2022-07-01
ご葬儀や火葬を行うまでの間、ご遺体は「安置室(霊安室)」と呼ばれる場所で安置しておかなければなりません。しかし、安置施設と一言にいってもその種類はさまざまです。
本記事では、いざというときに適切な安置施設を決められるよう、安置施設の種類やご葬儀までにかかる費用について解説します。
安置室(霊安室)とは、ご遺体を保管しておく場所を指します。一昔前はご自宅で安置するのが一般的でしたが、現在は葬儀社や斎場が保有している安置室(霊安室)を使用する方が多いです。
病院などで霊安室は、ご遺体を安置室(霊安室)へ搬送するまでの間、一時的にご遺体を安置できる場所となります。
多くの場合、利用時間は2〜3時間ほどとされており、安置室が確保できたら都度搬送するのが一般的です。
安置室(霊安室)の種類は、主に「ご自宅」「葬儀社・斎場の安置室(霊安室)」「民間の安置施設」の3つに分けられます。それぞれの特徴やメリット、デメリットを把握して安置場所を決めるようにしましょう。
一昔前であれば、ご葬儀までの期間、ご遺体をご自宅で安置するのは一般的な方法でした。現代では、「自宅に帰してあげたい」といった想いを持ったご遺族が選択することが多いです。
仏間がある場合は仏間にて安置するのが一般的。ご遺体の腐敗を防ぐという意味では、空調設備のあるお部屋で安置するのもおすすめです。
自宅で安置するメリットは、故人様と最後のお別れをゆっくりできるところです。住み慣れた家でご葬儀までの時間を過ごせるのは、自宅安置の最大のメリットといえます。
ただし、ご自宅で安置できるのは、ご遺体を搬送できるほどの間口が整っている場合です。特に集合住宅の場合はエレベーターにストレッチャーが乗るかどうかが重要なポイントとなります。大家さんや管理会社にも事前に説明しておく必要があります。
ご自宅でご遺体を安置する場合は、参列者をお迎えする準備もしなければなりません。お部屋の掃除はもちろんのこと、玄関周りやトイレなどの掃除も忘れずに行うようにしましょう。
現代の一般的なご遺体の安置方法は、葬儀社や斎場が用意している安置室(霊安室)を利用する方法です。葬儀社や斎場の安置室は万全な準備がされているうえ、スタッフがほとんどの作業をしてくれるため、ご遺族にかかる負担が大きく軽減されます。
また、葬儀社や斎場が用意する安置室(霊安室)の多くは、ご遺族が宿泊できる施設が整えられています。故人様を一人にせず、ご葬儀までの時間を一緒に過ごすことが可能です。
ご葬儀までを同じ会場で行えるため、搬送費用がかからないといったメリットもあります。デメリットには、「面会の時間が限られている」「忘れ物をした際に自宅に取りに行かなければならない」などが挙げられます。
民間の安置施設とは、ご遺体を安置することに特化した施設です。近年増加傾向にあります。
葬儀社や斎場の安置室(霊安室)のように面会時間に制限が少なく、直葬や家族葬などさまざまな葬儀形式に対応している場合が多いです。
ご遺体を安置する業者のなかには、安置施設を保有しておらず別の業者に預けるところや、霊柩車内もしくは一般倉庫で保管する業者も存在します。
そのため、ご葬儀までの時間に制約がある場合や、ご葬儀までお顔を見られない、お線香をあげられないといった事例もあります。少しでも余裕がある場合は、安置施設がどのような作りになっているのか確認しておくとよいでしょう。
ご逝去されてから、ご遺体を安置するまでの手順について解説していきます。ご逝去の場所によって多少順番は前後しますが、おおまかな流れは以下の項目とおりです。
ご遺体を拭いて綺麗にするために「清拭(せいしき)」を行います。使用するのはアルコールやお湯などです。ご遺体の状態によっては、清拭によって納棺までの腐敗を緩やかにする効果もあります。
医師が死亡を確認すると、「死亡診断書」が発行されます。死亡診断書は法的手続きなどに必要となってくる書類なので、なくさないようにしましょう。
ご遺体の搬送先を決めます。搬送先はご自宅や葬儀社・斎場の安置室(霊安室)、民間の安置施設などさまざまです。
安置場所が決まったら、葬儀社に連絡してご遺体を搬送してもらいます。すでにご葬儀を執り行う葬儀社が決まっているのであればそちらに連絡しましょう。決まっていない場合は病院側が連携している葬儀社があるので、連携先の葬儀社を紹介してもらうことも可能です。
ご遺体を安置場所へ搬送します。搬送に際して、死亡診断書が必要になる場合があるため、事前に用意しておくとスムーズに進みます。
ここからは、ご遺体を搬送してからご葬儀までの間、ご遺体を安置するためにかかる費用を解説します。費用の相場は安置場所によって異なるため、次の項目では費用の相場を、「ご自宅」「葬儀社・斎場の安置室(霊安室)」「安置施設」の3つのパターンに分けました。
ご遺体を自宅で安置する場合、おおよそ20,000円〜100,000円の費用がかかるとされています。費用の内訳は以下のとおりです。
●ご遺体の搬送代…20,000円(目安)※移動距離によって異なります
ご自宅以外で逝去された場合は、ご遺体の搬送代がかかります。搬送料は業者によってさまざまです。搬送業者が運輸局に届け出をしている距離ごとの料金で算出しています。
●ドライアイス代…10,000円〜20,000円/日
ご遺体の腐敗を防ぐためにドライアイスを使用します。料金の計算は「1日の利用料金×利用日数」です。安置する季節によっても料金が変動します。
●お供物の費用…10,000円〜30,000円
枕飾りなどで用意するお供物の費用です。
葬儀社や斎場の安置室(霊安室)を利用する場合の費用相場は、30,000円〜150,000円ほどです。費用の内訳は以下のとおりです。
●ご遺体の搬送代…20,000円(目安)※移動距離によって異なります
※自宅で安置する場合と同じ
●ドライアイス代…10,000円〜20,000円/日
※自宅で安置する場合と同じ。
●施設の使用料…10,000円(目安)/日
葬儀社や斎場によっては、ご遺族が宿泊する際に追加料金がかかる場合や、ご葬儀のプランにご遺体の搬送代や安置室(霊安室)の使用料などが組み込まれている場合もあります。
安置施設を利用する際の料金相場は30,000円〜100,000円ほどです。費用の内訳は以下のとおりです。
●ご遺体の搬送代…20,000円(目安)×移動距離
※自宅で安置する場合と同じ
●ドライアイス代…10,000円〜20,000円/日
※自宅で安置する場合と同じ。
●施設の使用料…10,000円前後/日
業者によって料金形態はさまざまですが、一般的に一日10,000前後で利用が可能です。
日本では、逝去後24時間はご遺体を火葬できない決まりがあるため、安置期間は短くて1日、長くても3日が平均となっています。葬儀場や火葬場が込み合っている場合、安置日数が長くなります。
また、火葬場の休みや友引・年末年始を避けたために安置の日数が長くなってしまう場合も考えられます。
日本の法律で、ご遺体は逝去してから24時間は火葬してはいけないと決まっています。そのため、ご遺体はご葬儀までの間安置する必要があります。
安置施設の種類は大きく分けて3つ、「ご自宅」「葬儀社・斎場の安置施設」「民間の安置施設」があります。それぞれに特徴があり、メリット・デメリットが存在します。
ご葬儀までどのように過ごしたいか、費用はどのくらい確保できるかなどをご遺族で話し合い、安置室(霊安室)を決めるようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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