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2023-09-29

逆さごととは|意味やご葬儀での逆さごとの儀式を解説します

人間の死は本来なら自然の理ですが、現代社会において死は非日常と考えることが主流になっています。そこで、生と真逆の世界である死と向き合い、生との区別をはっきりさせるために行われるのが「逆さごと」といわれる行いです。

では、具体的な逆さごととはいったいどのような内容で、どういった意味があるのでしょうか。当記事では逆さごとの意味合いに加え、ご葬儀での逆さごとの儀式についてもご紹介いたします。

逆さごと(さかさごと)とは

逆さごとは、主にご葬儀で儀式を行う際、日常で行われることと逆の方法を用いる行いを指します。逆さごとは、古くから日本に根付いている習慣ですが、その発祥は宗教からではありません。逆さごとは、死を非日常のものとして嫌い、生としっかり区別して考えたいという考えから起こった習わしであり、仏教や神道のご葬儀にも取り入れられています。

神道での逆さごと

神道での死は、穢れを意味します。そこで、神式のご葬儀でも逆さごとが用いられています。北に向けて寝かせる北枕も取り入れられているようです。

浄土真宗での逆さごと

浄土真宗では、「故人様はすぐに成仏する」という教えのため、死者が成仏しやすいように、あの世で迷わないようにと気遣う意味での逆さごとは行いません。

また、生と死を切り離すために行うという概念や風習もありません。死は出来事ではあるものの、生から切り離すことはできないため、死を嫌うあまり逆さごとを行う必要もないと考えられています。

地域や宗派によって、逆さごとへの考えもそれぞれ異なります。どうするのが一番良いのか分からない時には、菩提寺やご親族などに確認してみるのが良いでしょう。

逆さごとの意味合い

逆さごとは、生と死の区別をつけるため、主にご葬儀の際に用いられる行いを指します。故人様の住むあの世と、生きている者が住むこの世では、鏡で隔て分けられたように真逆の世界だとも信じられています。死者があの世で苦労をしないように、全てを逆にして支度を整えてあげるという気遣いも、逆さごとが行われる理由の一つです。

ご葬儀での逆さごとの儀式

では、ご葬儀で行われる逆さごととは、具体的にどのような行いを指すのでしょうか。逆さごとの内容ごとに解説していきますので、ご参照ください。

死装束

故人様の白い着物は死装束(しにしょうぞく)と呼ばれています。死装束の襟は左側を前にして着せ、腰のひもは縦になるように結ぶのが一般的です。その昔、高貴な方の着物は左前だったことから、亡くなって神仏へ近付いた方の着物も、左前に整えるようになったことが始まりとの説があります。

逆さ屏風

棺に入った故人様の枕元に、屏風を逆さまにして立てる行いを「逆さ屏風(さかさびょうぶ)」と呼びます。これは、故人様に取り憑こうとする悪霊を追い払うための、魔除けの儀式です。

北枕

仏式のご葬儀で故人様を安置する際は、頭を北に向けます。これはその昔、お釈迦様がお亡くなりになった際、頭を北の方角へ向け、お顔は西向き、右脇は下にして横になっていたことが起源になっているようです。故人様をお釈迦様の入滅時に合わせ、北枕にすることで「お釈迦様の元へ無事辿り着きますように」という願いが込められています。

逆さ水

通常、お湯の温度を調節する際は、お湯に水を入れることが一般的です。しかしながら、故人様の体を清める湯灌(ゆかん)の際は、水にお湯を注ぐという方法でぬるま湯を作成します。

ご葬儀の時間

ご葬儀やお通夜が夜に行われるのにも、理由があります。それは、あの世とこの世で昼夜が逆転していると考えられているためです。故人様が迷わないよう「あの世が明るいと思われる時間帯に送り出してあげたい」という気遣いの表れが、夜に儀式を執り行う由来とも言われています。

まとめ

逆さごとと聞けば、人の死に関わる縁起の悪いイメージを持つ方が多いです。しかしながら、逆さごと自体が縁起の悪い行いという訳ではなく、故人様の成仏を手助けするための手段から始まった風習に過ぎません。

故人様のご葬儀に関しては、地域や宗派によってさまざまな考えの違いもありますので、いざというときには周囲の方としっかり話し合い、方針を決めていくことが大切です。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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