2023-05-19
身内に不幸があった場合、ご葬儀や告別式の関係で、会社や学校を急遽休む必要がでてきます。その際には、会社・取引先・大学に忌引きの申請をしなければなりません。身内が亡くなられて、悲しみと慌ただしさの中でも、丁寧かつ簡潔に要件を伝える必要があります。
本記事では、忌引きメールを送らなければならない方に向けて、必ず記載すべき内容や送る際の注意点を解説します。実用的な例文も掲載していますので、急いでメールを送る必要のある方はぜひ参考にしてください。
忌引きメールを送る際、件名には、必ず忌引きについての内容である旨を記載しましょう。なぜなら、「忌引き」の単語が入っていなければ「緊急性のある内容ではない」と判断され、確認を後回しにされる危険性があるからです。
また、本文には、以下の内容を必ず記載しましょう。
・休む期間
・故人様との関係
・亡くなった日時
・ご葬儀の詳細(ご葬儀の形式など)
・休んでいる間の連絡先
忌引きメールには、「敬具」「拝啓」「時候の挨拶」を記載する必要はありません。絵文字・顔文字なども基本的には使用しないのがマナーとなりますので、覚えておきましょう。
ここからは、実際に忌引きメールを送る相手との関係性ごとに例文を挙げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
【件名】〇〇(自分の名前)です。○月○日より忌引き申請をします
【本文】
〇〇課〇〇課長
お疲れ様です。〇〇(自分の名前)です。
早い時間に申し訳ありません。
〇月〇日に父が逝去いたしました。
急で大変申し訳ないのですが、葬儀のため〇月〇日〜〇月〇日まで忌引き申請をさせていただきたく存じます。
葬儀及び告別式につきましては、決まり次第改めてご連絡いたします。
なにかございましたら、下記の番号へ連絡していただけると助かります。
〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
何卒よろしくお願いいたします。
会社の上司に連絡する際には、電話で伝えるのが理想です。ただし、早朝や深夜など、電話をかけると迷惑にあたる時間帯であればメールで先んじて伝える方がよいでしょう。常識がある時間帯になったら、メールを送付済みでも、再度電話で伝えるのがマナーです。
【件名】忌引き休暇と業務引き継ぎについて
【本文】
お疲れ様です。
〇〇課の〇〇(自分の名前)です。
急で大変申し訳ないのですが、〇月〇日に父が他界しました。
つきましては、〇月〇日まで忌引き休暇をいただきます。
私が請け負っている業務ですが、◼︎◼︎を◼︎◼︎さんに、▲▲を▲▲さんにお願いできればと思っています。
詳細については、課長から指示を仰いでください。
確認事項などありましたら、以下の番号に連絡いただけると助かります。
○○○-○○○○-○○○○
急なことで大変申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。
同僚や部下の場合は、業務の引き継ぎなども必要です。長文になりすぎないよう、簡潔に要件を伝えるようにしましょう。
【件名】〇〇学部〇〇学科 学籍番号〇〇 (自分の名前) 忌引きによる講義欠席申請
【本文】
いつもお世話になっております。
お休みのところ申し訳ありません。
〇〇学部〇〇学科 学籍番号〇〇 〇〇(自分の名前)です。
〇月〇日に祖母が逝去しました。そのため、葬儀の関係で〇月〇日の〇限目〇〇の講義を欠席させていただきたく、連絡いたしました。
メールで大変申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
大学の場合は講義であれば事務局、ゼミであれば教授に連絡します。その際、学籍番号・学部・学科名は忘れずに記載しましょう。
【件名】〇月〇日より忌引き休暇をいただいております。〇〇株式会社〇〇(自分の名前)
【本文】
▲▲株式会社▲▲様
いつもお世話になっております。
〇〇株式会社の〇〇(自分の名前)です。
休暇の件でご連絡致しました。
〇月〇日に母が逝去したため、〇月〇日まで忌引きをいただいております。
つきましては。私が不在の間は、弊社〇〇課の〇〇(職員の氏名)までご連絡ください。
ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
〇〇株式会社
〇〇(自分の名前)
取引先へメールする場合は、ご葬儀の詳細まで伝える必要はありません。しかし、「どのような関係の方が亡くなったのか」「休暇の期間」は必ず伝えておきましょう。
忌引き休暇の間に連絡する用事がなければ、取り急ぎメールをしなくても構いません。忌引き休暇の関係で予定していたミーティングなどが変更になる場合は、お詫びの旨もしっかりと伝えましょう。
忌引きメールを送る際には、以下の点に注意が必要です。
・まずは電話など口頭で連絡する
・就業規則を確認する
・忌引き明けにはお礼をする
それぞれの内容について詳しく解説します。
基本的には、どのような相手であっても電話で連絡するのがマナーです。電話ができない状況や、電話をするのには非常識な時間帯である場合はメールでも問題ありません。メールで連絡した後で、落ち着いた頃に再度電話で詳細を伝えるようにしましょう。
忌引き休暇は、近しい親族が亡くなった際に利用できる休暇です。一般的には、濃い血縁関係であるほど忌引き休暇の日数も増えていきます。配偶者で10日程度、兄弟・姉妹は3日前後、祖父母の場合は1日〜3日が目安です。
しかし、忌引き休暇は労働基準法で定められている休暇ではありません。そのため、会社によって取得できる日数や決まり事が異なります。忌引き休暇を取得する場合は、事前に就業規則を確認しておきましょう。
忌引き休暇が明けた後は、仕事を変わってくれた上司・同僚・後輩などにしっかりとお礼の挨拶をしておきましょう。菓子折りなどを用意しておくと、より感謝が伝わります。
送った忌引きメールに対してお悔やみメールが届いた場合は、件名を変えずに返信しましょう。返信の文面は、忌み言葉を使用しないよう注意が必要です。
忌み言葉とは、不幸を連想させる言葉です。「たびたび」「またまた」などは、不幸が続くといった意味を連想させるため、弔事の場ではタブーとされています。「相次いで」「重ねて」といった言葉も、不幸が重なる事象を連想させるため、使用は控えましょう。
そのほか、「4・9」などの「死・苦」を連想させる単語も忌み言葉とされています。また、死因の詳細を聞くのもあまりよろしくありません。
【件名】Re:心よりお悔やみ申し上げます
【本文】
〇〇課長
丁寧なお悔やみをありがとうございます。
故人に代わりまして厚く御礼申し上げます。
本来なら直接御礼を申し上げるべきところ、メールでの失礼をどうぞお許しください。
お忙しいと思いますので返信はご無用でございます。
忌引きメールに対してお悔やみメールが届いた場合は、件名をそのままにして返信するのが一般的です。また、「返信は不要です」と入れておく気遣いも忘れないようにしましょう。
【件名】Re:お悔やみ申し上げます
【本文】
お悔やみの言葉を送っていただきありがとうございます。
おかげさまで無事に葬儀を終えることができました。
業務をフォローしてくれて本当に感謝しています。
職場の皆様にもどうぞよろしくお伝えください。
お忙しいと思うので返信は不要です。
忌引きメールは返信がきたら、なるべく早く返すのがマナーです。しかし、ご葬儀や告別式の前後は忙しく動かなければならないため、多少の遅れは問題ありません。
【件名】Re:【株式会社〇〇より】お悔やみ申し上げます。
【本文】
お忙しい中、ご丁寧なお悔やみをありがとうございます。
故人に代わりまして厚くお礼申し上げます。
おかげさまで無事に葬儀と告別式を済ませることができました。
〇〇様には、ミーティングの変更など、大変ご迷惑をおかけいたしました。
職場への復帰は〇月〇日となっています。
今後ともよろしくお願いいたします。
忌引きメールへの返信は、必ず連絡しましょう。ただし、文面に「返信は不要です」と書いてあった場合は、取引先であっても返信しなくてよいです。
忌引きメールを送る際は、「休む期間」「故人様との関係」「亡くなった日時」「ご葬儀の詳細」「休んでいる間の連絡先」を簡潔に伝えます。しかし、電話で連絡できる時間帯や余裕がある場合は、電話で連絡するのがマナーです。
大切なご家族を亡くされてすぐのタイミングは、悲しい気持ちで連絡にまで気が回らないかもしれません。そのようなときであっても、休暇にともなって協力を仰ぐ必要のある関係各所には連絡しておく必要があります。最低限のマナーを守りつつ、迅速に訃報を連絡しましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
故人様の死を偲びながら静かに過ごす一年間を喪中といいますが、喪中では慶事に参列したり、大がかりな旅行をしたりなどの行動を慎むことが、古くからの慣習となっています。本記事では、一年で最もめでたい時期と考えられているお正月に焦点を当て、喪中のご家庭でどのように過ごしていくべきかを解説していきます。
ご家族に不幸があった場合、玄関に「忌中」と書かれた札が掲げられます。この札は忌中札(きちゅうふだ)といって、日本の伝統的な様式です。目立つ位置に貼ることで近所の方々へ不幸を知らせるため、そして死の穢れを周りへ移さないようにするためという心遣いでもありました。 現代でも、各地域に忌中札の風習は残っています。そこで当記事では、この忌中札の意味や書き方、掲げる時期、掲げ方などを解説いたします。
ご家族の方や2親等以内の方が亡くなった場合、命日から一年間は喪に服すのが通例です。日本における喪中期間では、故人様の死を悼み、静かに過ごすことが一般的であるため、日常生活においてある程度の制約が求められます。 そこで当記事では、喪中と厄年が重なった場合の対処法、初穂料の相場などをご紹介いたします。