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2021-05-14

事故で亡くなられた場合のご遺族の対応やご葬儀までの流れとは?

交通事故や水難事故、職場での作業中での事故など、いずれも突発的な死であることに変わりはありませんが、事故死にも様々な状況があります。そのように突発的に亡くなられた場合であっても遺された方々はご葬儀を執り行わなければいけませんが、事故死の場合には通常のご葬儀とは異なる点などはあるのでしょうか。

そこで今回は、事故死の連絡を受けた際の対応や事故で亡くなられた場合のご葬儀までの流れなどについてご紹介します。

事故死の連絡を受けた際はどうすればいい?

もし突然ご家族が事故で亡くなられたという連絡を受けたら、どうすればいいのでしょうか。連絡を受けた直後はショックで何も考えられないかと思いますが、後程の手続きのためにも非常に大切です。以下では事故死の連絡を受けた際の対応についてまとめましたので、ご参照ください。

故人様のご遺体の確認

突然の事故でご家族が亡くなられた場合、警察から連絡が入り、故人様についていくつか質問をされて遺体安置所でご遺体の確認をするように求められます。ご遺体の確認をする際にご遺体の損傷がひどいために目視での確認ができないようであれば、DNA鑑定が用いられます。その場合には、鑑定期間として1週間程度かかることがあります。

ご遺体の検視・司法解剖

事故で亡くなられた場合、医師に看取られて亡くなられた時と異なり、必ず警察による検視が行われます。検視のタイミングは状況によって異なっており、当日検視が行われることもあれば、それ以降のこともあります。

検視を行った結果、事件性が疑われるようであれば、司法解剖が行われます。司法解剖ではご遺体にメスを入れてより詳細に確認をします。ご遺族としては故人様の身体にメスを入れられることに対して拒否感を持たれる方もいらっしゃると思います。しかし、事件性が疑われる場合は、拒否することはできず、ご遺族の意思にかかわらずに行われます。

司法解剖にかかる期間はケースによって異なります。1日程度で終わることもありますし、不審な点が見つかった際は1週間程度かかることもあります。ご遺体の損傷がひどく、死因の特定などに時間を要する場合は1カ月以上かかることもあります。

ご遺体の引き渡し

警察からご遺体の引き取りに関する連絡を受けたら、「ご遺体を引き取る方の身分証明書」「故人様の身分証明書」「印鑑」の3点を持参して、ご遺体の引き取りに向かいましょう。前記3点は、ご遺体の引き取りや遺体保険費や遺体検案書の費用を支払う際などに必要になります。

なお、ご遺体を引き取る際に「死体検案書」が司法警察員(認定された警察職員)から交付されます。死体検案書がないと死亡届が提出できないだけでなく、火葬許可証も受け取れません。そのため、死体検案書を受け取ったら、必要になるまで大切に保管しておきましょう。

ご遺体を引き取ってからご葬儀までの流れ

ご遺体の引き渡し後に必要な手続きやご葬儀までの流れが通常のものとは異なることがありますので、注意が必要です。

搬送

検視や司法解剖が終わると、解剖で切開・縫合された箇所の処置や用意された服に着せ替えがされます。それらが済んだら、葬儀社の寝台車(ご遺体専用の搬送車両)で故人様を搬送します。搬送先についてはご自宅や葬儀社の霊安室になります。

納棺

可能な限り病院や施設などで亡くなられた時のご葬儀と同じように、ご遺族と葬儀社が共に納棺を行っていきますが、ご遺体の状況によってはそれが困難な場合があります。例えば、事故による影響でご遺体の損傷・損壊がひどい場合やご遺体が分断されてしまった場合、腐敗が進んでしまっている場合などが当たります。そのような場合には、納棺については解剖室で葬儀社が行うことがあります。

死亡通知(故人様の関係者に連絡を入れる)

故人様の関係者であるご親族や友人・知人に故人様の死を知らせ、お通夜式やご葬儀・告別式などの日時・場所などがすでに決まっているようであれば伝えます。

しかし、事故で亡くなられた場合、警察の調査や検視などによって故人様がいつご遺族のもとに帰ってくるかが分からないため、お通夜式やご葬儀・告別式などの日時・場所が決まらないこともあります。そのような場合は、お通夜式やご葬儀・告別式などの日時・場所にかんしては再度伝えるとして、死亡の事実だけでも伝えましょう。

死亡届の提出

死亡届は、市町村の役所に死亡の事実を届け出る行政手続きになります。死亡診断書または死体検案書が記入されている状態で市町村の役所に提出する必要があり、国内で亡くなられた場合は死亡の事実を知った日から7日以内、国外で亡くなられた場合は死亡の事実を知った日から3カ月以内に提出しなければいけません。

なお、死亡届の提出は、ご遺族が市町村の役所に提出することは最近では少なく、ご葬儀を依頼する葬儀社に代行してもらうのが多いようです。ただし、死亡届の記入自体はご遺族がされる必要があるのと、届出人に関してはご親族やご親族以外の同居人、後見人などがその対象となります。

火葬許可証の手続き

死亡届が受理されると、「火葬許可証」が交付されます(自治体によっては「埋火葬許可証」というところもあります)。火葬許可証が交付されることで火葬・納骨を執り行うことができるようになります。そのため、お通夜式やご葬儀・告別式に関しては、この手続きが終わった後に執り行われます。

火葬許可証は火葬の際に火葬場の係員に提出し、火葬が執り行われた後に火葬済みであることを証明する記載がされてご遺族のもとに戻されます。火葬済みの記載がされた火葬許可証は「埋葬許可証」となり、墓地や霊園の管理者に提出することになります。

お通夜式やご葬儀・告別式

お通夜式やご葬儀・告別式に関しては、病院や施設などで亡くなられた場合に行われることと変わりはありません。しかし、ご遺体の損傷や損壊がひどいようであればお別れの時間が省略される場合があります。

ご遺体の損傷がひどい時の対応

事故による影響で、故人様の身体やお顔の損傷・損壊がひどい場合、多くのご遺族は可能な限り修復を希望されます。ご葬儀後に「治してあげればよかった」と後悔されてしまうのは非常に残念なことですので、修復を望まれるようであれば、修復をしておくのがよいでしょう。

ご遺体の修復に関しては、エンバーミング業者や一部の湯灌業者が対応できます。ご葬儀を依頼する葬儀社にご遺体の修復を依頼すれば、対応できる業者を紹介または手配をしてもらえます。

もちろん修復と言ってもどこまで修復が可能なのかはご遺体の状態によりますし、修復費用がかかります。そのため、ご遺体の修復を望まれる場合は、ご家族やご親族とよく話し合って決めるようにしましょう。

ご葬儀の費用を加害者に請求できるの?

加害者がいる事故の場合、金額に限度はありますがご葬儀の費用を加害者に請求することができます。

加害者に対して請求できる内容としては、主にご遺族への「慰謝料」・車両や資産価値があるものが壊された場合の「実損害分」・故人様がご存命であれば得られるはずであった収入などの「逸失利益分」・ご葬儀費用になります。

この中のご葬儀費用に関しては、約1,300,000~1,700,000円を限度に請求ができ、請求できる項目については以下のものになります。

・ご遺体の搬送料
・検案や解剖にかかわる費用
・ご遺体の処置料や修復費用
・お通夜式やご葬儀・告別式にかかわる費用(香典返しの費用は除く)
・火葬場の使用料
・四十九日までの法要にかかわる費用
・お墓の購入や納骨にかかわる費用
・司式者へのお布施やお礼

なお、葬儀費用を加害者に請求するにあたって、実際に負担された費用を証明しなくてはいけません。そのため、葬儀費用に関する領収書は失くさないようにしっかり保管しておきましょう。

司式者へのお布施やお礼に関しては、事情を伝えて領収書の発行をお願いして、必ず入手しておきましょう。どうしても領収書の発行を断られるようであれば、銀行振込で了承を得て、振込依頼書の控えを証明書類とした事例もあります。

まとめ

事故死という突然の出来事によって大切なご家族を亡くされた悲しみは筆舌に尽くしがたいことだと思います。しかし、故人様が安らかな眠りにつけるように、様々な事柄のしっかり確認しながら、適切に対処していきましょう。


記事の制作・編集
セレモニーコラム編集部

60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。


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