2021-06-04
ご友人やご親族などを亡くされてことをきっかけに、お墓について考えられる方も多いと思います。お墓について調べていく中で目にするのが「永代供養」という言葉です。永代供養はお墓の継承者がいらっしゃらないことがある近年において、お墓を持たない供養方法の1つとして注目されています。
そこで今回は、永代供養の意味や検討する際のポイントなどについてご紹介します。
永代供養とは、お墓参りに行けない方に代わって、またはお墓の継承者がいない場合に霊園や寺院が供養・管理してもらえる埋葬方法を指します。
しかし、「永代」と言っても、「未来永劫」ということではなく、ご遺骨の安置期間に一定の期間が設けられています。33回忌を期限とすることが多いようですが、決まりはなく、霊園や寺院によっては17回忌や50回忌、相談して決めるなど様々です。そのため、永代供養を検討されるようであれば、事前に安置期間を必ず確認しましょう。
永代供養の相場としては、おおよそ10~150万円だとされています。費用の内訳としては、
・永代供養料
・納骨法要
・刻字料
となります。
永代供養と似た言葉で「永代使用」があります。両者は言葉は似ていますが、意味が全く異なります。永代供養が「ご遺骨を永代にわたって供養・管理してもらう埋葬方法」を指すのに対し、永代使用は「お墓の土地を永代にわたって使用する権利」のことを指し、墓石を建てる際にはその土地の使用料として「永代使用料」を支払います。
なお、永代使用料については以下の記事で詳しく取り上げておりますので、ぜひご参照ください。
お墓の永代使用料とは?地域ごとの相場や永代供養料・管理費との違いとは?
永代供養は施設によって2種類、安置方法によって4種類に分けることができます。以下では、それぞれの特長や違いなどについてまとめましたので、ご参照ください。
永代供養は施設によって「屋内型」と「屋外型」の2種類に分けられます。
屋内型はいわゆる「納骨堂」と呼ばれれ、ロッカー型や合葬・合祀型など様々なタイプがあります。見た目は一般的な墓地と異なりますが、代々のご遺骨を収納できるなどは同様になります。
ロッカー型 | 鍵がかけられるロッカーに骨壺を納める |
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神棚型 | シンプルな棚上に骨壺を並べるため、個別の仕切りがない |
仏壇型 | 1つあたりのスペースが広く、小型仏壇の下部に骨壺を納める |
墓石型 | 室内墓地とも呼ばれる屋内に並んだ墓石の下部に骨壺を納める |
合葬・合祀型 | 屋内外にある永代供養塔の中に骨壺を並べる |
自動搬送型 | 1ヶ所に集められた骨壺が、お参りスペースに自動搬送されてくる |
位牌型 | 骨壺は1ヶ所に集められており、お参りは位牌に向かって行う |
屋外型は主に、以下の3タイプがあります。
納骨壇型 | 故人様ごとに施設に遺骨を安置する |
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納骨塔型 | 塔の地下にご遺骨を納める |
合祀型 | ご遺骨をまとめて埋葬する |
永代供養は安置方法によって以下の4つのタイプに分けることができます。
墓石安置型 | 一般的なお墓に、永代供養が加わったものになります。お墓の継承者がいらっしゃらなくなった場合、霊園や寺院に永代供養を行ってもらいます。 |
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合祀型 | 故人様のご遺骨を他の方のご遺骨と合わせて埋葬します。そのため、合同墓とも呼ばれます。料金は割安なのですが、合祀するとご遺骨を取り出せないため、分骨や改葬が行えません。 |
個別安置型 | 一般的なお墓と同様に、墓石を建てて供養を行います。ただし、永代供養と言っても先に述べたように霊園や寺院によって異なります。 |
集合安置型 | 個別の石牌と骨壺を用意して、1つの場所にまとめて安置をします。ご遺骨は個別に分けられているため、分骨や改葬にも対応可能です。 |
永代供養は管理方法が霊園や寺院によって異なります。以下では、永代供養を検討する際に確認しておきたいポイントをまとめましたので、ご参照ください。
永代供養には、ご遺骨を個別に供養する「分骨」の場合と他の方と主に供養する「合祀」の場合があります。他の方と主に供養する「合祀」の場合、費用負担を抑えることができるというメリットがあるのですが、一度ご遺骨を納めてしまうとご遺骨を取り出せないため、注意が必要です。そのため、必ず事前にご家族やご親族と話し合って了解を得た上で行いましょう。
永代供養は、霊園や寺院で末永く供養を行っていただくことになります。そのため、供養をお願いする霊園や寺院がどのような考え方で供養に取り組んでいらっしゃるのかを確認しておくとよいでしょう。
永代供養の多くが、ご遺骨を個別に供養する「分骨」の場合に33年や50年などの期間として、それ以降は合祀する形をとっています。合祀するまでの期間は、霊園や寺院によって異なりますので、必ず確認しておきましょう。
永代供養は、様々な事情から一般的な供養が難しい方にとって、非常に有用な供養方法と言えます。しかし、永代供養は誰にでも受け入れられる選択肢とは限りません。そのため、永代供養を検討される際には、必ずご家族やご親族と話し合って、理解を得た上で進めていくようにしましょう。
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