2023-11-04
ご葬儀の知らせは、ある日突然にやってくるものです。しかしながら、故人様との関係性やお住まいの場所など、様々な理由で参列することができない場合、やむを得ず欠席の選択をするケースもあるかもしれません。
そこで本記事では、ご葬儀に行かないという選択は非常識なのかという疑問について、欠席する場合のマナーやご遺族への連絡方法と併せて解説していきます。
体調不良や妊娠中、事故などによる怪我で入院を余儀なくされているなど、外出自体が困難な状況の方もいるため、ご葬儀の欠席が一概に非常識とはいえません。また、故人様との関係性が薄い場合も、無理に出席する必要はないでしょう。
なお、やむを得ない事情でご葬儀を欠席する場合は速やかに喪主へ連絡し、欠席の理解を得ておくなどのフォローが大切です。
では、欠席の理由が結婚式の場合はどうすれば良いのでしょうか。本来ならば、慶事よりも弔事を優先するのが一般的です。お祝いの気持ちは後日にも伝えられますが、故人様とのお別れはご葬儀の日限りになるためです。
しかしながら、ご葬儀で見送るべき故人様と結婚式を挙げる方々とでは、どちらがご自身との関係に近いのかを考えて、出欠を判断することもできます。例えば、故人様があまり付き合いのなかった知人で、結婚式を挙げるご夫婦が親しいご親族であった場合は、結婚式の方を優先しても良いでしょう。
ご葬儀を欠席することになった場合は、ご遺族にお伺いできないお詫びとお悔やみの言葉を綴った弔電を打ち、後日には香典を送りましょう。
ご葬儀の出席範囲に、明確な公的ルールはありません。基本的には、喪主をはじめとしたご親族が、どの方を呼ぶのか決定しますが、一般的な目安はあります。一般葬における招待者の目安は、直系と3親等以内のご親族、故人様と親しくしていた友人知人、職場関係の方々です。
また、家族葬の場合は、ご家族のみの参列が基本です。故人様の配偶者と子ども、子どものご家族、兄弟・姉妹までが一般的な目安になります。ただし、ご家族以外でもごく親しい間柄だった方を招き、参列してもらうことも可能です。
ご葬儀に出席しない事情は、先に述べたもの以外にも、様々な理由があります。しかしながら、ご葬儀を欠席したことから生じるデメリットも理解しておくことが大切です。
ご親族のご葬儀を欠席した場合、故人様との血縁関係が深ければ深いほど、他のご親族から非常識と思われてしまう可能性があります。また、ご自身のご家族も同等とみなされることもあり、法事や結婚式でご親戚と顔を合わせるたびに、肩身の狭い思いをするかもしれません。
お通夜やご葬儀は、故人様との最後を過ごせる唯一の機会です。したがって、ご葬儀を欠席すれば故人様との最後のお別れが叶わなくなります。後日に「故人様をお見送りできなかった」という後悔が出ても、時間が戻ることはありません。
ご葬儀の場に出向いて故人様の死を悼み、きちんとお別れをすれば、心の区切りを付けやすくなります。できる限り日程の調整をして、お通夜かご葬儀に参列することを視野に入れた方が良いでしょう。
ご自身が、故人様の遺産を受け取る権利を要する法定相続人だった場合、多くのケースでは遺産相続に関する話し合いの場 へ出席することになります。そうなると、例え話し合いが苦手だったとしても、ご親族とのコミュニケーションは避けられません。協議の場においては、ご葬儀に出なかった件でのお咎めを受ける可能性も否めません。
ご葬儀に出席できない場合、香典や供物を手配することで、お悔やみの気持ちを伝える方法があります。ご葬儀に出なければ、時間の節約になるかもしれません。しかしながら、結局は後日のフォローで時間と費用を費やすことになる場合が多いです。
ご葬儀に行かない選択をした場合であっても、守るべきマナーが存在します。ご遺族との関係性を悪化させないためにも、ご遺族の気持ちに寄り添いながら、気持ちをしっかりと伝えるようにしましょう。
まずご葬儀の欠席を決めた場合、できるだけ早いタイミングで喪主の方へ連絡しましょう。連絡の方法としては、直接話せる電話が最も好ましいです。電話は、誤解が生じにくく誠意も伝わります。ただし、喪主は忙しい場合が多いため、電話での対応が難しいかもしれません。電話がつながらないようであれば、メールを送ってみましょう。
故人様やご遺族と親しい間柄であれば、欠席の事情を正直に伝えます。故人様との関係性が薄い場合は「やむを得ない事情につき」など、欠席の理由を婉曲的に伝えることも可能です。
ご葬儀に出席できない場合、後々の問題を回避するためにも、ご遺族への配慮はきちんと行うことが大切です。
まずはご葬儀に間に合うよう、弔電(ちょうでん)を手配しましょう。弔電とは、ご葬儀へ行けない方が打つ電報のことです。電話やインターネットから申し込めますが、ご葬儀の前日には届けられるように設定する必要があります。
また、故人様と関係の深い方は、お通夜やご葬儀に間に合うよう、供花(きょうか)も送りましょう。供花は故人様に捧げる花であり、祭壇を華やかに見せたり、ご遺族の心を慰めたりする役割を担います。ただし、供花を受け付けていない会場もあるため、事前の確認が必要です。
次に香典ですが、送るタイミングは弔電や供花の数日後になります。ご葬儀が終了してから1週間以内の間に不祝儀袋へお金を納め、郵便局から現金書留で送りましょう。窓口で香典を送る旨を伝えれば、不祝儀袋が入る大きさの現金書留専用封筒を用意してもらえます。ご葬儀に伺えなかったお詫びと弔意を手紙にしたため、一緒に封入すると良いでしょう。
ご遺族から弔問の許可が出たら、後日に故人様の家を訪れて、お悔やみを伝えましょう。なお香典は、弔問のタイミングにお渡ししても構いません。弔問では、スーツやワンピースなどの落ち着いた平服で伺うのがマナーです。喪服やカジュアルな服装は避けましょう。
近年では、リモートで参列できるシステムがあります。リモートであれば、体調を崩した方や入院中の方、遠方に住んでいる方でも参列できます。
「スマートセレモニーplus+」であれば、URLにアクセスするだけで、どの場所にいても参列が可能です。なお、リモートシステムは無料でご利用いただけますので、ご遺族の方の負担にもなりません。いざという時にお役立てください。
ご葬儀に出席しないこと自体が、世間的な非常識に当たることはありません。ただし、ご遺族へ与える印象や今後のお付き合いを考えた場合、ご葬儀に行かなかった後の対応が重要になってきます。
また、ご葬儀の欠席は、故人様との最後の別れの機会を失うことにもつながります。出欠の選択は、将来にわたって後悔のないよう、慎重に考えるようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
仏事に参列する際は、香典をお渡しするのが通例です。香典とは、故人様にお供えするお香や供花の代わりとして、参列者が持参する金銭のことです。香典には、格式の高いご葬儀、そしてその他の法事で古くから言い伝えられているマナーや渡し方など、さまざまな決まりがあります。 そこで当記事では、香典の意味や使用すべき袋の選び方、金額相場をご説明していきます。
家族やお身内など大切な方を亡くされた喪主やご遺族に、ご葬儀の最中、会葬者から「この度はご愁傷様です」とお悔やみ言葉をかけてもらう場面が多くあります。弔事の場で述べられる基本的なお悔やみの言葉として、最も頻繁に使われている「ご愁傷様」という言葉には、どのような意味を持ち、また適切な返答などはあるのでしょうか。 そこで今回は、ご愁傷様の意味と適切な返答についてご紹介します。
香典は、ご葬儀の場において故人様の御霊前へお供え物をする代わりに、ご遺族へお渡しする金銭です。「5,000円程度が香典の相場なのではないか」という意見も散見されますが、故人様との関係や地域によって金額のマナーは変わるため、注意が必要です。 そこで今回の記事では、香典の一般的な相場や香典袋の選び方、書き方、香典のマナーについて詳しくご紹介していきます。