2022-12-23
ご家族が逝去された際に必要となるのが「遺品整理」です。遺品整理はなかなかの重労働なうえ、「何を残しておくか」「捨てても良いのか」を判断するのに時間がかかるのもネックとなります。そのため、できればご両親が健在なうちにある程度片付けておくのがおすすめです。
今回は、実家の片付けをスムーズに進めるためのコツや、片付けのポイントについて解説していきます。本当に大切なものを残しておけるよう、時間のあるときに片付けを済ませておきましょう。
実家の片付けを進めておくべき理由として、主に「生前整理ができる」「逝去後の遺品整理がスムーズに行える」の2つが挙げられます。
生前整理とは、自分の死後を想定して、財産や身の回りのものを整理する行動です。生前整理をしておくことで、逝去後に処分するものを決めておけるほか、財産分与の際にも役立ちます。
また、実家の片付けは防災や減災にもつながります。物が多い部屋だと転倒の危険がありますし、災害が発生した際に避難経路がふさがれてしまう可能性も大きいです。
さらに、在宅介護が必要になったとき、家が片付いていないばかりに福祉用具が搬入できないといったケースも実際にあります。認知症が進行してしまったら判別は難しいですし、施設に入ると実家は「空き家予備軍」となってしまいます。
上記のようなリスクを避けるためにも、実家の片付けは両親が健在でいるうちに進めておくのがおすすめです。
いざ実家の片付けを行おうとすると、「思い入れがあるから」「まだ使えるから」となかなか進まないケースがほとんどです。このとき、両親の意見すべてを受け入れてしまっていては片付けられません。片付けをスムーズに行うコツは、以下の3つです。
①まずは一箇所から無理せずに始める
②親自身が納得して片付けを始めるようにする
③捨てる判断は親自身が行う
それぞれの詳細を見ていきましょう。
片付けを行う際は、すべての部屋を同時に進めるのではなく、一箇所ずつ終わらせていくようにしましょう。また、比較的物が少なく、面積の狭いところの方がスムーズに進められます。
たとえば、玄関や洗面所などが挙げられます。反対に、リビングのように物がたくさん置いてある場所はなかなか進めづらいです。
両親が片付けに納得していない場合は、「防災・減災・避難経路を確保するため」といった理由を併せて伝えましょう。一方、「高齢だし転ぶと危ないから」など、両親の年齢に触れるような理由を伝えてしまうと反感を持たれる可能性があります。
もし「もったいない」のような理由での反発であれば、リサイクルや寄付を持ちかけるのも効果的です。もったいなくて捨てられない方のほとんどは、「まだ使えるから」と考えています。そのため、「本当に必要としている方に寄付しよう」と持ちかけてみると、比較的簡単に納得してくれることが多いです。
いくら両親とはいえ、本人たちの意思を無視して片付けをするのはマナー違反なので、必ず納得してもらったうえで片付けを行いましょう。
物を捨てるか取っておくかの判断を、親本人にしてもらうのも大切です。とはいえ、親は基本的に実家にあるものはすべて「価値のあるもの」「いつか使うもの」と考えています。そのため、捨てるか残すかの判断に長い時間を要する場合が多いです。
そのようなときは、3~5秒ほどの判断時間を設けて、「残す」「捨てる」「一時保管」の3つに分類する方法を試してみてください。一時保存であれば、捨てるわけではないので親もすんなりと納得してくれます。一時保管したものは、段ボールなどで目の入りにくい場所へまとめておきましょう。
実家の片付けは想像以上に大変な作業で、1日で終わらないことも珍しくありません。そのため、実家の片付けは手順を組んで挑むのがおすすめです。ここからは、おすすめの片付け手順について詳しく解説していきます。
実家の片付けを行う際は、あらかじめ兄弟や姉妹、親族の方に伝えておきましょう。報告をしないで片付けを進めてしまうと、後々もめてしまう可能性があります。具体的には「兄弟・姉妹の所有物を勝手に捨てた」「思いもよらない財産が見つかり、勝手に形見分けをしたことを後から言及された」などです。
このような事態が発生すると、大事な人間関係にヒビが入るおそれがあります。余計なトラブルを避けるためにも、事前の報告はきちんとしておきましょう。
片付け当日に来られない兄弟・姉妹に、あらかじめ捨ててほしくないものを確認しておくことも重要です。片付けをしている当人が必要ないものと思っていても、当人にとっては大切なものかもしれないからです。
片付けを開始する際には、思い入れの少ないものから順番に片付けていくのがコツです。たとえば、大量にストックしてあるペンや使っていない調理器具などが挙げられます。
また、玄関などの目に入りやすい場所から片付けを進めていくのもおすすめです。頻繁に見るところがきれいになると、片付けのモチベーションアップにつながります。
子どもが作った工作品・もらった手紙・賞状など、判断に迷うものは保留ボックスを作って保管しておくのがおすすめです。また、一つひとつ見返していたらキリがないので、手際良くボックスに入れていくようにしましょう。
ある程度片付いたら、残すものを整理していきます。せっかく捨てるものを分別できたのに、残しておいたものが散らかっていては意味がありません。
また、物を整理する際に貴重品などがあった場合は、閉まっておく場所をメモに残しておきましょう。保管場所が分かれば、緊急時に「どこにしまってあったかな?」と慌てずに済みます。
実家の片付けは、防災・減災につながるほか、遺品整理の際に役立ちます。ただし、両親や兄弟・姉妹などに確認を取り、納得してもらったうえで行う必要があります。
また、片付けが大変な場合は、整理収納アドバイザーや不用品回収業者に依頼するのも有効です。逝去後の遺品整理や相続をスムーズに行うためにも、実家の片付けは両親が健在なうちに済ませておくようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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