2022-11-18
直葬では、通夜や告別式を執り行わないため、一般葬よりも労力や時間を必要としません。そのため最近は直葬を選ぶ方が増えてきていますが、周囲から理解を得にくいなどのデメリットも多いので、実際に執り行う際は基本の知識を押さえておく必要があります。
今回は直葬のメリット・デメリット、参列するうえでのマナーをご紹介します。また、直葬が増えた時代背景にも触れていきますので、興味をお持ちの方はぜひ読んでみてください。
直葬は、通夜や告別式などを行わないシンプルなご葬儀の形式です。自宅や病院など故人様の遺体を安置している場所から直接火葬場に搬送し、火葬を行います。
一般葬と直葬の具体的な流れは下記のとおりです。
①臨終
②お迎え・安置
③納棺
④通夜
⑤告別式
⑥出棺
⑦火葬
⑧骨上げ
①臨終
②お迎え・安置
③納棺
④出棺
⑤火葬
⑥骨上げ
多くの会葬者・参列者を招く一般葬と異なり、直葬はご遺族や親しい親族のみを招くのが一般的です。一般葬は通夜と告別式を別日に執り行うため、ご葬儀終了まで2日必要ですが、直葬は骨上げまで数時間程度と比較的短時間で終えられます。
また、一般葬では通夜やご葬儀の後に会食の場が設けられますが、直葬では会食の場を設けないのが一般的です。
ご遺族の事情や時代背景が理由となり、直葬を選ぶ方も増えています。
<高齢化>
高齢化が進んだことで、故人様と縁のある方がすでに亡くなっていることが多くあります。また、仮に存命であっても、高齢のためご葬儀への参列が難しい場合もあり、大掛かりなご葬儀ではなく直葬を選ぶ方が増えています。
<核家族化>
核家族化によって、近隣との関係性が薄い家庭も少なくありません。また、菩提寺を持っていない家庭も多いので、伝統に沿ったご葬儀ではなく直葬でかまわないといった風潮があるのも原因のひとつです。
<経済的な問題>
故人様の療養期間が長く、存命中に金銭的な負担が大きかった場合、比較的大規模のご葬儀を執り行うのは大きな負担となります。ご葬儀にかかる金銭的な負担を軽減するために、一般葬ではなく直葬を選ぶ方も少なくありません。
直葬には以下のようなメリットがあります。
・費用を抑えられる
・会葬者・参列者への対応が必要ない
・時間が短縮できる
次項では、上記3つのメリットについて詳しく解説していきます。
一般葬と直葬でかかる費用は、それぞれ下記のとおりです。
・御布施:400,000~
・飲食接待費:200,000~
・ご葬儀費用:1,000,000~
・ご葬儀費用:200,000~
一般葬は、寺院への御布施や会食の飲食接待費などご葬儀以外の部分でも費用が発生し、160,000~2,000,000円ほどかかります。一方で、直葬は御布施や飲食接待費が不要で、一般葬の5分の1程度の費用で抑えられるため、経済的な負担が少なくなります。ただし、会葬者・参列者による香典がないため、費用の負担が大きくなってしまう場合がある点に注意しましょう。
直葬は、ご遺族や親族など身内のみで執り行うため、会葬者・参列者への対応が必要ありません。一般葬では、会葬者・参列者への挨拶回りや受付係の手配、香典返しなどさまざまな対応が必要です。
一般葬では通夜や告別式があるため、2日間かけて故人様を見送ります。丁寧な弔いにはなりますが、仕事や育児で忙しい方がいる中では難しい場合もあるでしょう。一方、直葬はご葬儀の執り行いから骨上げまで数時間程度で終了するため、ご葬儀にかかる時間の短縮が可能です。
直葬には魅力的なメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
・親族からの理解を得る必要がある
・参列できずに不満を感じる人がいる
・菩提寺への納骨を断られる場合がある
ここからは、上記3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
直葬は、世間的に広く理解されているご葬儀の形式ではありません。通夜や告別式を行わないため、しきたりや慣習を重んじる親族がいる場合、「故人様に対して失礼」と反対される場合があります。そのため直葬の説明を行い、きちんと理解を得ておかないと、後からトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
直葬は、基本的にご遺族や親族など身内のみで執り行うため、人によっては参列できないことに対し不満を感じることがあります。特に故人様と親しかった友人には、ご葬儀の前に連絡を入れるなどの配慮が必要です。
関係性の深い菩提寺があるなら、寺院の考えのもとでご葬儀を執り行い、納骨するのが一般的です。菩提寺に相談なく直葬を行うと、これまで築いてきた関係性が崩れる場合があります。また、仮に相談をしても、場合によっては断られることも珍しくありません。
最後に、直葬に参列する場合の服装や香典に関するマナーについて解説します。基本的に一般葬と大きく変わることはないため、不安に思うポイントだけ確認しておくと良いでしょう。
男性の場合、喪服のブラックスーツでの参列が基本です。ワイシャツは白色、ネクタイ・靴・靴下は黒色で統一します。また、ネクタイピンは光沢が目立つ素材が多いため、気になる方は外しておくようにしましょう。
女性の方は、黒のワンピースやアンサンブルでの参列が基本です。ストッキングは黒色か肌色を選び、肌の露出は控えます。靴やバッグは黒色で統一し、アクセサリーは結婚指輪や真珠以外のものは避けましょう。
なお、直葬は基本身内のみで執り行うため、一般葬に比べると服装に関するマナーは厳しくありません。故人様やご遺族に失礼のないよう、派手な色や柄を避けるなど最低限のマナーを守りましょう。
香典は、ご遺族の判断に従います。香典不要の連絡があった場合は香典を渡さず、また香典に関して特に連絡がなければ、お気持ち程度にお渡しするのがマナーです。なお、香典に包むお金には新札を使用しません。
直葬における香典の相場は下記のとおりです。
・祖父母:10,000~30,000円
・両親:50,000~100,000円
・兄弟姉妹:10,000~50,000円
・親族:10,000~30,000円
・仕事関係:5,000円
直葬には受付がないため、お悔やみを述べて直接ご遺族に渡したり、祭壇に供えたりします。祭壇に供える場合は、不祝儀袋を自分側に向けて置きましょう。
香典の表書きは一般葬と変わらず、「御霊前」「御仏前」「御香典」などと書きます。また、水引は黒白か黒一色のものを使用しましょう。
直葬は、一般葬に比べるとシンプルで規模の小さいご葬儀です。高齢化や核家族化などの時代背景もあり、最近は別段珍しいものではなくなってきています。特に金銭的な負担が軽いため、一般葬ではなく直葬を検討する方も珍しくありません。
しかし、たとえ簡略化されたご葬儀であっても、故人様やご遺族にとって大切なお別れの場であることに変わりありません。直葬に参列する際は、ご遺族に失礼がないよう直葬について理解を深め、最低限のマナーを守るようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
お通夜やご葬儀では、ご遺族は深い悲しみの中にいらっしゃいます。ご葬儀でのマナー違反などにより、相手の方々に失礼があれば、関係に亀裂をもたらすかもしれません。そのような事態を防ぐためにも、ある程度の心構えと準備は日頃から整えておく必要があるでしょう。そこで今回は、ご葬儀に適した服装を解説いたします。
ご葬儀とは、故人様のご冥福を祈り、あの世へお送りするための大切な儀式です。したがって、さまざまなマナーが存在します。それは、子どもについても例外ではありません。最期の別れという悲しみの席では、くれぐれもお相手に失礼のないよう、大人の配慮が必要です。
ご葬儀へ向かう際、どのハンカチを持って行こうか、悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。ハンカチはお出かけの際にも必要になるアイテムですが、基本はしまっておくものであるため、どのようなデザインでも問題ないだろうとお考えになる方も少なくないでしょう。