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2022-06-06

火葬式(直葬)の費用相場|内訳や安く抑えるコツを解説します

ご葬儀にはさまざまな費用がかかります。会場代や通夜振る舞い、香典返しなども合わせると100万円を超えてしまうことも珍しくありません。

しかし、すべての方が多額のご葬儀費用を捻出できるわけではありません。なかには「ご葬儀の費用をなるべく安く済ませたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。

今回は、「経済的な事情でご葬儀にあまり費用を当てられない」「自分のご葬儀はなるべく安く済ませたい」と考えている方に向けて、比較的安価に執り行える「火葬式(直葬)」について解説していきます。

火葬式(直葬)とはどんなご葬儀?

火葬式とは、数あるご葬儀形式の中でも比較的コンパクトなご葬儀の形態です。また「直葬(ちょくそう)」とも呼ばれており、お通夜や告別式といった儀式を行わず、火葬のみを執り行います。そのため、ほかのご葬儀の形式と比べて比較的安価に済ませられるのが特徴です。

火葬式は、経済的な理由からご葬儀に費用を割けない方や、ご遺族に負担をかけたくない方、または少人数でご葬儀を執り行いたい方に選ばれています。

火葬式(直葬)の費用相場

火葬式を執り行う場合、「火葬場に支払う料金」「葬儀社へ支払う料金」の2つが必要です。この2つを合計した金額が火葬式の費用となり、平均相場は200,000円ほどといわれています。

また、「火葬場に支払う料金」においては、火葬場が「公営」なのか「民営」なのかによって変わります。それぞれの費用相場は以下の表のとおりです。

公営 民営
市町村民の方 無料〜50,000円 30,000〜60,000円
市町村外の方 50,000〜100,000円

基本的に、民営よりも公営の方が安価に火葬を行えます。そのため、公営の火葬場がない自治体に住んでいる場合、ほかの自治体で火葬を行うことも珍しくありません。この場合、「市外料」として高額な火葬費用を支払わなければならない場合もあります。

公営の火葬場は、市民が納めている税金で運営されています。そのため、市外の方は高い火葬費用がかかってしまうことを頭に入れておきましょう。

火葬式(直葬)にかかる費用の内訳を解説

火葬式(直葬)を執り行うとなれば、葬儀社に見積もりの依頼を行います。その際、葬儀社が用意する見積もりは、最低限必要だと予想されるサービスを盛り込んだ見積もりです。しかし、素人目では提示された項目の相場が分からないため、そもそも安いのか高いのかの検討がつきません。

次の項目では、葬儀社でよく見積もりに組み込まれる項目の費用について解説していきます。ただし、すべての葬儀社が同様のサービスに対応しているわけではありません。ここから解説する内容がサービスとして提供されていない場合もありますので、依頼しようと考えている葬儀社にあらかじめ確認しておくようにしましょう。

棺・骨壺・棺用布団

棺・骨壺・棺用布団は、いわゆる「葬祭品」と呼ばれているものです。これは、火葬を行うにあたって必須の用具であり、費用の相場は50,000〜80,000円ほどです。

ただし、自宅に仏具や死装束がそろっていた場合、新たに用意する必要はありません。実際に使えるかどうか悩んでいる方は、葬儀社に相談してみるのも良いでしょう。

ドライアイス

ドライアイスはご遺体を保存するために使用します。相場は1日10,000円ほどで、火葬までの日数が長ければ長いほど費用がかかってくる項目です。

しかし、火葬式(直葬)の場合はお通夜や告別式がなく、通常のご葬儀より火葬するまでの日数が短い傾向にあります。おおよそ1〜2日前後で火葬されるのが一般的ですので、10,000〜20,000円と見積もっておくと良いでしょう。

搬送費

火葬の際は、ご遺体を搬送する費用も必要です。料金はタクシーと同じように「基本料金+走行距離」で決まるのが一般的です。基本料金は15,000円で設定されている場合が多いものの、基本料金内の走行距離は各葬儀社で異なります。

安置室使用料

ご遺体を自宅やご遺族の家に安置できない場合は、安置所が必要です。その際にかかってくるのが安置室使用料です。

安置室の料金相場は5,000〜20,000円となっており、部屋の広さやランクによって幅が出てきます。また、安置室使用料もドライアイス同様「使用日数×料金」となるため、火葬までに日数があればあるほど料金が発生する仕組みとなっています。

手続き代行

手続き代行とは、火葬を行う際に必要な書類発行を代行してもらった際に発生する料金です。業者によって異なるものの、代行費用は5,000円が相場です。

火葬を行う際は、市区町村の役場にて「火葬(埋葬)許可証」を取得しなければなりません。ご遺族で手続きを行うことも可能ですが、手続き自体が負担になる場合もあるため葬儀社の社員が代行するサービスが用意されています。

スタッフの人件費

火葬式(直葬)を執り行う際に手伝ってくれる葬儀社の人件費も必要であり、こちらは1人40,000円が相場です。火葬式(直葬)はシンプルなご葬儀のため、1人のスタッフで対応する場合が多いです。そのため、40,000円ほどを見積もっておけば問題ありません。

火葬料金

火葬料金はその名のとおり、火葬にかかる料金です。公営の場合、火葬料金がかからない場合もありますが、民営に関しては故人様が大人なのか子どもなのかによって料金が変わってきます。火葬料金の相場は以下の表のとおりです。

公営 民営
大人 0〜50,000円 50,000〜100,000円
子ども 0〜30,000円 30,000〜80,000円
死産児 0〜6,000円 20,000〜30,000円

火葬式(直葬)にかかる費用を安く抑える方法

火葬式(直葬)は比較的低価格で執り行えるご葬儀形式ではありますが、工夫によってはさらに料金を抑えられる場合があります。ここからは、よりご葬儀にかかる出費を抑えたい方に向けて、費用を安く抑える方法を解説していきます。

ただし、費用ばかりに意識を向けてしまい、サービスの質が低い葬儀社に当たってしまったというケースも少なくありません。以下で解説する内容はあくまで参考までとし、料金とサービス面で納得のいく業者を選ぶようにしましょう。

①公営の火葬場を選ぶ

前述のとおり、火葬は民営よりも公営の方が安く行えます。市町村民であれば無料で行えることもあるため、火葬費用を抑えたい場合は公営の火葬場をおすすめします。

一方、火葬場がない自治体で暮らしている方も少なくありません。そのような場合は、ほかの自治体で火葬を行わなければなりません。このようなケースに対応するため、自治体によっては市外利用料を全額、または一部補助してくれるところもあります。

②葬祭扶助制度を活用する

生活保護の方であれば、「葬祭扶助制度」が適用されるケースがあります。「葬祭扶助制度」とは、国がご葬儀費用の補助を行ってくれるもので、これが適用されれば火葬費用の負担はほぼなくなります。

葬祭扶助制度が適用されるには条件があり、次に提示する2つの条件のどちらかを満たしていなければなりません。

1.ご遺族が生活保護を受けるなど困窮している

ご遺族が生活保護を受けており、生活するのに手一杯で火葬費用を捻出できない場合などが当てはまります。

2.扶養義務者がおらずご遺族以外の方がご葬儀を手配する

ご遺族がおらず、賃貸の大家さんや民生委員の方が火葬を執り行わなければならない場合に適用されます。

また、葬祭扶助制度は「火葬費用」「死亡診断書代」「火葬手続き費用」「搬送費」「必要最低限の葬祭品代」の5つの費用を補填するもので、自己資金を足すことができません。そのため、もし僧侶による読経などを希望する場合、葬祭扶助制度の適用外になるおそれがあるため注意しましょう。

葬祭扶助制度を利用したい場合は、故人様が亡くなられた直後に自治体や福祉事務所に申請しなければなりません。なぜなら、葬祭扶助制度は「火葬にかかる料金を国が負担してくれるもの」であって、「申請者の支払った火葬代を支給してくれるもの」ではないからです。時間が経つと申請が受理されなくなってしまうため、忘れずに手続きをしておきましょう。

③複数の葬儀社に見積もりを出し比較する

火葬式(直葬)の内容はシンプルであるため、どの葬儀社もおおよそ似たようなサービス内容となっています。しかし、費用面にはバラつきがあり、相見積もりによってはさらに低価格で行える葬儀社を見つけられることも珍しくありません。

ただし、先述したとおり安価に済ませようとすることに注力しすぎると、サービスの質が低い葬儀社に当たってしまう場合もあります。葬儀社を選択する際は、料金だけに囚われないことも大切です。

まとめ

今回は、ご葬儀方法のひとつである火葬式(直葬)について解説しました。火葬式(直葬)は、ご葬儀形式の中でも最もシンプルで安価な方法とされています。

また、火葬の際は「公営」「民営」それぞれで費用が変わってきます。火葬式(直葬)の費用をなるべく抑えたい場合は「見積もりの内容を確認して省けるオプションは省く」「葬儀社の相見積もりを取る」「補助制度を活用する」などの方法を取ると良いでしょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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