2022-03-11
数多くある追悼供養のなかでも四十九日法要は、故人様やご遺族にとって節目となる大切な法要になるため、礼節を持って参列したいものです。しかし、四十九日法要に参列する機会はあまり多くありません。
参列が決まったけれど何を用意したら良いのか、どのようなマナーがあるのか分からなかったり、忘れてしまっていたりする場合もあるでしょう。そこで本記事では、喪主・ご遺族・参列者のそれぞれの立場に分けて、持ち物や守るべきマナーについて解説していきます。
命日を含めて、49日目に執り行われる法要のことを四十九日法要といいます。四十九日法要が大切にされている理由は、仏教で49日目が大切な意味を持っているからです。
仏教では、故人様の魂は閻魔大王から極楽浄土に行けるかどうかの審判を7日毎に受け、その判決を下される日が49日目とされています。そのため、ご遺族や故人様に縁のあった方々が審判の日(49日目)に集まり、魂の冥福をお祈りするために行われる儀式が四十九日法要です。
この項目では参列者が用意するべき持ち物について解説していきます。故人様に失礼のないよう、留意点についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
参列する際にまず必要となるのが、「香典」です。香典の金額は、故人様との関係性で金額が異なります。一般的に、親族の場合は10,000〜15,000 円、友人・知人の場合は5,000円ほどが相場です。
ただし、上記の金額はあくまでも相場であり、詳細な金額は宗派や地方によってさまざまです。心配な場合は親戚の方に確認しておきましょう。
香典を包む際の封筒は、基本的に白黒か双銀の水引で、結び切りを選びます。表書きは「御霊前」と記載しますが、浄土真宗の場合は「御仏前」と記載するのが正しい方法です。記載する際はご葬儀で使用する薄墨とは別に、濃墨で記載します。
使用するお札は、新札ではなく一度使用したお札を包む方が良いとされています。新札で包んだ場合、不幸が起こることを予想していたかのような印象を与えてしまうからです。ただし、あまりに使い古されたお札はあまり好ましくありません。
香典を入れるための袱紗(ふくさ)も必須の持ち物になります。香典を裸のまま持ち歩くのはマナー違反とされているため、必ず袱紗に入れておくようにしましょう。
お供え物は香典があれば必要ない場合もあります。また、喪主が香典の受け取りを辞退されたときに、香典ではなくお供え物を用意する場合もあります。香典の有無については案内状に記載されている場合が多いので、必ず確認しましょう。
喪主が香典を辞退されたからといって、必ずお供え物を用意しなければならないわけではありません。また、地域によってはお供え物も供養の一環として用意しなければならない場合もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
供養の気持ちがある場合や、香典をお渡しできないことで心苦しくなる場合は用意しても問題ありません。
数珠は法要やご葬儀の際に必ず用意しておきたいものの一つです。数珠を借りようと考えていた方は、借りるという行為自体があまりよろしくないとされているため、できれば自分用に購入しておくようにしましょう。
四十九日法要で、持ち物に気を配らなければならないのは喪主やご遺族の立場であっても変わりありません。この項目では喪主・ご遺族の立場において必要な持ち物について解説していきます。
お布施はお経を読んでいただいた僧侶、または僧侶のいる寺院の御本尊に対して、お礼としてお渡しするお金のことです。相場は30,000〜50,000円、またはご葬儀によるお布施の1割ほどです。しかし、お布施の相場も宗派によって異なるため、親戚などに確認しておきましょう。
お布施を渡す際のマナーも存在します。お渡しするまでは香典と同様に袱紗で包み、直前でお盆に乗せてお渡しします。直接手渡しするのはマナー違反とされているので気をつけましょう。また、お渡しする際は一言お礼の言葉を添えると、感謝の気持ちが伝わります。
必要となる費用はお布施だけではありません。他にも「会場費」「会食費」「本位牌」開催場所によっては「御車代」が必要となる場合があります。
「会場費」はその名の通り、法要を執り行う会場の費用です。会場によってさまざまですが、一般的に30,000〜150,000円が相場とされています。
「会食費」は法要後に行われる「お斎(おとき)」と呼ばれる会食のための費用です。相場はおおよそ3,000〜5,000円ほどになることが多いです。
「本位牌」の費用は20,000〜30,000円程度とされています。事前に用意しておくものですが、法要にかかる費用として念頭に置いておくようにしましょう。
「御車代」は僧侶の交通費と考えると分かりやすく、5、000〜10,000円程度を用意します。喪主が自分で送迎する場合や、法要を寺院で行う場合は必要ありません。
法要において欠かせないのが「遺影」です。本人が事前に決めている場合は良いのですが、ご遺族が決めなければならない場合は、表情が穏やかで、写りの良い写真を選ぶようにしましょう。
四十九日法要では、あわせて納骨式を執り行う場合が多いです。この項目では、四十九日法要の納骨式もあわせて行う際に必要な持ち物について解説していきます。
「埋葬許可証」は、故人様のご遺骨を納骨する際に必要となる書類です。ほとんどの自治体では火葬と埋葬、いずれも許可する「死体埋火葬許可証」として発行していることが多いです。
行政に死亡届・死亡診断書を提出するのと同時に、「死体火葬・埋葬許可交付申請書」を提出して受理されると、「火葬許可証」が発行されます。火葬が終了すると「火葬許可証」に「火葬済み」の印が押印され、この押印があることで「火葬許可証」は、「埋葬許可証」として扱われます。
納骨式を執り行う際は、「埋葬許可証」と同時に「墓地使用許可証」も必要です。他にも印鑑が必要となるので、どちらも忘れずに用意しましょう。
宗派によって異なりますが、四十九日法要と納骨式をあわせて行う場合、お布施の金額は50,000〜100,000円ほどが相場とされています。
四十九日法要と納骨式、別々でお布施をお渡しするべきかどうか悩む方も多いと思いますが、まとめて「御布施」としてお渡ししても問題ありません。ただし、相場は宗派によって異なるので事前に確認しておきましょう。
位牌は、それまで使用していた「白木位牌」ではなく、「本位牌」が必要となります。本位牌は完成に1〜2週間ほどかかるため、余裕を持って依頼しておくようにしましょう。ただし、浄土真宗では位牌がないため、用意は不要です。
納骨式を執り行うときに必要となるのが、お供え物です。しかし、お供え物の有無や内容に関しては地域や宗派、菩提寺によって考え方はさまざまです。
お花・ロウソク・お線香などの基本的なものは変わらないですが、お酒を用意しなければならない宗派や、逆にお酒が禁止となっている宗派もあります。こちらも、ご親族などにあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
今回の記事では、四十九日法要で喪主・ご遺族・参列者、それぞれの立場における持ち物の解説をしました。四十九日法要は大切な意味を持つ儀式となります。
この記事を読み、最低限のマナーを事前に把握したうえで法要に参列することが、故人様のご冥福をお祈りすることにもつながるのでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
四十九日法要が無事に終了した際は、ご臨終から四十九日法要終了までお世話になった方々へお礼状を送付するのがマナーとなっています。しかし、生涯に何度も書く内容ではないため、「書き方が分からない」「マナーや注意点などが知りたい」といった方も多いのではないでしょうか。
四十九日法要は、故人様・ご遺族にとって1つの区切りとなる大切な法要です。そのため、案内状もマナーを守って丁寧に書く必要がありますが、案内状に関するマナーをすべて把握している方はそう多くありません。
ご遺族が喪に服す期間は、故人様が亡くなられてから49日間といわれています。「忌明け(きあけ・いみあけ)」とは喪が明ける日のことを指し、忌明けによってご遺族は通常の生活に戻ることになります。 そのため、忌明けにあわせて開眼法要(かいがんほうよう)や納骨法要(のうこつほうよう)など、さまざまな儀式を執り行うことが多いです。法要を執り行うにあたり、香典返しの準備や挨拶状の作成と儀式の他にも行うことは多々あります。 初めて忌明けを迎える方の場合、何をどう行えば良いのか分からないという方も多いでしょう。年末付近に不幸があったときには、新年のお祝いや年賀状などにも気を配らなければなりません。 本記事では、忌明けで用意しなければならないものや行うべき儀式、避けるべきことなど、忌明けを初めて迎える方や前回の忌明けから年月が経っている方に向けて解説します。