2022-07-15
女性の喪服は、スーツやワンピースなどデザインの種類がさまざまあり、人によって選ぶ喪服の基準も異なります。そのため、「自分だけおかしな服装をしていたらどうしよう…」「何を着ればいいんだろう?」と悩む方も少なくありません。
そこで今回は、女性の喪服について詳しく解説していきます。また、喪服を着用する際の小物の選び方やマナーについても紹介していきますので、お困りの方は参考にしてみてください。
冠婚葬祭で着用される衣服は礼服と呼ばれ、その中でも黒色の礼服は「ブラックフォーマル」として扱われています。よく「ブラックフォーマル」=「喪服」と考えている方も多いのですが、厳密にはブラックフォーマルの中のひとつが喪服にあたります。
ブラックフォーマルは、冠婚葬祭であればどの場面でも着用できますが、漆黒色と浅い黒色のものの2つがあることに注意が必要です。喪服として着用できるのは漆黒色のブラックフォーマルのみなので、ご葬儀の際は喪服の色の確認も十分にしておきましょう。
喪服はさらに「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類に分けられます。立場やシチュエーションによって着用する種類が異なるため、自分が持っている喪服はどの喪服なのか、用意するべき喪服はどの種類なのか把握しておくことが大切です。
最も格式の高い喪服です。着用するのは喪主のみで、主にご葬儀・告別式・一周忌などで着用されます。肌の露出が少ないワンピースやアンサンブル、スーツのスタイルです。
準喪服は正喪服より一段階格式の低い喪服です。喪服の中では最も着用頻度が高く、お通夜やご葬儀などに参列する際に着用します。この準喪服は、肌の露出が少ないワンピース・アンサンブル・スーツ・パンツスタイルです。
略喪服は準喪服の一段格式の低い喪服で、急なお通夜や三回忌以降の法事などで着用します。また、ご葬儀の案内に「平服」と指定されていた場合は普段着ではなく「略喪服」を指します。一般的に、黒・グレー・ネイビーのスーツ、もしくは準喪服をドレスダウンしたものでもかまいません。
続いて、女性の喪服に関するマナーについて解説します。なお、本項目で解説するのは日本のご葬儀で最も多く着用される機会のある「準喪服」のマナーです。
準喪服のデザインには「ワンピース」「スカート」「パンツスーツ」があり、基本的にどれを着用しても問題ありません。ただし、ご遺族の方に配慮をして派手な格好にならないよう注意しましょう。
ワンピースやスカートタイプのスーツを着用する際は、スカートの丈に配慮が必要となります。理想の長さはひざ下からふくらはぎくらいまで、できればひざが隠れるくらいの丈を選ぶようにしましょう。また、胸元が大きく開いたデザインも喪服としては不向きです。
20代の女性であれば、ワンピースとボレロタイプのジャケットがセットになっている喪服がおすすめです。リボンがついたデザインのものや、ジャケットが丸みを帯びている可愛らしいデザインのものもあります。
また、30代は体型が変化していく年代でもあります。体にフィットするデザインよりも、少し余裕のあるデザインを選ぶようにすると安心です。
40代の女性は、正喪服としても着用できる準喪服を用意しておくといつ何があっても対応できます。スカート丈が比較的長く、胸元の開きが少ないタイプのデザインがおすすめです。
季節の関係でコートを着用する場合はカジュアルなダウンコートなどは避け、フォーマルな場にも着用できるデザインのコートを選ぶようにしましょう。
弔事の場においては基本的に「黒色」のものを用意します。バックや靴に関しても同様です。ただし、黒色であっても革製品は殺生を連想させるためふさわしくありません。
女性の場合、靴は基本的にパンプス一択で、スニーカーやサンダルはマナー違反となります。飾りはできるだけない方が良いのですが、ストラップなど履きやすさなどを考慮したものに関しては問題ありません。
またヒールが細すぎる場合、カツカツと音が響いてしまいます。場合によっては周囲に不快感を与えてしまうため、ヒール幅に注意して選ぶようにしましょう。一般的に、ヒール幅の目安は5㎝以内とされています。
そして、バックは布製のものを用意しましょう。金具などの装飾品が少なく、コンパクトなデザインのものがおすすめです。もし荷物がいっぱいになる場合、サブバックを用意しておくと安心です。
弔事の場においては基本的に黒が望ましいため、ストッキングも黒色で無地のものを選ぶようにしましょう。ただし、同じ黒色であってもタイツは弔事の場にふさわしくないとされています。
弔事の場では、基本的に結婚指輪以外のアクセサリーは着用しません。ただし、「涙」を意味する真珠のアクセサリーだけは良いとされています。
真珠のアクセサリーを着用する場合は、ネックレスとイヤリングの2種類だけに留めておくようにしましょう。また、ネックレスは2連のものではなく1連のものを着用します。なぜなら、2連や3連のものは「不幸が重なる」という意味に繋がってしまうからです。
ハンカチは白の無地か、もしくは黒の無地を用意します。柄がついているものや派手なデザインのものはふさわしくないので避けましょう。また、白のハンカチがない場合は淡いブルーやピンクなどの色でも問題ありません。
ノーメイクでの参列は失礼にあたってしまうため控えるようにしましょう。ただし、派手なメイクもふさわしくありません。弔意の場においてはナチュラルなメイクを心がけ、アイメイクやチークなども派手な色は使用せず、ベージュやブラウン系の色を使用するのがおすすめです。
髪型は清潔感を心がけてセットしましょう。ショートヘアやボブの方はそのままでも問題ありませんが、結べるほどの長さであれば1つにまとめるのが望ましいです。
髪をまとめる際は、焼香やお辞儀の際に髪の毛が顔にかかったり、広がったりしないような工夫をしてください。髪の長さによって異なりますが、黒のゴムやバレッタなどを活用してまとめると良いでしょう。
また、髪の色が明るすぎる場合は、できるだけ暗い色に染めることをおすすめします。ただし、近年は髪色に関して寛容になってきているため、ダークブラウンなどの髪色であれば問題ないとされています。金髪などの見るからに明るい髪色であれば、市販のカラー剤を使って染めるのが無難です。
女性の喪服はデザインに種類が多い分、男性よりも配慮するべき点がたくさんあります。難しく感じるかもしれませんが、色や格式などあらかじめ大事なポイントを押さえておけば大きな失敗を防ぐことができます。弔事の場に出向く際は、今回ご紹介した内容を参考にしてマナーに則った服装で臨むようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
お通夜やご葬儀では、ご遺族は深い悲しみの中にいらっしゃいます。ご葬儀でのマナー違反などにより、相手の方々に失礼があれば、関係に亀裂をもたらすかもしれません。そのような事態を防ぐためにも、ある程度の心構えと準備は日頃から整えておく必要があるでしょう。そこで今回は、ご葬儀に適した服装を解説いたします。
ご葬儀とは、故人様のご冥福を祈り、あの世へお送りするための大切な儀式です。したがって、さまざまなマナーが存在します。それは、子どもについても例外ではありません。最期の別れという悲しみの席では、くれぐれもお相手に失礼のないよう、大人の配慮が必要です。
ご葬儀へ向かう際、どのハンカチを持って行こうか、悩んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。ハンカチはお出かけの際にも必要になるアイテムですが、基本はしまっておくものであるため、どのようなデザインでも問題ないだろうとお考えになる方も少なくないでしょう。