2022-07-15
ご不幸は、いつどのようなタイミングで訪れるのか分からないものです。大切な方が突然亡くなってしまった場合、関係者に訃報を知らせることになりますが、具体的にどのような内容で伝えればいいのでしょうか。
今回は、大切な方が亡くなられた際、どのようにして訃報を流すべきなのか、訃報の伝え方や伝える優先順位・タイミングなどについて解説していきます。
故人様が亡くなった事実を関わりのあった方々へ伝えることを「訃報」といいます。訃報の形式はさまざまで、身近なものでいえば新聞のおくやみ欄も訃報のひとつです。
ご葬儀の案内と混同している方も少なくありませんが、訃報とご葬儀の案内はまったく違います。「亡くなった事実を伝えるもの」が訃報で、ご葬儀の案内は「ご葬儀の日程を伝えるもの」とされています。
訃報で伝える内容は以下のとおりです。
①故人様の氏名
②亡くなられた日時
③死因(必ずしも伝える必要はない)
④享年
⑤ご葬儀の日程や場所
⑥喪主の名前
⑦連絡先
訃報は亡くなられてからすぐに連絡するので、喪主が決まっていない場合もあります。その際は詳細が決まってから連絡を行っても問題ありません。
訃報を連絡する範囲は、基本的に故人様と深い関わりがあった方のみとなります。順番は以下のとおりです。
1.ご家族様、ご親戚、近親者(菩提寺)
2.友人、知人
3.会社関係、学校関係、所属団体の関係者
4.ご近所様、町内会、自治会
まずはご家族様やご親戚の方々に連絡を行います。「2」以降の方々にはご葬儀の日取りが決まってからの連絡でも問題はありません。また、「1」でいう「ご親戚」の範囲は、一般的に三親等あたりまでとされています。
もちろん、必ず三親等まででなければならないという訳ではありません。基本的な考え方は「故人様と交流のあった方」のため、この条件に該当するのであれば遠い親戚の方でも連絡するべきです。友人や会社関係の場合は、会社の上司や友人の1人に連絡をし、周知してもらえるようにお願いすると良いでしょう。
もし自宅や町内会館でご葬儀を執り行う予定の場合は、近隣の方の協力を仰がなければならないので、事前に訃報の連絡をしておくのが一般的です。また、お付き合いのある菩提寺がある方は菩提寺にも連絡をしておきましょう。なぜなら、ご葬儀に向けてご住職のスケジュールを調整しておく必要があるからです。
訃報はできるだけ早く送る必要があります。ただし、夜間や早朝などに連絡をするのは迷惑となるおそれがあるため、状況を見て日中に連絡をする方が多いです。またどうしても難しい場合、前項で解説した「1」の方々だけでも連絡するようにしましょう。
訃報を伝える際の例文を「家族・親族」「友人・知人」「会社関係者」「自治体」に分けてご紹介していきます。訃報の連絡は電話・メール・LINE・手紙など、どの手段を使ってもマナー違反にはなりません。それぞれの連絡手段に合わせて文章を変えつつ活用してください。
2年前から闘病生活を送っていた父○○(父の名前)が○月○日○時に永眠いたしました
生前は何かとお世話になり 本当に感謝しております
近親者のみで通夜を済ませた後 告別式は○月○日○時より○○で仏式にて執り行います
記
1. 日時
告別式 令和○○年○月○日 午前○時~○時
2. 式場
○○(式場名)
住所 ○○
電話 ○○-○○-○○
3. 喪主
○○(故人様との続柄) ○○(名前)
以上訃報を書面で伝える場合は、文章に句読点をつけないのがマナーです。
○○(故人様のお名前)の長男の○○(自分の名前)です。
先ほど病院から連絡があり、12:30ごろに息を引き取ったようです。
入院期間中は何度もお見舞いに来ていただきありがとうございました。
葬儀の日程が決まり次第また連絡させていただきます。
喪主も私が勤める予定ですので、何かありましたらご連絡いただけると助かります。
突然の連絡になり申し訳ありません。
○○(故人様の名前)の娘の○○(自身の名前)です。
父が不慮の事故により○月○日の朝に他界しました。
父と生前とても親しくさせていただいたと聞いております。
本当にありがとうございました。
葬儀は家族葬で執り行う予定です。勝手を申しますが、よろしくお願いいたします。
家族葬の場合は、ご葬儀の後に訃報の連絡を行っても問題ありません。しかし、なかには「事前に連絡がこなかった」と不満に感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのため、親しい友人や知人の方にはあらかじめ連絡しておくと良いでしょう。
突然のメール失礼いたします。
○○(故人様の名前)の妻の○○です。
今年に入ってから入院していた夫が、○月○日○○時に亡くなりました。
ここに謹んでお知らせ申し上げます。
葬儀に関しては夫の希望により家族のみで執り行いました。
本来であればすぐにでもお知らせするべきところ、今の時期になりましたことをご容赦ください。
メールの場合、句読点を用いても構わないとされているため、相手の年齢や間柄によって使い分けるようにすると良いでしょう。
【件名】
訃報:○○逝去のお知らせ
【本文】
○○課○○様
お世話になっております。
○○課○○(故人様の名前)の夫でございます。
病気療養中の妻○○(故人様の名前)が令和○年○月○日に他界いたしました。
ここに生前のご厚誼を感謝し、謹んで御礼申し上げます。
なお、このたびの葬儀は故人ならびに家族の意思により、家族葬として執り行うことにいたしました。
葬儀へのご参列、ご香典、ご供花、お供物などのご厚志につきましては失礼ながら辞退とさせていただきます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
上記のように、香典などを辞退する旨も記しておくと相手に余計な手間をかけさせることがありません。
訃報
このたび ○○町の○○様が令和○年○月○日 午後○時○分に逝去されました(享年○○)
つきましては下記のとおり通夜・告別式が執り行われますことを謹んでご案内申し上げます
記
通夜 ○月○日(○)○時○分より
告別式 ○月○日(○)○時○分より○時○分
斎場名 ○○
所在地 ○○
電話 ○○
喪主 ○○
住所 ○○
電話 ○○
町内会や自治体に通知する場合は、回覧板を活用するのが一般的です。その際に注意しておきたいポイントは、回覧板であっても句読点は使わない点と、享年を記載する場合は「享年○○歳」ではなく「享年○○」と記載する点です。
また、「訃報のお知らせ」と題を打ってしまうという間違いに気をつけましょう。訃報にはすでに「死亡のお知らせ」の意味が込められているため、書き出しは「訃報」のみとします。
最近では訃報の連絡をメールやLINEで行うのも一般的になってきました。本来は正しい方法とはいえませんが、マナー違反でもありません。ただし、メールで訃報の連絡をするのは親しい友人や知人のみに留めておきましょう。
メールやLINEにおいても連絡する事項は同じです。親しい友人や知人だからといって、砕けすぎた文章にならないよう配慮するのも大切なポイントです。
訃報とは、亡くなった事実を伝えることを指し、連絡するタイミングは亡くなってからすぐが良いとされています。知らせる順番に迷うかもしれませんが、まずは血縁関係の深い方から順に行っていきましょう。
いざ訃報を知らせる立場になった際、多くの方は頭が真っ白になってしまい何から手をつけていいのか分からない状況に陥ってしまいます。精神的なストレスが増えるとますます決断力が鈍るため、今回ご紹介した内容を思い出して冷静に対処するよう心がけましょう。
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