2022-06-10
ご葬儀は何度も経験するものではないため、「参列したことはあるけど、喪主としていろいろな手配をした経験はない」「ご葬儀に一度も関わったことがない」という方も多いです。不幸はいつどのようなときに起こるか分かりません。いざご葬儀の手配をする立場になった際、何もかも初めてのため、何から手をつけていいのか分からず慌ててしまうかもしれません。
今回は、いざというときが来ても慌てず対応できるよう、ご逝去からご葬儀までの流れや注意するべき点について解説していきます。
ご葬儀までの大まかな流れは以下のとおりです。ただし、流れは地域や宗派によって異なるので、困った際は親戚や菩提寺に確認しておきましょう。
1 死亡診断書の発行
2 ご遺体の搬送
3 ご遺体の安置
4 葬儀社との打ち合わせ
5 納棺
6 通夜・告別式
7 火葬
次の項目では、上記の流れの詳細と配慮するべきポイントについて解説していきます。
病院で逝去された場合、医師によって「死亡診断書」が発行されます。死亡診断書は故人様の逝去後必要なさまざまな手続きに必要な書類のため、大切に保管しておきましょう。
ご遺体は長く病院には安置しておけないため、ご自宅や遺体安置施設に搬送する必要があります。搬送には専門の業者を手配しなければなりません。
このような場合、「葬儀社」もしくは「遺体搬送業者」に連絡を入れるのが一般的です。事前に決めている葬儀社があれば、そちらへ連絡しましょう。決まっていない場合には、病院に相談すると提携している葬儀社を紹介してくれる場合もあります。
病院が提携している葬儀社に依頼した際は、ご遺体の搬送を依頼できます。搬送後に、依頼した葬儀社でご葬儀を執り行うか家族で相談しましょう。
葬儀社の選択は重要なポイントとなるため、安易に決定せず慎重に検討することをおすすめします。
ご葬儀までの期間、ご遺体は自宅か遺体安置施設で安置しておく必要があります。安置は基本的に葬儀社か遺体搬送業者が行ってくれるので、ご遺族の方が関わることはありません。ただし、ご遺体の体格が大きい場合などはお手伝いをお願いされる場合もあります。
安置の際、ご遺体の状態を保つためのドライアイス手当てがなされるほか、「枕飾り」と呼ばれる祭壇が設置されます。
また、近年は少なくなってきましたが、一昔前はご自宅で安置する家が大半を占めていました。自宅で安置する場合は、故人様にいつでもお線香を手向けられる、菩提寺の枕経を受けられるといったメリットがあります。
一方、葬儀社のスタッフが出入りするため、不幸があったのだと近隣住民に知られてしまいます。また、ご遺体を自宅で安置する場合、次の条件を満たしていなければなりません。
・ご自宅にご遺体を安置できる部屋がある
・安置する部屋までご遺体を搬送できる造りになっている
・ストレッチャーに対応しているエレベーターがある(エレベーター付きの集合住宅の場合)
なお、自宅での安置を希望する場合は、ご遺体の搬送を依頼している業者に自宅で安置したい旨を伝えておきましょう。
もし近隣住民に不幸があったと知られたくないのであれば、遺体安置施設の利用を検討しましょう。遺体安置施設は、「葬儀社」「斎場」などが所有しています。希望の施設がない場合は、葬儀社か遺体搬送業者に相談すると、良い施設を紹介してくれる場合が多いです。
遺体安置施設には保冷庫があるため安心して任せられます。ただし面会ができない場合や、面会に時間制限を設けている場合があるため、ご遺体に24時間付き添っていられるわけではありません。
ご遺体の安置が終わった後は、葬儀社とご葬儀に関する打ち合わせを行います。具体的に決定しなければならない項目は以下のとおりです。
・ご葬儀のスタイル
・参列者の人数
・お通夜、ご葬儀、告別式などの日時
・ご葬儀の場所
・喪主や施主
・御棺、祭壇、骨壷、返礼品など
・お手伝いの人数
湯灌(ゆかん)や清拭によってご遺体を清めた後、故人様を御棺に納める儀式を行います。納棺は基本的に納棺師が行ってくれるため、特別な事情がない限り何かすることはありません。
通夜・告別式では、僧侶による読経と、参列者によるお焼香が行われます。通夜・告別式にて、ご遺族と参列者が故人様と最後のお別れを行います。
火葬場に場所を移し、ご遺体を荼毘に付します。火葬後はご遺族や親族で遺骨を骨壷に収め、骨上げとなります。
病院ではなくご自宅で亡くなった場合、死亡診断書の発行からご遺体の安置までの流れが若干異なります。本項目では、ご自宅で「危篤状態になった場合」「すでに亡くなっているのを発見した場合」の2パターンに分け、それぞれの大まかな流れについて解説していきます。
【危篤状態となった場合】
かかりつけの医師がいる場合は、直ちに医師へ連絡を行います。医師が到着する前に亡くなってしまった場合でも、医師が容体を確認し、死亡宣言を行わなければ正式な死亡として認められません。医師は死亡を確認した後に死亡診断書を発行します。
かかりつけ医が診療時間外で不在の場合でも、かかりつけ医の勤務している病院へ連絡を取れば、何かしらの指示や動きがあります。もしかかりつけ医がいない場合は救急車で搬送しましょう。
【すでに亡くなっているのを発見した場合】
かかりつけ医がいる場合は医師に連絡し、死亡診断書を発行してもらいます。かかりつけ医がいない場合は、警察に「死体検案書」を発行してもらう必要があります。
救急車を呼ばずに警察へ連絡を入れるのは、救急車はご遺体を搬送することができないからです。何らかの蘇生を行えば回復する見込みがあれば救急車で搬送できますが、明らかに亡くなっている場合、警察に連絡をして到着を待ちます。
警察が到着したら、事情聴取と現場検証が行われます。ただし、ドラマのような派手な現場検証ではなく、警察からの確認事項にいくつか答えるだけで終わるケースがほとんどです。
その後は警察から死体検案書を受け取ります。死体検案書は死亡診断書と同等の法的効力を持つため、紛失しないように注意しましょう。
ご逝去からご葬儀までの日数は、平均して3~4日です。ただし、日数は各都道府県によってばらつきがあり、場合によってはご葬儀まで4~5日ほどかかかることも珍しくありません。
ご葬儀には、「何日までに執り行わなければならない」という決まりはないため、過度に焦る必要はありません。ただし、火葬に関しては「逝去後24時間以内に火葬を行ってはいけない」と法律で定められているため注意が必要です。
ご逝去から火葬までは、「死亡診断書の発行」「ご遺体の搬送」「ご遺体の安置」「葬儀社との打ち合わせ」「納棺」「通夜告別式」「火葬」の順で行われます。一連の流れをあらかじめ把握しておけば、いざというときに慌てることなく対応できます。かかりつけ医への連絡先を再度確認するなど、万が一のときに備えて事前に準備しておくようにしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
故人様が亡くなられた時に、ご遺族は通夜やご葬儀、告別式に火葬など、さまざまな儀式を経なければならない局面に立たされることでしょう。しかしながら、ご葬儀の費用は決して安くないため、故人様に対する哀悼の意はあっても、費用が捻出できず大変な思いをする方もいらっしゃるかもしれません。
現代の日本では、99%以上のご遺体が火葬されています。火葬は火葬場で行われますが、そもそも火葬場とは、都道府県知事が火葬を行うための火葬場として許可した施設を指します。
ご葬儀が年々簡略化される昨今では、「ご葬儀をしない」という選択肢も時々耳にするようになりました。そこで近年注目されているのが、火葬だけでお別れを済ませる火葬式(かそうしき)というものです。