2022-04-28
法事に招かれたときのお供え物として、「どんなお菓子を選べばよいのか」「そもそもお菓子を持参して良いのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。法事でお菓子を持参すること自体は一般的です。しかし、お菓子の種類には、ふさわしいものとそうでないものが存在するため、注意しなくてはいけません。
本記事では、法事に参列するときに用意するべきお供え物のお菓子の選び方や、のしの種類、渡す際のマナーについて解説していきますので、参考にしてみてください。
法事のお供え物でお菓子を用意する場合に、「必ずこれを用意しなければならない」という決まりはありません。しかし、ふさわしいものとそうでないものは存在します。
お供え物のお菓子は法要が終わったあとに参列者で分ける場合もあるので、参列者や故人様、ご遺族に配慮して品物を選ぶのがおすすめです。
次の項目ではお供え物としてお菓子を用意する際の条件について解説していきます。お菓子を購入するときは、以下で紹介する内容に注意しながら選ぶようにしましょう。
地方によっては、お供え物のお菓子を参列者で分ける習慣があります。そのため、喪主やご遺族の手をわずらわせることのないよう、お供え物のお菓子は小分けに包装されているものを選ぶようにすると良いでしょう。
参列者でお供え物を分けたあとは各自で持ち帰ります。遠方から参列している方がいらっしゃる場合もあるので、お菓子は日持ちのするものを用意するようにしましょう。当日中に消費しなければならないものは望ましくありません。
参列者の年齢層は幅広く、小さな子どもからお年寄りまでさまざまです。お菓子を選ぶときには年齢層を考慮し、味にクセのあるものや、香りが強いものは避けた方が無難です。
お菓子はあくまでも「お供え物」です。包装紙が極端に派手なものはお供え物としては不向きです。お祝いでよく使用される赤や金の色はなるべく避けるようにしましょう。
生前、故人様が好んで食べていたお菓子をお供えするのもおすすめです。お供え物としてはあまり向かないものでも、好物だったのであれば許される場合があります。
お供え物のお菓子の定番は、「和菓子」と「洋菓子」です。それぞれ具体的にどのようなものが好ましいのか、リストアップしました。
【和菓子】
羊羹
おせんべい
もなか
団子
まんじゅう
羊羹は密封されているもの、おせんべいは個包装されているものを選ぶのがおすすめです。上生菓子など当日中に消費しなければいけないものは、なるべく避けましょう。
【洋菓子】
クッキー
マドレーヌ
洋菓子の場合は、焼き菓子がおすすめです。生クリームが使用されているものは日持ちしないので、お供え物には不向きです。
【地域の特産品】
遠方から参列する場合は、地域の銘菓を持参するのも良いでしょう。この場合も、お供え物を選ぶ基準は同じで、個包装されており、日持ちするものを用意しましょう。
お供え物は、ただ買えばよいというわけではなく、決められたのしを掛ける必要があります。
次の項目では、お供え物を渡すときのマナーや、のしの書き方について解説していきます。当日、ご遺族に失礼のないよう、参考にしてみてください。
ご遺族にお供え物を渡すタイミングは、玄関先でお出迎えされたときです。渡すときはお供え物を入れてきた紙袋や風呂敷から出し、お供え物のみを渡します。
直接ご仏前にお供えするのはマナー違反となりますので気をつけましょう。また、お供え物を渡すときは、ひと言「ご仏前にお供えください」などの言葉をそえると、より丁寧です。
ただし、地方によっては持参した本人がご仏前にお供えする風習もあります。他の参列者がどのように渡しているか確認するか、もしくは長くその地域に住んでいる方に確認してみると安心です。
ここでは、お供え物にのしを掛けるときのマナーや書き方やについて解説していきます。
法事のお供え物に使うのし紙には、「のしあわび」というのし紙の右上の飾りが印刷されていない「弔事用」ののしを選ばなくてはいけません。
のしを掛けるときは、「外のし」にしましょう。「外のし」とは、包装紙のうえからのしを掛ける方法です。外にのしを掛けることで、ご遺族がどの家からお供え物を頂いたのか分かりやすくなります。
法事で使用するのしの水引は白黒が一般的ですが、地方によっては白黄を使用する場合もあるので、事前に確認しましょう。
表書きの上段は住んでいる地方によって記載内容が変わってきます。東日本では「志」、西日本では「粗供養」と記載するのが一般的です。
下段には、「◯◯家」と自身の家名を記載しましょう。ご夫婦の場合は連名で記載します。5名以内であれば連名でも大丈夫ですが、それよりも多い場合は「◯◯一同」と記載します。
お供え物をお菓子以外で用意したい場合は、基本的に「消え物」と呼ばれるものを選ぶようにしましょう。消え物とは使用したらなくなるものを指し、不祝儀を残さないようにという意味が込められています。具体的な品物は以下のとおりです。
線香、ろうそく
線香やろうそくの煙には、故人様を極楽浄土まで導くという役割があります。極端に香りが強い線香でなければお供え物として用意しても問題ありません。
お花
お花もお供え物の定番です。菊・ユリ・トルコキキョウなどを使用した供花が一般的です。最近では手入れの簡単なブリザードフラワーなども人気があります。
飲食物
お供え物で果物を選ぶときには、リンゴやメロンなど丸いカタチのものが良いとされています。また、お供え物として故人様が好きだったお酒を用意するのも良いでしょう。ただし、地域によってはお酒が好まれない場合もあるので、こちらは事前確認が必要です。
お供え物でお菓子を持参するときには、なるべく個包装されており、日持ちする物を選ぶようにしましょう。参列者の年齢層やご遺族に配慮したお菓子を用意するのが大切です。
お供え物を渡す際は、基本的にご遺族へ渡すのがマナーとなります。しかし、地方によっては若干違いがあるため、事前に確認するのが一番良いでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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