2021-11-12
香典返しは本来、「四十九日を終えた後に、手渡しでお贈り」していましたが、現在では時代の流れや社会情勢もあり、直接手渡しするのが難しい場合、郵送や宅配便でお贈りすることが主流になってきました。香典返しは故人様の代わりとしてお贈りするという意味もありますので、故人様のためにも失礼がないようにしたいものです。
そこで今回は、香典返しを郵送もしくは宅配便でお贈りする際の注意点などについてご紹介します。
ご葬儀当日に香典返しをしなかった場合、香典返しの品物は、四十九日法要を執り行って忌明け後にご葬儀にご会葬いただいた方々のご自宅にお伺いし、手渡しするにこしたことはありません。しかし、香典返しを郵送や宅配便でお贈りすることはマナー違反ではありませんのでご安心ください。「郵送は失礼かな……」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、以下のようなケースであれば、郵送や宅配便の方が嬉しいこともあります。
・遠方にお住まいの方に香典返しをお贈りする場合
・社会情勢的に直接お会いするのが難しい場合
・香典返しの品物が重いまたはかさばる場合
・郵送で香典をいただいた場合
香典返しの品をお贈りする際の梱包に関して、場合によっては失礼な行為になってしまうこともあります。以下で注意すべき項目についてまとめましたのでご参照ください。
香典返しを郵送または宅配便でお贈りする場合、先方からいただいた弔意に対する感謝を伝えるためにも、礼を欠くことがないように「のし紙(掛け紙)」を付けて香典返しの品をお贈りするようにしましょう。
香典返しの品に付けるのし紙(掛け紙)は、「黒白の結び切り」で水引が描かれているものを選びましょう(地域によっては「黄白の結び切り」を使用することもあります)。表書きについては、宗教によって異なり、仏式の場合は水引の上段に「志」、下段の名入れ箇所に喪主の名前を書きましょう。なお、神式やキリスト教式の場合は、「偲び草」と書くとよいでしょう。
送り状の品名欄をどう書くかを迷われることもあると思います。その場合は「香典返し」「雑貨」「食品」といった書き方ではなく、「菓子」「お茶」などと具体的な内容品を書くとよいでしょう。
郵送や宅配をする際に、ゆうパックや宅配便の送り状をのし紙(掛け紙)がかかっている包装紙や箱に直接貼るのはマナー違反になりますので注意しましょう。そのため、別の新しい紙袋を用意して、そちらで香典返しを包み、新しく用意した紙袋に送り状を貼り付けましょう。なお、紙袋に関しては必ず新品のものを用意しましょう。
香典返しを郵送または宅配便でお贈りしする際は、品物の賞味期限などの保存期間に注意しなくてはいけません。これは、手渡しする場合でも同様ですが、郵送や宅配便でお贈りするようであればなおさらです。そのため、香典返しの品として一般的なのが、日持ちする食品や保存期間が問われない日用品などが選ばれるのが選ばれています。
・消えもの(お菓子/お茶)
・タオル
・洗剤
・カタログギフト
香典返しの意味としては、「四十九日法要(忌明け法要)を執り行ったことを伝えるとともに、香典をいただいたこに対する感謝の気持ちを表す」ものです。そのため、品物だけを郵送または宅配便でお贈りするのはマナー違反とされており、必ず挨拶状(お礼状)を添えるようにしましょう。その際の注意点について以下にまとめさせていただきます。
挨拶状は、香典返しの品に添えてお送りしても問題はありませんが、より丁寧にしたいのであれば、香典返しの品をお送りする前に挨拶状(お礼状)をお送りし、その後に香典返しの品をお贈りするとよいでしょう。
香典返しの品を受け取る側にとっても、香典返しの品がいつ頃到着するかの目安となるので、安心して受け取ってもらえるでしょう。
香典返しの品に添える挨拶状では、「句読点を打たない」のが一般的です。以下に文例をまとめましたのでご参照ください。
先日はご多忙の中 亡父〇〇〇〇の葬儀にご会葬賜り かつご丁重なご厚志を賜りまして 誠にありがたく厚く御礼申しあげます
葬儀の際は万事至らぬことが多く 大いに申し訳なく存じております
皆様のお陰をもちまして 〇月〇日に四十九日の法要を滞りなく済ませることができました
つきましては 供養のしるしとして心ばかりの品をお送りいたします
何卒ご受納賜りたくお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上にてお礼申し上げるべきところ 略式ながらも書中をもちましてご挨拶とさせていただきます
香典返しを手渡しするのか郵送・宅配するのかにかかわらず、いずれにしろ相手に心からの感謝の気持ちでもって贈り物をするということに変わりはありません。そのため、しっかり感謝の気持ちをお伝えするためにも、香典返しをお贈りしましょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
家族やお身内など大切な方を亡くされた喪主やご遺族に、ご葬儀の最中、会葬者から「この度はご愁傷様です」とお悔やみ言葉をかけてもらう場面が多くあります。弔事の場で述べられる基本的なお悔やみの言葉として、最も頻繁に使われている「ご愁傷様」という言葉には、どのような意味を持ち、また適切な返答などはあるのでしょうか。 そこで今回は、ご愁傷様の意味と適切な返答についてご紹介します。
香典は、ご葬儀の場において故人様の御霊前へお供え物をする代わりに、ご遺族へお渡しする金銭です。「5,000円程度が香典の相場なのではないか」という意見も散見されますが、故人様との関係や地域によって金額のマナーは変わるため、注意が必要です。 そこで今回の記事では、香典の一般的な相場や香典袋の選び方、書き方、香典のマナーについて詳しくご紹介していきます。
故人様の死を偲びながら静かに過ごす一年間を喪中といいますが、喪中では慶事に参列したり、大がかりな旅行をしたりなどの行動を慎むことが、古くからの慣習となっています。本記事では、一年で最もめでたい時期と考えられているお正月に焦点を当て、喪中のご家庭でどのように過ごしていくべきかを解説していきます。