2022-01-14
ここ数年、「終活」に取り組む高齢者が増えました。
終活とは、人生の終わりのために生前から準備をしておく活動を指します。活動している方の多くは、おひとりさまの高齢者や、子どもに迷惑をかけたくないと考える方が多いです。そんな終活のなかで、最近「墓友」という言葉が注目されています。
今回の記事では、「墓友」とは一体どういうものなのか、「墓友」を作るメリットとデメリット、注意しておきたいポイント。また、「墓友」を作る方法など、「墓友」について詳しく紹介します。
「墓友」とは言葉の通り、同じお墓に入る交友関係を表した言葉です。家族や親族とは別のコミュニティで仲間を作り、生前のうちに一緒にお墓を購入し、死後はそのお墓に入ることを約束した仲間のことです。
「墓友」という言葉ができた背景には、現代の社会問題でもある「おひとりさま高齢者の増加」があります。一昔前であれば、お墓は代々受け継ぐのが当たり前でしたが、現代では受け継ぐ子どもがいない方が多くなりました。
その結果、「1人でお墓に入るのは寂しい」と考える高齢者が増えています。「墓友」とは、そんなネガティブな社会問題を前向きに捉える新しい概念です。
墓友を作ることによって、一昔前では考えられなかったさまざまなメリットを受けることができます。死後のことを話し合える友人ができることで、死への不安が和らぐといったような精神的なメリットもあれば、お墓を用意する費用が軽減されるという金銭的なメリットです。
この項目では、墓友を作る3つの大きなメリットについて解説します。
墓友を作るメリットの1つは、終活について気軽に話し合える友達ができることです。
墓友という交友関係自体は、本来亡くなったあとの不安を解消するためのものです。しかし墓友を作ることによって、生前から終活に対する相談や話し合いをする機会が多くなります。死後のことというナイーブな話題に対して、気軽に話し合える友人ができるということは、それだけで心強いものです。
墓友を作るもう1つのメリットに、死に対する不安がなくなるということがあげられます。
同じ価値観を持つ者同士話し合うことによって、死に対するネガティブなイメージがなくなり、不安が解消されることがあるからです。また、お墓に入ったあとも1人ではないとう事実が、生前の安心感につながり、孤独感を緩和させてくれます。
墓友を作るメリットは、心理的なものばかりではありません。お墓を作るというのは、それだけでとてもお金がかかるものです。しかし、墓友がいれば、その費用を配分することができます。料金面での不安が軽減されることは、それだけで大きなメリットです。
ここまでは墓友を作るメリットについてご紹介してきましたが、もちろん注意しておかなければならないポイントもあります。
この項目では、墓友を作る上で注意したいポイントを3つに分けてご紹介します。
墓友を作りたいという人は、おひとりさま高齢者だけではありません。家族がいる方でも、「子どもに迷惑をかけたくない」などの理由から墓友を作る方がいます。このような方は、事前に家族と相談することが重要です。
自分のことだからと1人で決めてしまったばかりに、後々家族や親族からクレームが出る場合もあります。墓友を作ることは決して悪いことではないので、自分の意思をしっかりと家族に伝え、理解してもらってから墓友を作るようにしましょう。
墓友と購入するお墓は、永代供養墓のお墓にしましょう。
永代供養墓とは家族の代わりに霊園の管理者が供養を管理してくれるお墓のことです。ここでいう供養とは、お墓の掃除やお盆、お彼岸などの時期に経を唱える、といったことです。
墓友を作った場合、必ずどちらかが先にお墓に入ることになります。残された方が供養できるうちはまだいいですが、残された方も亡くなってしまった場合、お墓を管理する人がいなくなってしまいます。管理する人がいなくなったお墓は無縁仏として処分されてしまうため、せっかく墓友を作っても意味がなくなってしまうので注意しなければいけません。
永代供養墓を購入しておくと、管理者がお墓の供養をしてくれるので、供養する人がいなくなる、という心配がなくなるので安心です。
墓友を作るメリットの1つに料金面の負担の軽減があげられますが、料金の分担は均等にしておくのがおすすめです。後々のトラブルを避けるためにも、内容についても事前に細かく決めておくことが大切です。
ここまで墓友について解説してきましたが、実際どうやって墓友を作っていいかわからない方も多いのではないでしょうか。そこで、この項目では、墓友を作るための具体的な方法についてご紹介します。
墓友の作る方法としては、大きく以下の3つがあげられます。
・元々の友人と墓友になる。
・墓友サークルに参加する。
・終活セミナーに参加する。
年を重ねていくと、友人同士で死後について話す機会が多くなってきます。そのような会話のなかで、墓友の話題を振ってみるのも、墓友を作る1つの方法です。
しかし、友人に声をかけるのはなんだか気まずいという方もいらっしゃるでしょう。そういう場合は、NPO法人などが主催している墓友サークルに参加するのもおすすめです。最近では定期的にイベントを開催しているところもあり、以前に比べて墓友を見つけやすくなってきました。
地方自治体によっては終活セミナーを開催しているところもあります。終活について学べると同時に、終活に興味がある人と交流ができるきっかけにもつながります。
現代では、「孤独な高齢者が増加している」という現実が、目を背けることのできない社会問題となっています。社会の変化にともなって、亡くなることへの価値観も大きく変化しました。
昭和の時代では当たり前だった、子が親と同居し最後まで面倒を見る、という価値観はもはや当たり前ではなくなってきています。しかし、裏を返せば、死後のことまでも自分で自由に決めることができる、といったような選択の自由が増えたともいえるでしょう。
後悔のない、自分らしい最期をむかえるためにも、本記事を参考に、墓友を探してみてくださいね。
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