラは、太古より照明として使用されてきた道具ですが、仏教ではオガラの煙が死者の魂をこの世に降ろす効果があるとも考えられています。

なお、オガラは花屋やスーパーなどでも比較的簡単に購入できます。購入した後は、受け皿(焙烙)の大きさに合わせ、短くカットしておくと良いでしょう。どうしてもオガラが手に入らない場合は、バカラと呼ばれる白樺の木の皮や松明(たいまつ)、または割り箸を短くカットしたものを使用しても問題ありません。

③着火ライター、ろうそく、水を入れたバケツ

次に、火をつけるための着火ライターも用意しておきましょう。ろうそくは着火ライターの火を安定させ、種火を作るために使用します。着火ライターは、ワンタッチで気軽に火をつけられるタイプのものが売られていますので、購入しておくと便利です。防災の観点から、火消し用の水も用意しておきましょう。

④盆提灯

盆飾りに必要不可欠なのが、盆提灯です。ろうそくでオガラに火をつけた後、火を盆提灯に移して御霊が戻ってくる位置を示します。

お盆の時期になると、スーパーの仏花コーナーなどに「送り火・迎え火セット」として、上記でご紹介した道具がまとめて販売されていることがありますので、探してみても良いでしょう。

また、送り火・迎え火を行う場合は、盆飾りの用意も忘れず行いましょう。お迎えした御霊が、腰を落ち着けられる場所を用意することが、ご供養につながるためです。

②玄関などで火をつける

迎え火・送り火では火を使用するため、始める前に周囲にごみや枯れ葉など燃えやすいものがないか確認しましょう。実施場所については自宅の玄関先が基本ですが、地域の事情で行えない場合は、お墓で実施される場合もあります。お墓から火を持ち帰る場合は、中にろうそくを仕込める手持ちの提灯がおすすめです。

手順としては、まず仏壇の火をろうそくへ移します。お墓で行う場合は、提灯に火のついたろうそくを設置し、火が消えないよう現地へ赴きます。その後、細かく切って焙烙に乗せたオガラに火を灯します。オガラの乗せ方に決まりはありませんが、山の形などにして交互に組むと火をつけやすいです。ただし、オガラは量を多く乗せすぎると激しく燃え上がってしまいますので、少量を心掛けましょう。

オガラに火を灯したらご家族で手を合わせ、ろうそくの火は消さずにそのまま盆提灯へ移しましょう。お墓で迎え火を行った場合は、提灯の火をそのまま持ち帰り、盆提灯へ移します。盆提灯がLEDの場合は、同様のタイミングでスイッチを入れて明かりをつければ問題ありません。

送り火の場合は、仏壇のろうそくに火を灯した後に盆提灯へ移し、新たなろうそくで盆提灯から火をもらってオガラへ移します。火がついたところで合掌し、火の始末を終えたらご家族でお墓参りに出向きます。日が落ちたお墓は転倒しやすいので、あまり暗くならないうちに出向くと良いでしょう。

参拝が終わった後は提灯のろうそくの火を消し、その後は振り返らずに自宅まで戻ります。これは、お盆が終わった後に御霊が現世へ留まらないようにするための儀式です。細かな方法はご家庭や地域によって異なりますので、不安がある場合は周囲の方に訪ねてみても良いでしょう。

③水をかけて消火する

オガラは、燃え尽きるまで目を離してはいけません。燃え尽きるのを見届けたら、用意した水にオガラを浸します。完全に火が消えたら、可燃ごみとして処分しましょう。

まとめ

日本における伝統的なお盆は、迎え火で始まり、送り火でその幕を閉じます。迎え火・送り火は、お盆の重要な区切りであり、地域によって方法はさまざまです。

迎え火・送り火がもつ深い意味合いを理解し、伝統的な慣習へ加わることで、お盆をより穏やかな気持ちで過ごせるようになるでしょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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