2021-04-30
親交があった方が亡くなられたら電話で訃報の連絡をいただくことがあります。この場合、どのようにお悔やみを伝えればいいのか分からない方も少なくないのではないでしょうか。人の死は非常に繊細なことですので、しっかりとマナーを理解して失礼にならないように振る舞いたいものです。
そこで今回は、故人様の死をご遺族様と共に哀しむだけでなく、ご遺族への最大限の配慮をするためにも電話でお悔やみを伝える際のマナーなどについてご紹介します。
お悔やみの言葉は、故人様を悼む想いをご遺族に伝える際に使用する言葉であり、「お悔やみ」と言うこともあります。お悔やみの言葉の例としては、「ご愁傷様でございます」「心よりお悔やみ申し上げます」「この度は、誠に残念でなりません」などがあります。
お悔やみの言葉を伝える際の基本的なマナーに関して以下にまとめさせていただきましたので、ご参照ください。
ご遺族は大切なご家族を亡くされ、精神的にも時間的にも余裕がない中ですので、訃報の連絡をいただいたら、短い挨拶でお悔やみの気持ちを伝える必要があります。そのため、お悔やみの言葉を伝える際には、短く簡潔に伝えましょう。
大切なご家族を亡くされたご遺族に、お悔やみの言葉を伝える際に故人様の死因などを尋ねることは大変失礼ですので、絶対にやめましょう。
忌み言葉は、「死に対する直接的な言葉」や「重ね言葉」などを指し、不幸が重なる、不幸を繰り返すことを連想させてしまうので使用しないようにしましょう。
・重ねことば
重ね重ね(かさねがさね)/益々(ますます)/度々(たびたび)/重々(じゅうじゅう)/次々(つぎつぎ)/再三(さいさん)/いよいよ/くれぐれも/かえすがえす など
・繰り返しが連想されることば
続く/引き続き/再び/再々/次に/なお/また/追って/追いかける など
・直接的な表現
死亡/逝去/死ぬ/生きる/存命中/自殺 など
・不吉な表現
浮かばれない/大変なことになる/消える など
宗教・宗派によっては使用を避けるべき言葉がありますので注意しましょう。例えば、死後の幸福を祈るという意味である「ご冥福をお祈りします」ですが、浄土真宗では亡くなられた方は仏様になるという教えがあるため、「ご冥福をお祈りします」は「死後の世界である冥界に迷い込む」という意味に捉えられてしまいます。
電話口でお悔やみの言葉を伝えるには、まず訃報の連絡を電話でいただいた際の適当な対応を知ることが大切です。訃報の連絡を電話でいただいた際に対応するには、以下のような流れで行うのがよいでしょう。なお、故人様との関係性別の文例も合わせてまとめましたので、ご参照ください。
ご遺族から電話で故人様の訃報の連絡をいただいたら、まずはお悔やみの言葉を伝えます。
<ご親族やご友人・知人のご家族などの場合>
・大変な時にお電話頂き、有難うございます。心からお悔やみ申し上げます。
・突然のことで驚きました。心からお悔やみ申し上げます。
・突然のことで言葉も見つかりません。お悔やみ申し上げます。
・あまりに突然のことで信じられません。どうぞお気を落とされませんように。
<親しいご友人のご家族の場合>
・大変だったね。つらい時に力になれなくてごめんね。何か私にできることがあれば、なんでも言ってね。
・突然のことで言葉もみつからないけど、お悔やみを申し上げます。私に手伝えることがあったら何でも言ってね。
お悔やみの言葉をご遺族に伝えたら、次はお通夜式やご葬儀・告別式を執り行う場所や日時を尋ねます。訃報には亡くなられたことを伝えると共に、お通夜式やご葬儀・告別式を執り行う場所やその日時を知らせるという役割もあります。
また場所や日時の他にも、お通夜式やご葬儀・告別式の宗教・宗派の形式についても尋ねておきましょう。事前に宗教・宗派が判明していれば、香典の準備の際や参列した時の立ち振る舞いなどにも役立ちます。
<ご親族や親しいご友人のご家族の場合> ・よろしければ、生前お世話になった故人にお別れをしたいのですが、この後の日程などはお決まりでしょうか?お分かりでしたら宗教や宗派も教えていただけますか? ・遠方のため、今すぐに伺うことができないのですが、今後の日程などはお決まりでしょうか?お分かりでしたら宗教や宗派も教えていただけますか? ・故人の名前と喪主の名前、お通夜式やご葬儀・告別式の日程と場所は決まっていますか?宗教や宗派も分かれば教えてください。
<社員のご家族の場合>
・お辛いところをお尋ねすることになり、本当に申し訳ないのですが、今後の日程などはお決まりですか?
・お忙しいところ大変申し訳ないのですが少しお伺いしたいことがございます。
・何かとお取り込み中のこととは存じますが、お伺いしたいことがございます。今、お電話でお伺いしてよろしいでしょうか?
お通夜式やご葬儀・告別式を執り行う場所や日時なども聞き終えて、電話を切る際にも注意をしましょう。電話を切る際はご遺族が先に切るのを待ってから切るようにします。また、受話器を置く際も静かにおくようにします。
電話で訃報の連絡を受けたら、悲しみや戸惑いなどの感情からなかなかお悔やみの言葉をうまく返せないということもあると思います。ただうまくお悔やみの言葉が返せなくとも、故人様の突然のご不幸に対して悲しみ驚く気持ちが伝わるだけでも、ご遺族は救われるでしょう。
60年の歴史と実績のあるセレモニーのご葬儀専門ディレクターが監修。喪主様、ご葬家様目線、ご会葬者様目線から分かりやすくのご葬儀のマナー知識をお伝えします。
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