2023-01-13
納骨式とは、遺骨をお墓に納めるために行われる儀式です。仏教では、納骨をもってご葬儀の一区切りとされていますが、「具体的に何を用意したら良いのか」「費用はいくらかかるのか」など、不安に感じている方もいらっしゃるでしょう。
今回は、納骨式を行うべきタイミングや準備の内容、お布施など必要な費用について解説していきます。大切な納骨式を滞りなく執り行うためにも、本記事の内容を参考にしてみてください。
納骨式とは、故人様の遺骨をお墓に納めるための儀式です。古くは、「遺骨をお墓に納めてご葬儀の仕上げ」と考えられていたほど大切な意味を持ちます。また、お骨は先祖代々のお墓に納めるものとされてきましたが、現代は合同の納骨堂への納骨も可能で、選択肢の数が多くなってきています。
納骨式を行うのに決まったタイミングはありません。納骨の準備が整っているのであれば、いつのタイミングでも良いとされています。とはいえ、一般的には区切りの良い以下の節目で行われることが多いです。
・四十九日法要
・百箇日
・お盆(新盆)
・一周忌
上記のタイミング以外にも、火葬後すぐに納骨する方もいらっしゃいます。
納骨式を行うまでの手順は以下のとおりです。
①寺院に連絡して日程などを決める
②石材店に連絡する
③埋葬許可証を用意する
④参列者へ連絡する
⑤会食やお供え物を用意する
手順を事前に把握しておくと、納骨式をスムーズに進められます。それぞれの手順について、詳しく見ていきましょう。
まず寺院に連絡して、納骨式の日程を決めます。もしお盆に希望する場合は、寺院の繁忙期であるため早めに連絡を行いましょう。また、霊園にお墓を立てている方は霊園との日程調整も必要です。
納骨をするには墓石に故人様の名前を刻まなければなりません。納骨式の前までには済ませておく必要があるため、石材店にも連絡を行いましょう。
名前の彫刻は繊細な作業であり、時間がかかることも多いので、余裕を持って連絡しておくのがおすすめです。また、併せて納骨式の際に行う納骨室の開閉もお願いしておきましょう。
「埋葬許可証」とは、納骨する際に寺院または霊園に提出する書類のことで、これがなければ納骨は行えません。書類は新たに入手するものではなく、ご遺体を火葬した際に火葬場から返却された「火葬許可証」がその役割を果たします。一般的には骨壷と一緒に入っているので、納骨までそのまま入れておくか、別の場所で大切に保管しておくのがおすすめです。
納骨式の日程が決まったら、参列してほしい方々へ連絡をします。声をかける範囲に決まりはありませんが、親族・友人・ご近所の中でも、ごく親しい方のみとする場合が多いです。日程の連絡を行う際は、返信の期間を定め、返信用のはがきを添えて送りましょう。
参列者の人数が決定したら、会食の用意を行います。自宅で催す場合、仕出し弁当やオードブルを注文し、別会場で行う場合は料理の予約をしておきましょう。また、お墓に持っていくお供え物の準備も必要なので、果物・お花・ろうそく・線香などをそろえておきましょう。
納骨式の当日は、朝から忙しく動かなければなりません。事前に流れを把握しておくと、当日は慌てず動けるでしょう。また以下にリストアップしているものは、前日までに用意しておくのをおすすめします。
・埋葬許可証
・墓地使用許可証
・お布施
「墓地使用許可証」は、火葬許可証(のちの埋葬許可証)をもらう際、一緒に役所から発行されるものなので、埋葬まで大切に保管しておきましょう。また、納骨式の当日は以下の流れで進んでいきます。
①施主が挨拶をする
②納骨を執り行う
③読経と焼香を行う
④会食を行う
一般的な流れについて、詳しく見ていきましょう。
開式前に施主の挨拶が行われます。自分が施主の場合、挨拶には以下の内容を盛り込み、なるべく簡潔に締めるとスマートです。
・参列者へのお礼
・僧侶へのお礼
・生前の親交に対するお礼
・会食の案内
挨拶が終わったら納骨の作業に移ります。納骨室の入口を開け、新しい骨壷が納骨室の手前に位置するように納めましょう。一般的には骨壷ごと納めるものですが、地域によっては遺骨を取り出して納める場合もあります。
次に、僧侶による読経が行われます。また、途中で焼香を行いますが、基本的に施主→親族→友人の順で回していくことを押さえておきましょう。
納骨式の後は、参列していただいた方々へ感謝の意を表すための食事会を行います。開催の前後には施主からの挨拶が必要なので、自分が施主なら参列者・僧侶へのお礼、生前の感謝などを簡潔に述べましょう。また席順にもマナーがあり、上座から僧侶→施主→参列者と続き、末席に親族が座るのが基本です。
納骨式にかかる費用の総額は、墓地の有無によって大きく変わります。先祖代々の墓地がある場合は、60,000~150,000円ほどです。新たにお墓を建てる場合は、さらに2,000,000円ほど追加されると見ておきましょう。
必要な費用の内訳と相場は以下のとおりです。
内訳 | 相場 |
---|---|
お布施 | 20,000~50,000円 |
お供え物・供花 | 5,000~10,000円 |
会食の費用 | 3,000~10,000円(一人あたりの額) |
塔婆料 | 2,000~5,000円 |
墓石への彫刻料 | 30,000~50,000円 |
納骨にかかる費用 | 10,000~30,000円 |
お墓の建立費用 | 2,000,000円前後 |
内訳の中でも、お布施は地域や宗派によって相場の幅が広いため、事前に寺院や親族に確認しておくのがおすすめです。
納骨式はお墓に遺骨を納めるための大切な儀式です。納骨式を執り行う時期に決まりはないため、ご家族で相談して決めると良いでしょう。
なお、納骨式は必須の儀式ではありません。お骨を手元に残しておいても特に問題はなく、また故人様の希望であれば散骨といった方法もあります。さまざまな選択肢から最適なものを選び、悔いのない供養を行うことが大切です。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
仏事に参列する際は、香典をお渡しするのが通例です。香典とは、故人様にお供えするお香や供花の代わりとして、参列者が持参する金銭のことです。香典には、格式の高いご葬儀、そしてその他の法事で古くから言い伝えられているマナーや渡し方など、さまざまな決まりがあります。 そこで当記事では、香典の意味や使用すべき袋の選び方、金額相場をご説明していきます。
家族やお身内など大切な方を亡くされた喪主やご遺族に、ご葬儀の最中、会葬者から「この度はご愁傷様です」とお悔やみ言葉をかけてもらう場面が多くあります。弔事の場で述べられる基本的なお悔やみの言葉として、最も頻繁に使われている「ご愁傷様」という言葉には、どのような意味を持ち、また適切な返答などはあるのでしょうか。 そこで今回は、ご愁傷様の意味と適切な返答についてご紹介します。
香典は、ご葬儀の場において故人様の御霊前へお供え物をする代わりに、ご遺族へお渡しする金銭です。「5,000円程度が香典の相場なのではないか」という意見も散見されますが、故人様との関係や地域によって金額のマナーは変わるため、注意が必要です。 そこで今回の記事では、香典の一般的な相場や香典袋の選び方、書き方、香典のマナーについて詳しくご紹介していきます。