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2023-12-15

プレニードとはご葬儀の生前契約!メリット・デメリットをわかりやすく解説します

悲しいお別れは、予期しないタイミングで起こることも少なくありません。大切なご家族を失ったご遺族は悲しみに暮れる時間もなく、ご葬儀や埋葬など、さまざまな取り決めをすることになるでしょう。しかしながら、頭が回らないまま大切な契約をこなしていくのは、容易なことではありません。

そこで、近年メジャーになってきているのが、生前に行われる「終活(しゅうかつ)」という取り組みです。終活は人生の終わりに向けて行う活動ですが、この取り組みには、「ご自身にもしものことが起こった際に、ご家族の負担を少しでも軽くしたい」という目的が含まれています。

中でも、最近注目されているのが「生前契約」です。今回の記事では、この生前契約をピックアップし、メリット・デメリットを含めながら分かりやすくご紹介していきます。

ご葬儀の生前契約(プレニード)とは

「生前契約」とは、ご自身のご葬儀の内容を事前に決め、生前に業者との契約を交わしておくシステムのことです。

この試みは「プレニード」とも呼ばれていますが、実は一世紀ほど前にアメリカの葬儀社が発案したシステムであり、現在では欧米諸国で広く認知されている方式です。フューネラル(ご葬儀)サービス誌の1994年5月号には、アメリカで行われている15%のご葬儀で、プレニードが利用されているとの記載がありました。

アメリカのご葬儀には香典の習慣がないため、ご葬儀費用は全てにおいて自己負担となります。したがって、プレニードによる事前の契約や支払いが大きく役立ちます。

ご葬儀は互助会と会員制葬儀社の2種類

ご葬儀を執り行うにあたり、プレニード(生前契約)の契約先として「互助会」と「会員制葬儀社」の2種類から選べます。それぞれのメリットやデメリットを、あらかじめ確認しておきましょう。

互助会のメリット・デメリット

生前にご自身のご葬儀プランを決め、 1,500~5,000円程度の少額な支払いを積み立てていく「互助会」という制度があります。契約者の中には、一括で満額の支払いを済ませる方もいるようです。

互助会のメリットといえば、契約することでさまざまな特典が得られることです。会社ごとに違いはあるものの、主にご葬儀費用の30~50%の割引やオプションの 様々な追加サービス、 ご葬儀のアフターフォローも充実しています。

また、月々の積み立てで得られる額を使い、ご葬儀費用の足しにできることもメリットの一つです。積立金はご葬儀費用の満額に達していない契約が多いものの、数十万という積立金はかなりの負担軽減に繋がります。なお、完納後は利用するまでその権利が失われることがない点も安心です。

さらに次のメリットは、積立金をご家族全員が使える点にあります。積立金は、互助会内の冠婚葬祭以外では使用できませんが、その範囲は全国の提携店です。結婚式の費用や七五三の衣装代などの用途でも使用できるため、便利に活用できるでしょう。

一方、互助会の契約で選べるご葬儀プランは、互助会に入る条件として提示された「限定プラン」しか契約できないことがデメリットとして挙げられます。また、互助会費を満額払い込んだとしても、その金額でご葬儀代をまかなえないケースが多いので、確認しておくと良いでしょう。なお、途中解約する場合は払込金額の10~15%の手数料がかかります。

会員制葬儀社のメリット・デメリット

一方で、地域の葬儀社が独自に行っている「会員制度」もあります。最初に10,000円前後の入会金を払えば、その後は会員費を永年無料にしているところがほとんどです。

会員は、10~30%のご葬儀費用の割引や仏具などの割引特典、提携店の優待割引を受けられるのがメリットです。

会員には互助会のような積立金のシステムはありませんが、いざという時にご葬儀の相談ができるので慌てる心配がなくなりますし、生前契約の打ち合わせなどもスムーズに進められます。

ただし、入会金の返金はなく積立金制度もありません。したがって、ご自身で葬儀費用を貯蓄しておき、後払いする必要が出てきます。また、特典の割引は、提携店のみでしか適用されません。

基本的にはご葬儀費用の割引率が高く、ある程度積み立てられる制度もある互助会がおすすめですが、中には地域密着型の葬儀社の方が都合の良いケースもあります。特典が受けられる面ではどちらもおすすめですが、どこの互助会・業者を選ぶかは、慎重に考えた上で判断すると良いでしょう。

生前契約を行うメリット

では、生前契約を行うことで得られるメリットとは、どのようなものになるのでしょうか。

自身が納得できるご葬儀にできる

ご葬儀のスタイルは、どのような範囲で参列者をお呼びするのか、どのくらいの規模で行いたいかなど、人によってその希望はさまざまです。しかしながら、ご葬儀全てを急に決めなければならない事態になれば、精神的にも金銭的にも大きな負担がかかることになります。

一方、生前契約により事前にプランや金額を話し合い決定できる機会があれば、いざという時のご家族の役割を削減できるため、それが大きなメリットに繋がることは間違いありません。

ご家族の金銭的な負担を減らせる

生前契約では、周りと話をしながら落ち着いてプランを決めていけますので、早々にご葬儀費用の目安が立てられます。また、ある程度の支払いを済ませたり、貯金をしたりすることもでき、ご家族の金銭的な負担を軽減できるのも大きなメリットです。

ご家族の手間を軽減できる

ご家族が亡くなった事実に直面すれば、多くの方は憔悴しきってしまいます。そのような中でさまざまなことを取り決めるのは、辛い手間となるかもしれません。しかしながら、事前にご葬儀の段取りが組まれて流れが決まっていれば、ご家族で決めなければいけない項目を少なくできます。

単身でもご葬儀ができる

ご本人に身寄りがない場合、事前契約の時点で弁護士や友人・知人に喪主を頼む段取りを組めます。つまり、ご親族がいなくてもご葬儀を行ってもらえるので、死後の心配が減らせるのです。

生前契約を行う際の注意点

ご葬儀の内容を打ち合わせ、ようやく決めた生前契約でも、ある程度のリスクがあることを忘れてはいけません。ここからは、生前契約の注意点を確認していきます。

契約した会社が倒産している可能性もある

万が一ですが、契約した事業者が倒産する可能性も考えなければなりません。リスクを考えれば、支払いは後日の契約にして貯金をする方が安全ではありますが、それでも故人様が生前に決めたプランは無駄になってしまいます。よって、生前契約をする際には、信頼のできる会社を選びましょう。

なお、互助会に積立金があった場合は、その事業者が倒産したとしても、積立金を他の互助会へ移せて安心です。

葬儀が思い通りにならない可能性がある

生前契約では、さまざまなプランを立てて契約に至ります。ただし、実際に亡くなるのは何年も先のことになる可能性が高いです。その間に社会情勢は変化していくため、100%希望通りのご葬儀が叶わないリスクもあることを考えておく必要があります。

ご家族の同意が必要である

日本では、「生前から死後のことを考えるのは縁起が悪い」と考える方が多いのも事実です。大切なご家族からご葬儀の相談をされれば、人によっては戸惑ってしまうこともあります。そのため、生前契約の話を切り出しにくい場合もあるかもしれません。

ただ、いざという時にご家族との話し合いが行われないままだった場合、故人様のご希望がきちんと叶えられない可能性が大きくなってしまいます。ご自身が亡くなった時、その希望が叶うか否かは、ご家族の同意があるかどうかにかかっています。したがって、ご家族との事前の話し合いはきちんと済ませておくことが重要です。

まとめ

核家族化や少子高齢化が進む現代では、ご自身の死後に不安を覚える方も少なくありません。そこで、ご自身が元気なうちに生前契約を視野に入れ、行動を起こす方が増えてきています。

生前契約は、残されたご家族のさまざまな負担を軽減できる一つの手段です。ご自身が亡くなった後のご葬儀や段取りのイメージが固まったら、互助会や業者などへ連絡し、説明を受けてみるのが良いでしょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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