2022-09-26
大切なご家族様が亡くなった際、訃報連絡は基本的に喪主が行います。その際、ご家族や親族だけでなく、故人様の友人や知人・会社関係(学校関係)の方にも連絡しなければなりません。しかし、友人・知人全員に連絡をしなくてはならないのか、どのような手段を用いて連絡するのかなど、いろいろと迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回は、故人様の友人・知人の方へ訃報の連絡をする際のタイミングや適切な手段について解説していきます。
訃報は「誰が亡くなったのか」を知らせる連絡のことで、代表的なものに「喪主からの連絡」が挙げられます。他にも、友人からの伝言・取引先からのメール・町内会の回覧板・新聞のお悔やみ欄なども訃報にあたります。
訃報と聞くとご葬儀の案内をイメージしてしまいがちですが、実際のところ、訃報はあくまで「誰が亡くなったのか」を知らせるためにするものです。しかし、現代では「訃報」に「ご葬儀の案内」の意味が含まれている場合が多いのも事実です。
また、訃報の連絡は基本的に喪主が行います。ご家族や親族をはじめ、友人・知人・会社関係(学校関係)の方など、多方面に連絡しなければなりません。本当は、付き合いがあった方全員に連絡できれば良いのですが、それだとキリがなくなってしまうので、「ご葬儀に来ていただきたい方」にしぼって連絡するのが一般的です。
なお、訃報の連絡範囲に決まりはないため、連絡範囲は喪主とご遺族で決めてしまって問題ありません。故人様が生前の意向を残しているのであれば、それに従って連絡をしましょう。
また、連絡する方が多すぎるというときは、ご遺族で分担しても問題ありません。この場合、「本来は喪主から連絡するべきなのですが」と、一言添えるのがマナーです。
友人・知人に訃報連絡をする場合、まずはご家族に連絡し、その後、親族→友人・知人の流れが正しい順番となっています。ただし、故人様との関係性によっては多少順番が前後しても問題はありません。
最近は、電話やメール、もしくはLINEで訃報の連絡を入れるのが一般的になってきています。電話はもちろん、メールやLINEを使った訃報連絡のポイントも押さえておくようにしましょう。
今も昔も使われている連絡手段です。急を要する場合や、大切な方への報告は電話を使用するのがマナーです。音声であれば感情もしっかりと伝わりますし、何より丁寧な印象になります。
メールやLINEでの訃報連絡は、文章で残るため伝達ミスが発生しにくいです。しかしメールの場合、受信ボックスに埋もれてしまい気づかれない可能性も考えられます。また高齢の方であれば、メールやLINEでの訃報に違和感を覚えてしまうかもしれません。
比較的便利な連絡手段ではありますが、先に着信を残しておいてからメールやLINEで訃報連絡を行うなど、相手や状況に合わせて臨機応変に対応しましょう。
連絡するタイミングは、相手が故人様とどのような関係であったのか、どのようなご葬儀を執り行うのかによって変わってきます。次の項目では、一般葬と家族葬において、連絡するタイミングの違いを解説していきます。
一般葬で執り行うと決まっている場合、連絡のタイミングは「亡くなってすぐ」と「ご葬儀の詳細が決まってから」の2つに分かれます。
「亡くなってすぐ」は、故人様が特に親しくしていた方の場合です。もし分からない場合、「ご葬儀前に駆け付けていただきたい方」を基準に連絡すると良いです。一方、「ご葬儀の詳細が決まってから」は、亡くなってすぐに連絡した方以外が対象になります。
家族葬の場合、参列をお願いする方には、訃報と一緒にご葬儀の詳細を伝えて問題ありません。これに対し、参列を辞退していただきたい方にはご葬儀が執り行われた後に連絡するのが一般的です。その際、なぜ家族葬にしたのか経緯を説明し、事後報告となってしまったお詫びを一言添えると良いでしょう。
訃報は、「亡くなった事実」のみを伝え、長々と話をしないのが基本です。ただし、以下に挙げる情報は伝えなければならないので、これらを簡潔にまとめて伝えましょう。
・誰が亡くなったのか
まずは、誰が亡くなったのかをしっかりと伝えます。
・いつ亡くなったのか
亡くなった方の名前だけでなく、亡くなった日付も伝えましょう。なお、詳細は医師が書いた死亡診断書もしくは死体検案書に記載されています。
・死因
死因を簡単に説明しましょう。死因に関しては必須ではありませんが、多くの方が気になる事項なので、聞かれる前に簡単に説明しておくことをおすすめします。
・ご葬儀の詳細
ご葬儀の形式が決まっているのであれば、詳細を伝えましょう。まだ決まっていない場合、あらためて連絡すれば問題ありません。
・連絡先
何かあった際、誰に連絡するのかを伝えておくと親切です。
ここまで訃報について解説してきましたが、いざ連絡するとなると、どのような文言で連絡して良いのか分からなくなってしまうものです。次の項目では、電話とメール・LINEの一般的な文例を紹介していきますので、自分の状況に合わせて活用してみてください。
まずは、ご葬儀の内容がすでに決まっている場合の文例をご紹介します。
突然のお電話失礼いたします。
◯◯の娘の◯◯です。
実は、以前から入院していた母が今朝方息を引き取りました。
取り急ぎご連絡をと思い、お電話いたしました。
生前は大変お世話になり、心から感謝申し上げます。
◯月◯日の夕方◯時から通夜を行います。
場所は◯◯ホールです。
葬儀と告別式は翌日の午前◯時からで、会場はお通夜と同じ◯◯ホールになります。
連絡は、私のこの電話までお願いいたします。
次に、ご葬儀の内容が未定の場合の文例を見ていきましょう。
いつもお世話になっております。
◯◯様の携帯で間違いないでしょうか。
私は、◯◯の娘の◯◯です。
実は、以前から闘病していた母が今朝方亡くなりました。
葬儀の日時や場所については、これから葬儀社の方と打ち合わせをしていきます。
詳細が決まりましたら、あらためてご連絡させていただきます。
続いて、メール・LINEのケースをご紹介します。以下は、すでに家族葬にてご葬儀を執り行った場合の文例となります。
件名: ◯◯永眠のお知らせ(LINEの場合は不要)
◯◯様
突然のメール(LINE)失礼いたします
◯◯の娘の◯◯です
かねてより闘病していた母が 令和◯年◯月◯日 85歳にて永眠いたしました
葬儀に関しましては 母の強い希望に従い 近親者のみの家族葬で執り行いました
生前はとても良くしていただき 本当にありがとうございます
本来であればすぐにでも直接ご通知申し上げるべきところ 今の時期になりましたことをご容赦くださいませ
家族葬のため、参列の辞退をお願いする場合の文例も押さえておきましょう。
件名:訃報のお知らせ(LINEの場合は不要)
突然のメール(LINE)失礼いたします
◯◯の娘の◯◯です
かねてより入院加療中だった母が 令和◯年◯月◯日の明け方に永眠いたしました
生前は大変お世話になり 心から感謝申し上げます
母の強い意向により 葬儀は家族だけで行う予定です
ご厚志につきましては 失礼ながら辞退申し上げます
ご配慮のほどよろしくお願いいたします
故人様の友人に訃報連絡を行う際は、生前どのような関係性であったのか、どのような形式でご葬儀を執り行うのかによって連絡するタイミングや内容が変わってきます。誰に連絡を入れるのか、誰に連絡を入れないのかはご遺族の判断に委ねられますが、このとき「ご葬儀に参列して欲しい方」を基準に選ぶと比較的スムーズに訃報連絡が行えるようになります。
また、電話やメール・LINEなど連絡方法は多岐にわたるので、相手の年齢や状況に合わせてどの方法を取るのかを考えるようにしてください。
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