2022-12-29
四十九日法要が無事に終了した際は、ご臨終から四十九日法要終了までお世話になった方々へお礼状を送付するのがマナーとなっています。しかし、生涯に何度も書く内容ではないため、「書き方が分からない」「マナーや注意点などが知りたい」といった方も多いのではないでしょうか。
今回は、四十九日法要のお礼状を書く際のマナーや、送る際の注意点について解説していきます。本文の後半には例文も紹介していますので、併せて参考にしてみてください。
四十九日法要のお礼状とは、ご葬儀に参列してくださった方へお礼を伝えるために書くものです。お礼の内容として、一般的に以下のものが挙げられます。
・参列へのお礼
・香典へのお礼
・お供え物へのお礼
また、お礼状は「四十九日法要が無事終了しました」といった報告も兼ねており、以下の順番で記載するのがマナーです。
①参列・香典・お供え物へのお礼
②四十九日法要が済んだことの報告
③香典返しを送る案内
④直接伺わないことへのお詫び
⑤差出人の名前
各内容の書き方やマナーについては、以下の項目で詳しく解説していきます。
まずは頭語を記入し、ご葬儀に参列していただいたお礼や、香典・お供え物へのお礼を述べます。その際、誰のご葬儀かをしっかりと明記しましょう。たとえば「○○ ○○儀」のような形です。
名前の後ろにつけた「儀」には、「〜について」といった意味があり、正しい書き方に則り名前の後につけましょう。また、香典やお供え物のお礼に関しては、「香典ありがとうございました」と書くよりは、「ご厚志を賜りまして」と書くのが一般的です。また、お礼状には季節の挨拶をつけなくて問題はありません。
次に、「おかげさまで、四十九日法要を滞りなく相営みました」など、法要が終了したことを報告します。四十九日法要は「七七日法要」「満中陰の法要」とも呼ばれており、どれを選択しても間違いではありません。また、記入するスペースが残りそうであれば、生前お世話になったお礼なども記入すると丁寧な印象になります。
続いて、香典返しの品をお送りする旨を記入します。「香典返しをお送りします」ではなく、「ささやかではございますが、供養の御印として心ばかりの品をお贈りさせていただきます」などの文言を用いましょう。
香典返しの品物に触れた後は、「直接のお礼ではなく文章で失礼いたします」といったお詫びを述べます。近年は郵送で送る方法が主流となってはいますが、本来のマナーと異なるのは事実です。そのため、「早速拝趨のうえ、お礼申し上げるべきところ」などと記入しましょう。
お礼状の最後には、喪主の名前を記入するのが一般的です。そのほかのケースとしては、連名や「親族一同」とする場合があります。連名の場合は、喪主の名前の上に「喪主」と入れ、そのほかの方は故人様との続柄を記入しましょう。
四十九日法要のお礼状には、ある程度のテンプレートが存在します。基本的に、テンプレートに沿って礼状を記載すれば失礼にはあたりません。ただし、送り先が故人様と親しい間柄であった場合は、思い出のエピソードなどを簡単に添えてあげても良いでしょう。
謹啓
亡父 ○○(故人様の名前)儀 ご葬儀に際しましては ご多忙中にもかかわらず御篤なるご弔慰を賜り 誠に有難く厚くお礼申し上げます
お陰をもちまして この程四十九日の法要を滞りなく相営みました
早速拝趨の上 お礼申し上げるべきところ 失礼ながら書中をもって御礼かたがたご挨拶申し上げます
謹白
令和○年○月○日
〒○○○-○○○○
東京都○○区○丁目○番○号
喪主 ○○ ○○
はがきの場合は、記入するスペースが狭いので、上記の例文のように簡潔な内容にするのが望ましいです。
拝啓
御尊家 御一同様 益々ご清祥のこととお慶び申し上げます
先般 亡母 ○○(故人様の名前)儀
ご葬儀の際にはご繁忙中にもかかわらず 御丁寧なご弔慰並びにご厚志を賜り厚く御礼申し上げます
お陰をもちまして この度法名○○の満中陰の法要を滞りなく営むことができ 忌明けとなりました
故人が生前中に賜りました厚誼に心より感謝申し上げます
ささやかではございますが 供養の御印として心ばかりの品をお贈りさせていただきますのでどうぞお納めください
書面にて失礼ではございますが まずはお礼かたがたご挨拶申し上げます
敬具
令和○年○月○日
○○ ○○喪主
手紙の場合は、丁寧にお礼を述べるようにしましょう。多少文面が長くても1枚以内に収めれば問題ありません。また、ご葬儀に参列はできなかったものの香典だけは頂いたといった方に対しては、「ご葬儀の際」を「永眠の際」と書き換える方法もあります。
お礼状には、記入する順番や内容のほかにも気をつけるべきマナーが存在します。基本的なマナーは以下の3つです。
・縦書きで記入する
・墨汁の通常の墨汁を使用
・句読点は使用しない
四十九日法要のお礼状は縦書きで記入し、また墨の色は黒墨を用いましょう。なぜなら、四十九日を過ぎた後は基本的に通常の墨汁を使用するからです。ただし、地域によっては薄墨を使用する場合があるので、土地の慣習に詳しくない方は事前に確認を行いましょう。
また、四十九日法要のお礼状に限らず、弔事に関わる文章はすべて句読点を使用しないのがマナーで、文章に区切りをつけたい場合は空白を利用することも頭に入れておきましょう。
お礼状を含め、ご葬儀に関する書面では基本的に「忌み言葉」を使用してはいけません。忌み言葉とは、不幸や不吉なできごとを連想させる言葉です。代表的なものとして、以下の言葉が挙げられます。
重ね言葉 | 不幸が重なるといった意味を連想させる言葉 例:たびたび、いよいよ、ますます |
---|---|
不吉な言葉 | 例:四(=死)、九(=苦)、消える、浮かばれない |
不適切な接続語 | 不幸が続くような事態を連想させる言葉 例:また、続いて、再び、引き続き |
上記の表で提示している言葉は、お礼状に不適切なので使わないように注意しましょう。
お礼状は、はがき・封筒どちらでも問題ないため、送る相手や状況によって使い分けるのが良いでしょう。基本的には手紙の方が丁寧とされているため、年配者や目上の方に送るのであれば、手紙を用いるのがおすすめです。
また、より丁寧な送り方として「奉書紙」を使用する方法があります。奉書紙とは、日本で伝統的に使用されてきた用紙であり、高額な香典をいただいた方や、大変お世話になった方であれば奉書紙を用いても良いでしょう。なお、奉書紙は大きな文房具店やネットショップなどで購入できます。
反対に、香典返しがさほど高価ではない場合や、すでに香典返しを送っている際には、奉書紙ではなくはがきを用いることが多いです。また、近年は利便性などの観点から、印刷されたお礼状をお渡しするケースが多くなっています。
四十九日法要のお礼状は、法要が終わってから1ヶ月以内を目安に送付しましょう。ただし、年末年始やお祝いごとにかかる場合、時期を考えて送るのがマナーです。
四十九日法要のお礼状は、ご葬儀へ参列してくれた方や香典・お供え物を用意してくれた方へ感謝を伝えるためのものです。また、故人様に代わってお礼を伝えるといった意味もあります。そして、忌明けとなる節目の法要を無事終了できた報告でもあるので、送付先に失礼のないよう、マナーを守ってお礼状を作成しましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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