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2022-07-29

香典の代わりに線香をお渡ししてもいい?選び方や表書きの書き方も分かりやすく解説

訃報を受けた際やご葬儀に参列する際、お悔やみの気持ちを込めて香典を包む方がほとんどなのではないでしょうか。しかし、近年では香典の受け取りを辞退されるご遺族も増えてきました。

故人様に生前お世話になったのであれば、何かお悔やみの気持ちを込めたものを贈りたいと思うのは当然です。そこで今回は、香典の受け取りを辞退されたときに用いられている「線香」について解説していきます。

そもそも香典とは?

香典とは、線香や抹香の代わりとして故人様に贈与する金銭のことを指します。お悔やみの気持ちを込めてお贈りするものですが、香典を金銭として渡すようになったのは室町時代後期~江戸時代に入ってからとされています。

昔はご葬儀が終わるまでの間、ご遺族がご遺体の側で線香を焚き、火を絶やさないよう寝ずの番をしていました。しかし、このときは大量の線香を消費しなければならず、用意できずに困っていた方も多かったそうです。そのため、近所の方々や故人様にお世話になった方がお悔やみの気持ちとご遺族の負担を軽くする意味を込め、線香や抹香を贈っていたのが本来の香典の形です。

時代が進むにつれ、線香の燃焼時間も延び、大量に消費する必要がなくなりました。そのため現代では線香や抹香の代わりに金銭を包むようになったのです。

ご葬儀で贈る線香にはどんな意味がある?

ご葬儀で線香を贈るのにはそれなりの意味があります。仏教では、亡くなった方は「香を食べる」と考えられています。これは「香食(こうじき)」と呼ばれており、ご葬儀・法事・御仏壇で線香を焚くのはそのためです。

また、ご葬儀でお贈りする線香には、仏様への尊敬の気持ちも込められています。読経やお仏壇に手を合わせる際に線香を焚く理由はそこから来ています。つまり、ご葬儀において線香をお贈りするのは、故人様を思う本来の正しい形といえるのです。

香典の代わりに線香を送るのはどんなとき?

金銭の代わりとして線香を贈る際のパターンは大きく分けて2つあります。ご遺族の意向により「香典不要」の連絡があったときと、ご葬儀に参列できなかったときです。それぞれのパターンについて詳しく解説していきます。

香典不要の連絡があったとき

ご遺族が香典を辞退された場合は、香典を贈る行為自体が失礼にあたってしまうため贈らないのが正解です。しかし、どうしてもお悔やみの気持ちを伝えたいときは線香を贈っても問題はありません。線香であれば香典よりも安価に用意でき、ご遺族に気を遣わせずに済みます。

ご葬儀に参列できなかったとき

香典の代わりに線香をお贈りしても良いもうひとつのパターンが、「ご葬儀に参列できなかったとき」です。何らかの事情でご葬儀に参列できなかった際、香典を持参できなかった代わりに線香をお贈りするのは別段珍しいことではありません。

贈るタイミングとしては、初七日が終わり、ご遺族が落ち着いてきたころからが最適です。受け取ったご遺族も、「故人様への思いはちゃんとあるんだな」と感じ取ってくれます。

香典の代わりに線香を送る際に注意すべきマナー

ここからは、香典の代わりに線香をお贈りする際に確認すべきマナーについて解説していきます。ご遺族の気持ちに配慮しつつ、状況に見合った線香を選ぶようにしましょう。

①金額の相場は3,000円程度

香典の代わりにお線香を贈る場合、2,000~5,000円の間で用意するようにしましょう。状況によって異なるものの、一般的には3,000円ほどが相場とされています。

お世話になった方であれば、できるだけ良い線香を送りたいと思うかもしれません。しかし、あまりにも高い線香を送ってしまうとかえってご遺族の負担になってしまうため、高くても5,000円ほどを目安に用意しましょう。

②家庭用の線香を選ばないように注意

香典の代わりに線香を贈る場合は、間違っても家庭用の線香を購入しないよう注意しましょう。線香には大きく分けて「家庭用」と「進物用」の2つがあります。

「家庭用」はスーパーなどで購入できる一般的な線香です。一方「進物用」は誰かに贈ることを目的に作られた線香で、桐箱や漆箱などに収められています。香りも一般的なものよりも良いのが特徴で、伽羅・白檀・沈香などさまざまな香りがあります。

③のし紙は「白黒の結び切り」のものを選ぶ

線香に掛けるのし紙は、水引が「白黒の結び切り」のものを選ぶようにしましょう。のし紙の掛け方には、内のしと外のしの2通りありますが、香典の代わりに線香を贈る場合は「内のし」で掛けるのが正解です。ただし、直接手渡しで贈る場合のみ「外のし」にするようにしましょう。

④表書きは香典の同様のルールで書く

表書きの書き方は、基本的に香典の場合と同じです。四十九日より前に贈る場合は「御霊前」または「御供」「御供物」、四十九日を過ぎた後に贈る場合は「御仏前」と記入します。

また、初盆の際にお贈りする場合は「初盆お見舞い」や「初盆御見舞」、喪中葉書にて訃報を把握した際は「喪中お見舞い」または「お供え」と記入すれば問題ありません。

まとめ

金銭の代わりに線香を香典として贈るのは一般的な行為であり、失礼にはあたりません。むしろ仏教的な考えからすると、もっともなお供物といえます。現代においては、ご遺族から「香典辞退」の案内があった際や、ご葬儀に参列できなかった際に送るのが一般的です。

線香の種類やのしの掛け方など、線香を贈る際はいくつか押さえておくべき注意点やマナーがあります。なかには紛らわしいものもありますが、お悔やみの気持ちをしっかりと伝えるためにも事前に覚えておくようにしましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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