2024-04-05
俗名とは、生前に使用していた名前、または仏弟子となる前に名乗っていた本名を指します。また、俗名に対して使用されている戒名は、出家後または故人様の死後に付けられる名前です。これは、仏教による考え方に沿った呼ばれ方になります。
つまり戒名は、仏教の儀式などで用いられる名称なのです。そこで当記事では、俗名と戒名の違いや使用用途、そして位牌に記された文字について解説していきます。
俗名とは、仏弟子となる前に俗世間で名乗っていた本名、または生前に使用していた名前のことです。なお、俗名に対する言葉が戒名です。現在、戒名は亡くなった時に付けられる名前だと広く認知されていますが、本来は仏弟子となった証として生きている方に授けられるのが一般的でした。
俗名は「ぞくみょう」、または「ぞくめい」と読みます。俗名は、故人様が生きている時に名乗っていた姓名、つまり本名を指します。なお、俗名という言葉は、戒名に対し仏教上のみで用いられる言葉なので、普段耳にすることは多くありません。
生前に戸籍などの公的書類で使用し、本名として苗字と名前を名乗るのが俗名ですが、戒名は故人様が極楽浄土までの道に迷わないよう、願いを込めて亡くなった方へ授けられるものです。
戒名は、「院号または院殿号」「道号」「戒名」「位号」の四つの号で構成されています。戒名は、その方がどのような人生を歩んできたのかも加味して付けられますので、号に理解を示すことで、故人様の生前の様子が分かるようになるでしょう。
日本では、仏教でのご葬儀が中心となっているため、亡くなった方へ戒名を付けるのが世間一般に浸透しています。しかしながら、戒名は亡くなった方のためだけに用いられるものではありません。現代においても、生きている上で仏門に入っている僧侶は、戒名を授かっているのです。
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続きを読むでは、ご葬儀における俗名については、どのように考えるのが一般的なのでしょうか。戒名との兼ね合いも含めてチェックしてみましょう。
戒名を用いるのは、仏式におけるご葬儀のみに限られます。仏教以外のキリスト教や神道を信仰する方、もしくは無宗教の方は、ご葬儀で俗名を使用することになります。
仏教において戒名を授かることは、死後にお釈迦様の弟子として認められ、極楽浄土へ辿り着くための重要なプロセスであると多くの宗派で信じられています。こうして授けられた戒名は、位牌への記名やご葬儀で用いられることになるのです。
中には、信仰している宗教が仏教であるにも関わらず、俗名が使用されることもあります。例えば、生前の名前に深い愛着がある場合や、生後間もない魂の清らかな子どものご葬儀が行われる場合、戒名を授かる際にお渡しするお布施の負担を軽減するためなど、さまざまな事情があるからです。
ただし、菩提寺にお墓がある場合は、戒名を菩提寺から授からなかったことによって、ご葬儀や納骨を拒否される可能性があります。また、考えの違うご親族から苦言を呈されることもあるかもしれません。このようなトラブルに巻き込まれないよう、戒名の件については、菩提寺や周囲の方にしっかりと相談することが大切です。
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続きを読む故人様を弔うために作成されるお位牌は、仏式の供養になくてはならないものです。お位牌は、主に二種類となっています。急なご葬儀で菩提寺や葬儀社が用意する白木の仮位牌、そして四十九日までにご遺族が用意する本位牌です。
一般的なお位牌には、戒名と俗名の両方が記載されています。しかしながら、戒名がなくとも作成することは可能です。
本位牌を手に入れる方法として、菩提寺が用意してくれる場合と、仏具の専門店で購入する方法、そしてインターネットで購入する方法があります。
菩提寺の場合は、寺院と提携している仏具店が作成します。仏具の専門店では、実際にお位牌のサンプルを手に取って選べるので、イメージ通りのものを購入できるでしょう。インターネットの注文では実物を見られないため、思っていたのとは違う質感や大きさのものが届く可能性は否めません。ただし、近くに仏具店がなかったり、菩提寺がなかったりする場合には便利です。
いずれも、仕上がりまでに2週間前後の期間が掛かることを念頭に置き、早めに手続きを済ませておきましょう。
戒名なしでお位牌を作る場合、記載される内容は以下の通りです。
なお、水晶やクリスタルなどの透明な素材で作られるお位牌には、表面に全てが記載されます。配列は特に決められていませんので、指定のレイアウトを選ぶことが多くなるでしょう。ここでは、俗名で作成するお位牌の一般的な配列をご紹介いたします。
・表面に俗名、俗名の下には「之霊位(のれいい)」と必ず記載します。お名前に「之霊位」と付けることで、戒名と同じ意味を持たせることになります。
・裏面に、没年月日、行年(または享年)を記します。
・表面の中央に、俗名と「之霊位(のれいい)」と記載します。
・俗名の右側に没年を、左側には月日を記します。
・裏面に行年(または享年)を入れます。
・表面の中央に、俗名と「之霊位(のれいい)」と記載します。
・俗名の右側に没年月日を、左側には行年(または享年)を入れます。
ここでは、お位牌の発注から受け取りまでの簡単な流れを記載いたします。
①お位牌をお願いする業者(寺院、仏具店、ネット販売)を選びます。
②好みの本位牌を選び、彫り、もしくは書かれる場合の字体、文字の色、レイアウトを決めます。
③仮位牌に記載されている事柄(戒名もしくは俗名、没年月日、行年)を伝えます。この時に、念のため納期も確認しましょう。
④担当者と打ち合わせが終わったら注文、決済します。
⑤仕上がりを待ちます。直接受け取りになるか郵送になるかは、店舗によってさまざまです。
本位牌が仕上がったら、仮位牌に納められた魂を本位牌へ移す供養を行います。仮位牌に行うのは、お性根抜きとも呼ばれている「閉眼供養」です。そして、本位牌へ行う儀式が「開眼供養」となります。
この供養は、四十九日に僧侶へ依頼して行われることがほとんどです。なお、閉眼供養された仮位牌は、寺院や霊園に依頼してお焚き上げをしてもらいます。
戒名を授か らず、独断で俗名をそのまま使うと判断すれば、菩提寺のお墓へ入れてもらえなかったり、ご親族からお叱りを受けたりするなどのトラブルが起こることもあります。戒名を授かることに重きを置いている方が多くいらっしゃることも加味し、さまざまな決定は慎重に行うようにすると良いでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
位牌は、故人様の魂を宿らせてご供養するために用いられる木札です。人が亡くなると、葬儀社や菩提寺の方で白木の仮位牌が用意され、四十九日法要までにご遺族が本位牌を用意するのが一般的な流れです。しかしながら、中には生前にご自身で位牌を作成したいと考える方もいらっしゃいます。 そこで当記事では、生前位牌とは何か、また生前位牌のメリットや注意点も解説いたします。
故人様が極楽浄土に向けて旅立つときに必要なものの一つとして挙げられるのが「戒名(かいみょう)」です。この戒名の一部に「道号(どうごう)」と呼ばれるものが用いられます。